◯Japan is facing a genuine test of its democracy.日本は民主主義の本当の試練に直面している。

2014-05-19 13:04:00 | ♪PFK ASAP NEWS


05/19/2914. (International New York Times)

もう一度、05/08/2014のNYTのarticleを眺めて見たいと思います。

05/14/2014 nytimes.com re-up version
◯ The Fukushima Crisis790 ; Hubris PM Abe.安倍首相の思い上がり。傲慢。nytimes.com
ニューヨーク・タイムズ社説、安倍首相の解釈改憲への動きを激しく批判 The New York Times Editorial Criticizes Abe's Move to Reinterpret the Pacifist Constitution
05/08/2014 - 17:59

ニューヨーク・タイムズの電子版に、安倍氏による解釈改憲の試みを強烈に批判する社説が出た。紙版では、5月9日のニューヨーク・タイムズ国際版(International New York Times)

Japan’s Pacifist Constitution
日本の平和主義的憲法
http://www.nytimes.com/2014/05/09/opinion/japans-pacifist-constitution.html

By THE EDITORIAL BOARD MAY 8, 2014

Prime Minister Shinzo Abe of Japan is pushing for an expanded role for the Japanese military that would allow it to fight alongside allies beyond the country’s territory. He seeks to shoulder greater global security responsibilities by what he calls proactive pacifism.
日本の安倍晋三首相は、日本の軍隊が国境を超えて同盟国とともに戦うことを許すような役割の拡大を推し進めている。積極的平和主義と呼ぶものによって、安倍首相はより大きな世界的な安全保障の責任を担おうとしている。

But he faces a major hurdle. Article 9 of the Constitution, which has been nominated for the Nobel Peace Prize this year, states the Japanese people “forever renounce war as a sovereign right of the nation.” Mr. Abe’s aim to change the powers of the military would require a constitutional revision, which would mean winning two-thirds approval in both houses of Parliament, followed by a referendum ― a very tall order. So instead, Mr. Abe seeks to void Article 9 by having the government reinterpret the Constitution. Such an act would completely undermine the democratic process.
しかし安倍首相は大きなハードルに面している。今年ノーベル平和賞にノミネートされている憲法の第九条は、日本国民は「国権の発動たる戦争・・・永久にこれを放棄する」と定めている。安倍氏が目的としている軍隊の権限の変更は、国会両院の3分の2の承認の上に国民投票を要するという、大変困難なものであるからだ。だから替わりに、安倍氏は政府に憲法を再解釈させて九条を無効にしようとしている。このような行為は完全に民主的過程をないがしろにするものだ。

Mr. Abe’s highest political goal is to replace the Constitution written and imposed upon the Japanese by the American Army following World War II. For 67 years, not a single word has been amended. Mr. Abe strongly feels that the Constitution imposes an onerous restriction on Japanese sovereignty and is outdated. Still, as critics point out, he should know that the Constitution’s primary function is to check government power. It is not something that can be altered by the whim of government. Otherwise, there is no reason to bother with having a constitution at all.
安倍氏の政治の至上目的は、第二次世界大戦後米国陸軍によって起草され日本に課された憲法を取り換えることである。67年間、一言も修正は入っていない。安倍氏は、憲法は厄介な制約を日本の主権に課すものであって時代遅れであると感じている。しかし、[安倍氏を]批判する人たちが指摘するように、憲法の主要な機能は政府の権力を抑制するものであるということを安倍氏は知るべきである。政府の思い付きで変えられるようなものではない。さもなければ、そもそも憲法などを持つ理由さえなくなってしまう。

As things stand, only the New Komeito Party, the junior coalition member of the government with a deep pacifist bent, could inhibit Mr. Abe’s ambition. Without New Komeito, the prime minister’s government loses its majority in the upper house, so Mr. Abe is doing his utmost to come up with a way toward a constitutional reinterpretation acceptable to New Komeito. The other eight opposition parties are in disarray. Mr. Abe has a strong hand, and Japan is facing a genuine test of its democracy.
現状では、深い平和主義傾向を持つ政権の少数派連立メンバーの公明党だけが安倍氏の野心を抑えることができる。公明党ぬきでは、与党は参議院で過半数を失う。安倍氏は公明党に容認可能な憲法再解釈への道を考え出すことに最大の努力を払っている。他の野党8党は足並みが揃っていない。安倍の出方は強気であり、日本の民主主義は真正な試練に直面している。


http://www.nytimes.com/2014/05/09/opinion/japans-pacifist-constitution.html







NewYork Times 「日本の平和憲法」
5月8日付けのNew York Times の社説Japan's Pacifist Constitution が、日本の民主主義がいよいよ危機的状況に直面していると報じた。
改憲の動きにアメリカはこれまでもつよい警戒心と不快感を示してきたが、官邸はアメリカの反対をかわす意図で、「憲法をいじらずに解釈改憲で実質的に九条を空洞化する」戦術を選択した。
これまでのところ、ホワイトハウスは解釈改憲が専一的にアメリカの軍事戦略への協力をめざすものであるという説明を受け入れてきたが、ニューヨークタイムズに代表されるアメリカのリベラル派の世論は安倍内閣の「積極平和主義」路線がその本質においてアメリカの国是である民主主義そのものを否定するモメントを含んでいることを指摘している。
アメリカの政治理念を否定する政権がアメリカの戦略的パートナーであるということは、開発独裁や対露、対中戦略を見るとありうることである。
ニューヨークタイムズの懸念は理解できるが、「あの国は嫌いだけれど、利用できるなら利用する」というマキャベリズムをホワイトハウスはいずれ採用するだろう。その点、アメリカはドライである。
ただ、アメリカの知識階級から
日本は「自ら進んで成熟した民主主義を捨てて、開発独裁国(i.e.北朝鮮や中国のような)にカテゴリー変更しようとしている歴史上最初の国」とみなされつつあることは記憶しておいた方がいいだろう。


も一度記事ようやく。

日本の安倍晋三首相は日本軍の役割を拡大して、領土外で同盟国とともに戦う方向に突き進んでいる。彼のいわゆる「積極的平和主義」によってより広汎な地球規模での安全についての責任を担うことをめざしている。
しかし、彼の前には巨大な障害がある。憲法九条である。この条項は今年ノーベル平和賞候補にノミネートされたばかりであるが、「国権の発動たる戦争を永久に放棄する」と謳っている。軍事力行使の変更という安倍氏の目的は憲法の改定を必要とするが、これは両院での三分の二の賛成と、その後の国民投票を意味している。きびしい注文である。それゆえ、改憲ではなく安倍氏は憲法の内閣解釈を変えることで憲法九条を空文化することをめざしている。しかし、このような行為は民主的なプロセスを根底的に掘り崩すことになるだろう。
安倍氏の最終的な目標は第二次世界大戦後に米軍によって起草され、日本国民に押しつけられた憲法を別のものと置き換えることである。過去67年間、憲法はその一語も改定されていない。憲法が日本の主権にとって邪魔くさい制約であり、時代遅れのものだと感じてる。しかし、批判勢力が指摘しているように、彼は憲法の第一の機能が行政府の力を制御することにあるということを知るべきである。憲法というのはときの政府の恣意によって改定されてよいものではない。それで構わないというのであれば、そもそも憲法などという面倒なものを持つ理由がなくなる。
このままことが進むなら連立政権の相手であり、平和主義的傾向の強い公明党だけしか安倍氏の野心を抑制することはできない。公明党抜きでは安倍政権は参院での過半数を制することができないからである。安倍氏が公明党にも受け入れられるような憲法解釈を必死で探っているのはそのためである。他の野党8党は足並みが揃っていない。安倍の出方は強気であり、
日本は民主主義の本当の試練に直面している。(Japan is facing a genuine test of its democracy)

ここまで。

文中で興味深いのは「積極的平和主義」を記事がwhat he calls proactive pacifism と訳している点。「彼のいわゆる先取り的平和主義」。まだ何も起きていないうちに「これはいずれ平和を乱すことになるかもしれない」と判断したら他国への武力攻撃を含む干渉を行う立場というニュアンスがこのproactive pacifism にこめられている。
語の選択に安倍政権が東アジアで戦争を始めるリスクファクターになりつつあることへの懸念が表明されている。