Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

バンデットQ

2014年07月13日 | 1980年代 欧州

バンデットQ(原題:Time Bandits)

1981年 イギリス
監督・製作:テリー・ギリアム
製作総指揮:ジョージ・ハリスン、デニス・オブライエン
脚本:テリー・ギリアム、マイケル・ペイリン
出演:クレイグ・ワーノック、シェリー・デュヴァル、ジョン・クリーズ、ショーン・コネリー


まず「ん?」と思うのが、映画タイトル。
Q? え、コレって邦題だけ。なんでQって、足しちゃってるの?
それに加えジョージ・ハリスンの主題歌「Dream Away」を「オ・ラ・イ・ナ・エ」という
タイトルに意訳してしまうセンスはいかに!
これは日本の配給会社が、子ども向けファンタジーを狙って(わかりやすく?)変換させたからで、
初公開時には(子どもには辛い)バッドエンディングも独自の判断でカットしていたらしい。
80年代はまだまだ異国は遠く、繋がっていなかったんだなあ、と思わされる。

物語は、11歳の少年ケヴィンが、自分の部屋に現れた謎のコビト達を追って
時空を超えた旅にでる冒険活劇。
あらゆる時代や場所へ自在に移動できるタイムホールが描かれた地図を駆使して
ナポレオンやアガメムノン王から金目のものをかっぱらったり、
ロビンフッドに取りあげられたり、と派手な暴れっぷりで面白い。
めまぐるしく現れては消えるドタバタ感は、モンティ・パイソンでアニメーションを
担当していたテリー・ギリアム監督の持ち味。

日本の配給会社が初放映時にカットしてしまったというエンディングは・・・
少年が現実世界に戻ってくると、ベットの周りは火と煙に包まれていた。
助けに入ってきた消防士に抱えられ少年が外にでると、両親は火事の事で口論を
していた。両親は、火事の原因になったというトースターの中に入っていた魔王の破片
に触れ大爆発して、ふっとんでしまう。
呆然とする少年に、アガメムノン王そっくりの消防士はウインクを投げて去っていく。
・・・といったもの。
確かに救いはないけど、よくある「夢オチ」と考えれば
寝てる間の突然の火事で両親が亡くなったという現実がまずあり、少年の妄想による
脳内補完作業の物語とすれば、辻褄が合ってくる。
いかにもアニメーターらしい発想だなあ。