7/12
昨夜、弟から「明日病院に誰も付き添いでいけないので、行ってもらえないだろうか」とのメール。
無理。
店では一人営業してるし、ホントのホントに危篤とか、そんなんじゃなきゃ、何度も周囲に迷惑かけられない… 悲しい、、
弟に父の様子を聞いてみたところ、1日中寝てて、息をしているだけだったと、、、、
せめて仕事が終わってから少しの間でもと、病院にかけつけてみると、意外にも父は元気で、お見舞いの生徒さんがいらしていて、にこにこ楽しそうに話をしていた。
しかし…やせ細って、骨が皺シワの皮で覆われているだけの父。髪の毛も真っ白で、髭も伸びて、しかも、パジャマ(浴衣)の裾から紙パンツほとんど丸出し状態…
生徒さんの前でこんな姿でいるって、なんだか可愛そうに思えるんだけど、、、
もうちょっと、身だしなみをなんとかしてあげたい、、、
でも、もうそんな見栄より、父が、生徒さんとの時間を、少しでも元気で、楽しそうにしてくれているほうがいい。
こんな日もあれば、1日ものも言えずに寝ているだけの日もあるのだな。
父は、食事ができず、お粥だけしか食べられない。 それもお茶碗に半分程。
そしてそれが、最近は1日1回になりつつあるとか。
先日は、七夕の素麺を、美味しそうに食べた。
「つるつる」と美味しそうにすする音に、まだ力を感じた。
すごく安心するし、素麺をすする力が嬉しい。
出汁が美味しかったんだそうだけど、それでも、3分の1程度で、もう、食べることに疲れてしまった。
お見舞いの生徒さんが帰ってから、父はまた妙なことを言い始めた。
「ヒロコさんが、このフロアーの端っこの部屋で昼寝をしているので、早く起こしてきてくれ」と…
「わかった、端っこの部屋やね。ちょっと待っててね。」
約2分、部屋の外に出て時間を費やす。
「お父さん、ヒロコさん、ベッドにおらんかった。看護士さんに聞いてみたら、もうレッスンなので、教室に帰りますって言って、出ていったんだって。」
(ダンス教室=父の自宅 今もヒロコさんは、そこで生徒さんのレッスンをされている)
父は納得した。
そして、ヒロコさんに電話攻撃が始まった。
「もう今、教室を出たから、あと30分で病院に着くからね。」
待つ30分は、とても長い。
病院の壁から何か自分に迫ってきたりするのが見えるらしい。
「アンタ、何しよるんな!」
誰に向かって叫んでいるのか、普段はかすれて出ない声を振り絞って力いっぱい叫んでいる。
「お父さん、誰がおるん?」
「ほら、アレが倒れてくる、アンタも、気ィつけな、下敷きになる。」
「お父さん、ここの病院は頑丈やから、そんない簡単に壁はつぶれんよ。大丈夫。」
「ああ…壁か、、、」
幻覚が消えたのかな…? 本当にホッとしたカオになる。