ボランティア修了証

大学生に「ボランティア修了証」なるものが発行されるそうです。2013年度からの実施を目指し、予算が計上されます。文部科学省によれば、学生が実社会に出る前に、様々な経験を積むことが狙いで、将来的には就職時の判断材料として活用することも視野の中にあると言います。

と言われなくても、こうした修了証が就活の一つとして使われるであろうことは想像に難くありません。就職の条件を良くしようとする学生達が、修了証を手にするために、ボランティア活動に励むであろうことも、結果彼らが多くの経験を積むであろうことも、その道筋上に見えてきます。が、方向が違っている気がします。

内容として、ボランティア、自然体験、運動・スポーツ、科学・文化・芸術活動の4分野すべてに参加し、それぞれ定められた継続期間などをクリアすることが条件づけられているらしいです。人間の幅を広げたり、他の人のために何かをする喜びに目覚めることは、大いに結構ですが、それは制度として存在するもののためにやるものではありませんし、ましてや見返りがあるべきものではないような気がするのです。それでも結果論として彼らが手にする経験値や人間としての土台作りが魅力だというなら、中学生や高校生の年齢で導入すればよいのでは。大学と言う場が何のために設けられているのかを考えれば、それらは自由意思で見返りも無しに、「やっています」と広言することなく、一人一人の中で完結していくべき事のように思えるのです。

まして、企業がそれを参考に人選をするという事も、滑稽に見えます。そのような体験を通して、本当に人間としての幅を広げ、様々な力を備えている人材かどうかは、「何をやったか？」で判断すべきでなく、今現在目の前の若者に備わっている「覇気」から担当者が感じなければならないことです。就活の面接では、こう答えるべきであるとか、これは言ってはならない…とか、様々な対策本が出回ります。人事担当者も、志望者が何を言ったか、どう答えたか…を丹念に聞き取る方もおられます。口は何とでもキレイごとを言うことができるのです。もちろん、キレイごとを咄嗟に並べる能力は、確かに能力ではありますが、人間としての幅や深さは、人間として見抜かなければ見えるものでは無いような気がします。



「複数アニメーション効果を設定したい」

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