カッシー宅のレコーディングルーム
私は、自分の作った曲に「解説」をつけたくない。
ライヴのMCでは「この曲はこんな経緯でできました」とか言いたくない。
そんな解説を語ったり書いたりなさるアーティストの方もいらっしゃいますが、
私はそれを読んでから作品を鑑賞するのが、その枠の中に入って見たり聞いたりしなくてはいけないことに、正直とても束縛を感じます。
自分の自由に観たり聴いたり、読んだりしたい。
作者の意図が「正解」とは思わない。
私は、私の歌は、どうとでも自由に感じて受け止めてほしい。
それが、全然私が作る曲の「出発点」でなかったとしても、それは全く違うかたちでその人に受け止められたのだと思うと、それこそがすごく嬉しい。
…とか言いながら、私はこのたびの「新曲」と、「改定した古い曲」についてこれから書きます。
私が書きたいから書くだけなんです。
以下画像はカッシー宅滞在中に二人で飲んだり食べたりしまくった記録 まずは温かい白子ポン酢とあん肝
これは、私がずーっとずっとお世話になってる大好きなアーティスト、カッシーとの創作の歴史の一端でもあり、
彼との創作の経緯であり、私の生活の中の創作は、自分と切り離すことができない。
出来上がったものは、もう自分を離れて自由に羽ばたいていくものだけど。
…と、大袈裟な前書きを書いてしまった。
ふろふき大根のとろろ昆布かけ レバーとニンニクのコンフィ
このたびのクリスマスに、私はカッシーにレコーディングを2曲、依頼しました。
1曲は、新曲。
内容は、
「私たちはお互い違う時間の上を歩いていくけど、あなたには、私の見えないところでも幸せでいてほしい
私がどんなに汚れても泥だらけになっても…」
とても久々に作った恋の歌のつもり。
しかし…ここまで歌っていいのか、これって恋じゃなくね?
恋ってもっとどろどろしたり、ジェラシーとか独占欲とか悩みとか、それをため込むととってもツライもんじゃない?
…と、ちょっと正直躊躇あった。
TAKAMIの歌はキレイすぎると言われたたこともあった。
TAKAMIさん、ドロドロ、どよどよの失恋の歌つくってくださいよー…と言われたこともあった。
「そうか、うん」と思って、やってみたこともあったけど、
歌を作っていく過程で、詞はだんだん浄化されていって、何を作っても結局清らかに完成してしまうのだ。
まあ、私の歌はこんなだよ…ってことで、よしとするか、、、、
楽天王府 紹興酒と青椒肉絲 おひとり様¥1100で1杯と絶品おつまみ2品 別件で友達と宴やってきたのに飲み足りなかった私
そんな折、ドラマ「JIN-仁-」を久々に観た。たぶん3度め。
きっかけは、このところハマってた「きのう何食べた?」の内野聖陽さんが坂本竜馬役だから…ってことなんだけど。
医療系、タイムスリップ系、幕末系のヤツね。
幕末にタイムスリップした医師の「仁」をそれぞれのかたちで命がけで愛する二人の女性、武家のお嬢さま「咲」と、花魁「野風」。
以前観たときには、私にとってはそこがテーマじゃなかったけど、まさに、仁が未来に帰って、違う時間の中をこれから生きていくそれぞれの運命。
あまりにも無償の愛だ、いや、無償じゃない、自己犠牲だ。自分の創作と重なり激泣きした私。
そうだ、コレでいいのだ、私の恋のうたは。
躊躇は消え去り、確信となった。
キュウリのたたき ネギチャーシュー 味絶品だ! ゼヒ私も挑戦するよ 来年の課題だ!
しかし、カッシーにはこんな蘊蓄は全く関係ない。
「歌詞」は関係ないのだ。ずっと昔から。アプローチが全く別方向からなのだ。
私はカッシーにこの曲を「令和バラードにしたい」と言った。
「令和バラード」とは具体的にどんなものかと言われた。
そういわれてもなー… 私は息子が時折聴かせてくれる曲が、「令和だなあ…」と感じる程度で、それを深く分析なんかしたことがなかった。
そこで、息子にヘルプ!で、令和バラードの音源を送ってくれるよう頼み、息子も協力してくれた。
…とかいろいろあり、カッシー宅初日には、明け方まで、昭和→平成→令和の曲を聴きまくった。
…というより、カッシーが「これでもか!」というほど聴かせてくださいました。
そして、素晴らしかった昭和のヴォーカリストの素晴らしかった曲も聴き、令和の曲とはどういう方向性にあるのか…その方向性もある程度見えてきた。
翌日からラフなアレンジが始まり、私が別件で不在にしている間もカッシーは作業をずっと続けていてくれたり、今回は、年末、クリスマスシーズンということもあり、なかなか2人で一緒にレコーディングに取り組める時間のない中、カッシーはできる限りのことをやって下さいました。
豆腐の一口揚げは調味料が1個ずつに丁寧にまぶされていて、それが仄かな梅の香りで薄味で絶妙 これにも挑戦するよ
2曲めはリニューアル曲。
フラミンゴ初期に作ったもの。
内容は、
「あなたと一緒だったころはあなたしか見えなくてそれが幸せだった
でも、ひとりになった今いろんなものが見える
風の色 雲のうた 囁く木漏れ日たち…」
帰ってきた自分の世界がそれはそれは清らかなのだ。
私はこの歌を「チョイ汚れ系」にしてみたくなった。
帰ってきた自分の世界は、ぬるまったビアジョッキの水滴や、夢に渇く男たちがいて、空気は淀んている
でも、これが本来の私の世界だったんだなあ…
みたいなヤツ。
そのほうがコントラストがくっきりしてていいのでは?
でもやはりこの主人公の心の中はやっぱり清らかだ。
私自身は、全然そんなに清らかじゃないのですけど…
でも、私が求めたり、理想としている世界なのか?
それは私には今もわかりません。
蒸し鶏のサラダ 鶏肉の辛い鍋
カッシーはそんな歌詞にもやはり興味がないので、
「コード進行ももソロもちょいエロ系にしてほしい」とお願いした。
前回レコーディングのときに「引き潮」という曲をギターとのデュオにリニューアルしたんだけど、
それが私もすごく好きだったし、好評だった。
めっちゃ失恋の歌だけど、これもやっぱり清らかで、
「エロ清らか」なところがウケたっぽい。
東京最終日、ゴジラ-1 観にいきました。もうお互い別々に予定があって、絶対無理と思ってたけど、長い付き合いの中で、カッシーと初めて映画にいった
そして歌舞伎町の鰻店「うな鐵」にいきました ビール小瓶もいただきました これから真剣にレコーディングの仕上げなので1本だけ
この2曲が、どんなふうに仕上がっていくのか、
まだまだ「あーだ! こうだ!」 という、カッシーと私の攻防は続いていくのであります。
カッシーはものすごく優しくて思いやりのある人です。上の画像は、私が飲み足りなくて自分用にストロングとカッシー用にハイボールを買って帰った日に、
やおら枝豆を焼いてくれた。
枝豆を焼く?
しかもソレには昆布の極細千切りのようなのが入っていて、なんだかわからないぞと怪しむ私は、お箸でどかしながら食べていた。
カッシーのギターの練習の区切りのいいところで、コレ何?と聞いてみたところ、輪切りの唐辛子だとか。
どかしていたヤツを急いでかき集めて食べました。
しかし、私の感じるところでは、生粋東京ネイティヴ男子はみんな優しいのだ親切なのだ。チャキチャキと機転がきくのだ。
関西系四国系男子とは違うのだ。
それが東京ネイティヴの習性で、TAKAMIに特別…ってことではない。
とはいえ、音楽パートナー知音関係のカッシーと私ならでは…てのもちょっとはあるような気もちょっとはする。
これからも、私としては緊張感を保ちつつ、ずっとこんなお付き合いがしたいと心から願うのであります。
「カッシー好きだよ」「あーどうもね」
最後にカッシーほんとにいつもたくさんありがとうね。