◯ さよなら チャイナ

2019-01-23 12:06:54 | ♪PFK ASAP NEWS
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経済・金融, 政治・社会2019-01-23 12:06:54
2019.01.23

「China チャイナChina 」
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ここにきて中国経済の大幅な減速が明らかになってきました。米国が中国の覇権挑戦阻止を決めた以上、中国は今後、間違いなく衰退していきます。この世界史の大転換を読み違えてはいけません。国家も企業も、そして一般ビジネスパースンも、もう中国からは手を引くべきなのです。(ジャーナリスト 山田順)



すでに始まっている中国経済の衰退
年明けの「アップルショック」で中国経済の減速が明らかになりましたが、その減速スピードが予想を上回ることがはっきりしてきました。

中国汽車工業協会が14日に発表した2018年度の新車販売台数では、28年ぶりに前年比でマイナスに転じました。2017年比2.8 %減で、約2800万台。数字的には大したことがないように思えますが、消費の落ち込みが原因ですから、その影響ははかりしれません。

この中国の消費市場の落ち込みをさらに裏付けたのが、17日に日本電産が発表した19年3月期の業績予想の下方修正です。

日本電産の永守重信会長は、こう言いました。

「昨年11、12月は経験したことがない落ち込み。46年間経営しているが、こんなに落ちたのは初めてだ」

この発言で、日本の産業界に衝撃が走りました。

日本電産は中国で自動車や白物家電向けのモーターを提供しています。その生産が30〜40%も落ち込み、工場は在庫の山になったというのです。日本電産と同じく下方修正を発表したのが安川電機で、こちらはスマホ向け製造装置の生産が大きく落ち込んだのが原因です。

「世界の工場」とされてきた中国ですが、消費の落ち込みとともに、工場の稼働率が落ち、大不況に見舞われていると言っていいのです。

中国の消費市場は、2018年に米国を抜いて世界トップになると予想されていました。しかし、この状況ではほぼ無理でしょう。GDP成長率も大幅に落ち込むことは間違いありません。

日に日に高まる習近平国家主席への不満➡

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中国の敗戦確実な「対米新冷戦」の結末
中国経済が衰退を続けると断言できる大きな要因は、「米中新冷戦」での中国の敗戦が確定しているからです。米国はトランプ政権になってから「中国叩き」を始めたように見えますが、実はそうではありません。この政策は長年にわたって検討されてきたものであり、共和党も民主党も一致している国策です。

トランプ大統領は、いま壁の建設をめぐって民主党と対立していますが、対中国に関しては民主党も共和党も一枚岩です。なにしろ、民主党のナンシー・ペロシ下院議長は筋金入りの中国嫌い。ブッシュ政権時代、「北京五輪をボイコットせよ」と主張したぐらいです。

中国を徹底的に叩く。そして、二度と米国の世界覇権に挑戦できなくする。米国の国家意思は固いのです。いま中国が国家目標としている「中国製造2025」も「一帯一路」も、米国に確実に潰されます。

すでにウォール・ストリートはそれを見据えて、投資先を大きく変えています。中国から大規模な外国資本の撤退が始まっているのです。日本企業も撤退を始めています。かつて上海には在留邦人が世界一多い5万人もいましたが、いまやピーク時から1万人ほど人口が減りました。私の知人も、昨年、中国ビジネスをたたんで帰国しました。



中国政府にもメンツがあるので、敗戦を認めません。今年もまた、GDP成長率6.5%という最低限の国家目標どおりの数字を発表するでしょう。しかし、今年の半ばごろには、成長率が落ち込み、悪ければマイナスに転じたことが明らかになる可能性があります。

ちなみに、それ以前に、米中関税戦争の「休戦」の期限が3月1日に切れます。米国政府は、交渉が決裂すれば、2日午前0時1分(米国東部時間)をもって、10%の上乗せ税率を25%に引き上げると宣言しています。

北京でも噴出し始めた習主席への批判
米国メディアの報道を見ると、中国は大幅に譲歩してくるという見方が主流になっています。しかし、中国にそれができるでしょうか?

実は、北京の政府内でも、昨年の半ば頃から、習近平国家主席への批判が出るようになっています。

「習主席は先を急ぎすぎている」
「かつて鄧小平が唱えた韜光養晦(とうこうようかい:才能を隠して内に力を蓄える)路線に戻すべきだ」

というのです。世界第2位の経済大国になったとはいえ、米国と正面から戦っては、現時点では勝ち目がないからです。

そこで注目されたのが、昨年12月18日に行われた改革開放政策40周年記念大会での習主席の演説でした。ここで、「軌道修正」を言い出す可能性があったからです。

しかし、彼はメンツにかけてこれを拒み、6年間にわたる自分の実績を強調。「中国の夢」(2049年までに米国を抜き、あらゆる面で世界一の国になる)路線を続けるとしたのです。

いま中国から手を引かないと手遅れになる!?➡



中国経済を崩壊させうる米国の「次の手」
以下は、2017年の名目GDP(USドル)ランキングです。

1位:米国:19兆4854億ドル
2位:中国:12兆146億ドル
3位:日本:4兆8730億ドル

この数字を見て、中国がこれまでのように6〜7%成長を続ければ、2030年頃には米国を逆転すると多くの専門家が考えてきました。しかし、中国のGDP成長率は、07年の14.2%をピークに一貫して低下しています。とすれば、米国の中国叩きがなくとも、いずれ先進諸国と同じような2、3%成長となり、米国の成長率と並びます。米中逆転など、はなからありえない話だったのです。

しかも、中国は見せかけの市場経済であって、市場に自由競争はありません。米国としては、中国がいまの状況を続けるのなら、その先は、関税引き上げ、市場開放要求だけでは済みません。

米国には基軸通貨ドルという強力な武器があります。したがって、「次の手」としては、中国企業と個人が米国に持つ資産の凍結とドル取引の停止といった経済制裁があり得ます。



かつてフランスのBNPパリバ銀行は、米国の制裁対象国と違法な取引を行ったとされ、米当局に対し89億7000万ドルの罰金を支払うことと、1年間のドル取引の停止処分を受け、大損害を被りました。この先、中国の大手銀行が同様の措置を講じられることは十分にあり得ます。特に在米資産凍結となると、多くが海外に隠し資産を持つ中国政府の幹部たちは悲鳴を上げるでしょう。

こうして、「米中戦争第2ラウンド」は最終的に、人民元の強制切り上げ(第2のプラザ合意)に行き着く可能性があります。1985年の「プラザ合意」では、これをきっかけに日本経済は空前のバブルに突入し、その後のバブル崩壊によって壊滅状態になりました。

いまこそ必要な「グッバイ、チャイナ」の決断
米中新冷戦の敗戦がなくとも、中国は衰退する運命にあります。それは、中国が日本から周回遅れで「少子高齢化社会」に突入してくからです。

2018年、中国の出生数は1523万人と、前年比で200万人も減少しました。いま、中国は日本以上に深刻な「少子化」に見舞われているのです。同年の中国の出生率は1.09で、日本の1.43(17年)を下回っています。

少子化の原因は、1980年に始められた「1人っ子政策」です。中国政府は2016年になってやっとこの政策を撤廃しましたが、36年間続いた人口抑制策の影響を短期間で払拭することはできません。子供の数が減るとともに高齢化も進行しています。

中国経済の成長の原動力となったのは、人口増加による安価な労働力の大量供給でした。しかし、この少子高齢化が続けば、経済の担い手である生産年齢人口が減少するので、中国経済から「人口ボーナス」は消滅します。そこから日本と同じような「失われた30年」に陥るのは間違いありません。

昨年10月の訪中で、安倍首相は中国との友好を深めることで合意しました。

「競争から協調へ」
「脅威ではなくパートナー」
「自由で公正な貿易体制の発展」

の3原則を確認したのです。

さらに、経団連の中西宏明会長は「一帯一路」について、「中国は日本に協力を求めている。日本に大きなチャンスが来ている」と発言しました。

信じられないことです。これからは、官民あげて「グッバイチャイナ」をしなければ、日本は共倒れになってしまうでしょう。

◇山田 順(やまだ・じゅん)
作家、ジャーナリスト、出版プロデューサー。
1952年横浜市生まれ。元光文社ペーパーバックス編集長。メディア、経済、ビジネスを中心に執筆活動中。主な著書は『資産フライト』(文春新書)、『新聞・出版 絶望未来』(東洋経済新報社)、『中国の夢は100年たっても実現しない』(PHP)。近著は『東京「近未来」年表』(さくら舎)。

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◯ 中国はなぜ理不尽な死刑判決を外国人に言い渡すのか

2019-01-18 17:59:39 | ♪PFK ASAP NEWS
2019-01-18 17:59:39 DIAMOND online


2019.1.18


2019-01-18 17:59:39
中国はなぜ理不尽な死刑判決を外国人に言い渡すのか
2019-01-18 17:59:39
鈴木貴博 
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DIAMOND online
中国がファーウェイ事件の報復でカナダ人に死刑判決を言い渡す理由
中国の大連市中級人民法院は、覚醒剤密輸の容疑でカナダ人男性に死刑判決を言い渡した。このような理不尽な出来事は、今後中国だけでなく、世界中で起きる可能性がある Photo:REUTERS/AFLO
中国でのカナダ人死刑判決
単なる司法制度の問題ではない
 1月14日、中国の地裁に相当する大連市の中級人民法院は、覚醒剤222キロを大連からオーストラリアに密輸しようとした容疑で、カナダ人男性に死刑判決を言い渡しました。

 中国では違法薬物の取引は重罪で、覚醒剤の場合50グラムの密輸でも死刑になる可能性があるそうですが、とはいえ今回の判決は異例だったようです。というのも、もともとこの被告は従属犯(正犯に従属して成立する犯罪)として懲役15年の判決を受け、それを不服として控訴していたからです。

 ところが、上級審の裁判中にカナダでファーウェイ(華為)の幹部が逮捕された後、突然「従属犯ではなく主犯である証拠が見つかった」とされ、昨年12月末に裁判のやり直しが命じられました。そして、わずか16日後に死刑判決が下されたのです。

 このことからカナダでは、今回の判決はファーウェイ幹部逮捕に関わる報復の一環ではないかと言われているのです。中国ではファーウェイ幹部逮捕後に13人のカナダ人が拘束されたということで、カナダ政府は国民に対して中国渡航について異例の注意を呼び掛けています。

 一方で中国国営紙は、カナダのトルドー首相がこの死刑判決を批判したことに対して、逆に「これは中国の法制度に対する侮辱だ」という抗議の意見を表明しました。あくまで本件は中国の国内法の話であり、かつ麻薬撲滅は中国の国内の重要政策の1つだから、というわけです。

 さて、そもそもなぜこのような事件が起きているのでしょうか。私は今回の事案に関して「中国の司法制度が独特だから」という捉え方をするのは表面的なものに過ぎないと考えています。実は、読者の方々もお気づきだと思いますが、これと似た事件が今、世界中で起きています。そして、そのことこそが時代の本質を突いていると、私は思うのです。

 世界中で不穏な動きが活発化し始めたのは、トランプ大統領が登場した頃からです。アメリカはメキシコとの国境に壁をつくり、その壁を乗り越えようとしてきた難民が拘束される事態になっています。一方で、アメリカは中国と関税戦争を始め、保護貿易の台頭による経済成長の鈍化が、世界的な問題になり始めています。

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ゴーン氏も竹田会長も根は同じ、世界は「外交戦争」へ


今回の事件の発端となったファーウェイの幹部拘束事件は、アメリカと中国の間のサイバー戦争から発展したものです。中国製の通信機器は安保上問題があるということで、ファーウェイとZTEの通信機器がアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5ヵ国の次世代ネットワークから外される事態が起き、それに幹部の逮捕が続いています。

 そのような国際緊張の中で起きた今回の死刑判決ですが、本質は国際緊張のほうにあり、今回の死刑判決はその結果起きる、おびただしい混乱事案の一角に過ぎないのです。言い換えれば、似たような事件がこれからいくつも起きることになるのです。

 日本について言えば、韓国で徴用工に関して日本企業に高額の賠償金を求める判決が出て、国際問題に発展しています。同時に、日本の自衛隊機に対するレーダー照射問題も起きています。どちらも、日本の立場から見れば「相手が悪い」という問題なのですが、韓国からは見方が違うようで、結果として国際的な外交問題に発展しています。

ゴーン氏も竹田会長も根は同じ
世界は「外交戦争」の時代へ
 まったく別の話ですが、ルノーのゴーン会長を日本の検察が拘束している問題も、日本からすれば国内問題です。しかし同じことを言えば、JOC会長の竹田恒和氏をフランスの捜査機関が捜査をするのは、フランスの国内問題だということになります。

 1つひとつの問題は全く別の原因で起きた、全く別の社会問題です。しかし、私が重要だと思うのは「なぜ、今、世界中でこのような外交紛争が同時多発的に起きているのか」という点にあるのです。

 先に結論を申し上げましょう。今、世界は「外交戦争の時代」に突入したのです。

 どういうことかと言うと、世界中が「国内が成長するよりも外国から何かをぶん取るほうが成長できる状態」に陥りつつあるのです。

 これとよく似た状況が、1930年代の世界で起きました。1929年にアメリカで大恐慌が起きましたが、欧州でも同様に経済停滞が起きます。それで主要国は他国から利益をぶん取る覇権主義ないしは保護主義的な政策へと舵を切るようになります。



その中で、ドイツではナチスが政権を握り、ソ連ではスターリンが権力基盤を固めるのですが、少なくともドイツに関して言えば、独裁者が誕生した背景はポピュリズムの台頭にありました。つまり、国民が「悪いのは外国だ」と唱えるヒトラーを選挙で指導者に選んだのです。

 そうして、世界が紛争の種を抱えて不安定になった結果、1930年代は歴史的な外交政策の時代に突入します。いたるところで国際問題が起き、それを解決するための国際会議や首脳会談が、どの国にとっても最大の政治課題になったのです。

 今世界で起きていることは、1930年代と同じ外交問題の同時多発現象です。その観点で捉えれば、現在進行形の日ロ交渉も、イギリス議会のEU離脱否決も、全てはまったく別の事象でありながら、同じ文脈で起きている社会問題です。

国内の成長よりも外国から
ぶん取るという「いつか来た道」
 繰り返しになりますが、その根底にあるのは「国内が成長するよりも、外国から何かをぶん取ったほうがいい」というアイデアです。ロシアも韓国も中国もアメリカも、日本を揺さぶれば何かしらの利益が得られると考えて、同じ文脈で全く別の外交問題を次々と仕掛けているのです。

 そして、それは日本だけではなく、中国とアメリカ、中国とカナダ、イギリスとEU、トルコとサウジアラビアといった具合に、世界中で同時に違う形で同じような外交問題が勃発している。それが、現在起きていることの本質です。

 結果として、死刑判決を受けてしまったカナダ人から見れば、これほど理不尽な状況はないでしょう。しかし、そのことが単体の問題ではないということが、今回の問題なのです。

 1930年代の外交政策の時代は、その後に世界大戦を引き起こしました。一市民としては、今回の状況がそこまで悪化しないことを願う一方で、特に日本の政治家には同じ悲劇を二度と繰り返さないように、国の舵取りをお願いしたいと思う限りです。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

◯ ITmedia 「世界で最も精巧な」頭部3次元CGデータ、東大が無償公開

2019-01-12 09:24:19 | ♪PFK ASAP NEWS
2019-01-12 09:24:19



「世界で最も精巧な」頭部3次元CGデータ、東大が無償公開

東京大学は1月11日、人間の頭部を精巧に再現した3DCGデータの無償提供を始めた。人の解剖所見や教科書を参考に作られた1000パーツ以上におよぶモデルで、随時アップデートするという。
[ITmedia]
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グローバルな人材を育成するICT活用事例
 東京大学は1月11日、人間の頭部を精巧に再現した3DCGデータ(ポリゴンモデル)の無償提供を、専用のWebサイトで始めた。人の解剖所見や教科書を参考に作られた1000パーツ以上におよぶモデルで、随時アップデートするという。非商用、研究・教育用途限定で使用でき、そのまま3Dプリンタで造形することもできる。

画像
専用サイトより
 最先端のコンピュータグラフィックス技術と脳神経外科医の知見を集約し、医療の現場に必要な解剖情報を3DCGとして作成した。医用画像では確認できない脳実質内の神経線維、硬膜、微小血管などまで精密に再現。「世界最高レベルの精巧さ」という。

 1000パーツ以上の全パーツを無償で提供。用途に応じて必要なパーツだけダウンロードして利用でき、各パーツをそのまま3Dプリント造形することも可能だ。

◯ 戦闘準備でも対米不戦、習近平方針混乱が示す危機

2019-01-09 17:15:11 | ♪PFK ASAP NEWS
2019-01-09 17:15:11 NikkeiSimbun


戦闘準備でも対米不戦、習近平方針混乱が示す危機

編集委員 中沢克二
トランプ政権 習政権 習政権ウオッチ
2019/1/9 5:50 [有料会員限定]

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞
2019年の年頭、習近平(シー・ジンピン)国家主席は、中国軍の最高幹部会である中央軍事委員会の工作会議で舌をかみそうになるほど「軍事闘争の準備」を繰り返した。
「力と資源を軍事闘争の準備に集中し、軍事闘争の準備に奉仕させ、軍事闘争の準備工作を力強く進め……」。トップが軍事闘争の準備を口にした例はある。だが、一段落内で3回もの繰り言は初めてだ。一見すると摩擦が激しくなる米国との戦争準備に即時入るよう全軍に指示したかに見える。

■「米国に対抗せず、冷戦を避ける」という対外大方針のリーク


北京で開かれた中央軍事委員会の軍事工作会議で演説する中国の習近平国家主席(4日)=新華社・共同
一方、相反する対外方針が中国の中枢部から堂々とリークされている。「米国に対抗せず、冷戦を避ける。順序立てて市場を開放し、国家の核心的利益は譲らない」。中国最高指導部の決定とされる"機密"は、中国版LINE「ウィーチャット」などを通じて広く出回った。おかしなことに厳格な中国当局の検閲もすり抜けている。同じ中身は昨年12月、香港紙が報じていた。
こちらも大筋、嘘ではない。米国が、カナダで一度逮捕された華為技術(ファーウェイ)創業者の娘の引き渡しを求めているのに、中国は7、8日、北京で対米交渉を進めた。危機をあおる「軍事闘争の準備」と「米国に対抗せず、戦わない」という方針の矛盾。これでは国民が混乱しかねない。

ちょうど1年前、習近平は、米国と北朝鮮の戦争も覚悟せざるをえない情勢下で、実戦を想定する緊迫した訓令を中国軍に発した。その後、朝鮮半島情勢は急展開。米大統領のトランプと北朝鮮の委員長、金正恩(キム・ジョンウン)の会談で、中国の権益を侵すような戦争はひとまず回避された。

だが今、再び習近平に危機が迫る。米中貿易戦争は既に技術覇権戦争に進んだ。中国が「核心的利益」とする台湾問題、そして南シナ海問題でも米中対峙が激しい。とはいえ米国と直接、戦端が開かれるなら中国経済は破綻する。習近平も重々、承知だ。今回、習近平が招待した金正恩の4度目の訪中も米朝融和に中国としてもかみ、トランプの関心を引き寄せる思惑がある。


習近平体制下で装備近代化が進む中国軍(珠海航空ショーで)
「軍事闘争の準備」が対米戦争への直接の備えではないなら、いったい何を意味するのか。「毛沢東の考え方を思い起こせばよい」。共産党関係者が発した極めて短い示唆は、習近平が重視する新中国の父、毛沢東の「人民戦争理論」「持久戦論」をひもとくようにという意味だ。
人民参加の武力革命で成立した共産主義中国では、職業軍人による部隊と人民の区別があいまいだった。両者の有機的結合が毛沢東思想=人民戦争理論の核心である。革命時には賛同する人民が軍に入り、平時には人民が軍の外にいる。国民は軍事の準備形態とされる。

毛沢東が発動した悲惨な文化大革命(1966~76年)も紅衛兵という名の青年らを動員した一種の軍事闘争と言える。名目は中国革命の継続だった。習近平は、毛沢東の誤りを指弾した鄧小平以降3代のトップと違い、好んで毛沢東語録に言及する。「自力更生」という言葉もそうだった。

「軍事闘争準備」の指示は軍隊ばかりではなく、一般共産党員、そして人民にも向けられている。戦時に準じる危機意識の長期的な共有こそ重要なのだ。

それは毛沢東の「持久戦論」に通じる。戦わずに逃げ回りながら最後は勝つ戦略は、抗日戦争の際、編み出された。これは現代の対米対処でも同じ。いつ終わるとも知れぬ持久戦なら人口が多い中国に有利。装備近代化の時間も稼げる。持久戦には内部の安定と強い指導力が必要という主張である。

■布石は12月の「自己批判大会」

読み解くヒントは昨年末の重要会合にもある。12月25、26両日の共産党政治局メンバー25人らによる「民主生活会」。名称とは全く違い民主主義を語る和やかな懇談会ではない。出席者に自己批判を迫り、時に陥れる場になる。その「自己批判大会」で習近平は最も大事な最後の部分で8回も「闘争」という言葉を繰り返し、革命に言及した。


習主席は過去の指導者と違って頻繁に毛沢東語録を引用する(中国内の展示から)
「組織的、計画的に幹部を重大な闘争の一線に送り、本当の銃と刀を磨かせる」
単なる例え話ではない。この頃、共産党の内外で盛んに習近平の強権的な手法に不満が出ていた。表では誰も発言しないなか、北京大学教授として社会学を教えてきた鄭也夫が勇気ある行動をとった。「政治体制改革を怠った共産党は歴史の舞台から退場すべきだ」という趣旨の文書を公表したのだ。習近平発言は、逆らえば誰であれ党の権威を守るため毛沢東に倣って打倒するとの脅しに聞こえる。

もう一つ、注目点がある。習近平が党中央の「核心」であるのは言うまでもない。だが「全党の核心」である事実をしつこく確認している。内部に「もめごと」がある示唆である。「(習近平核心による)党中央の権威と集中統一指導をしっかり守ってこそ共産党の事業が旺盛になる。それがなければ党の事業はすぐ挫折する」。習近平がいなければ党は崩壊しかねないとのけん制だ。

自己批判大会を開いた日取りにも重い意味があった。もちろんイエス・キリストが生まれた25日のクリスマスとは無関係だ。中身が報じられた閉幕日26日は、くしくも「中国の紅い星」毛沢東が125年前に生まれた誕生日なのだ。

偶然ではない。17年の自己批判大会も12月26日に始まった。これは習近平時代になって初めて公式報道された13年9月の民主生活会が、毛沢東の政治闘争に倣う「反腐敗」運動の号砲になった経緯に絡む。

クリックすると習近平指導部データへ

それは北京の隣、河北省で開かれた。当時の河北省トップ、周本順は習近平を前に自己批判を迫られ、かなり後になって失脚する。周本順が吐いた自白の内容は、かつての上役で元最高指導部メンバー、周永康を摘発する大捕物の突破口にもなった。
困難な対米交渉、そして中国経済の急減速で大変な時に政争をする余裕などない。誰もがそう見る。だが、過去には例がある。1970年代初め、経済が破綻していた中国は日米両国との国交を探った。まだ文化大革命の最中だ。その過程で後の最高実力者、鄧小平が再度失脚、毛沢東の死後に復活し、毛に後継指名された華国鋒から権力を奪う。78年の「改革開放」は権力闘争と一体だった。

■2019年、波乱の予感と危機意識

もう一つ、恐ろしい例がある。87年1月中旬に開かれた民主生活会では、総書記だった胡耀邦が「学生運動への対処が甘い」として集中砲火を浴び、解任への道が決まった。仕切ったのは、その胡耀邦を抜てきした当の本人、鄧小平である。

昨年12月に開かれた「改革開放」40年の記念大会で習近平は、鄧小平が否定した毛沢東式闘争の時代を「改革開放」以降の時代と同列に扱った。その直後に開かれたのが、民主生活会という名の自己批判大会だった。

「自らを検査、分析、批評し、自己批判せよ」。習近平から迫られた現政治局メンバーは過去の歴史を思い起こし身震いせざるをえない。本人に問題がなくても家族、子女、そして身の回りで仕事をする人々に腐敗があれば容赦しないという。そこまで広げられれば大半の党幹部は身に覚えがある。

昨年末の自己批判大会での「脅し」、年初の軍最高幹部会での「軍事闘争を準備せよ」との訓令、そして「対米戦回避」という対外方針。これらは習近平の未曽有の危機意識という点では共通する。この難局の打開にしくじれば、3年後に迫る第20回共産党大会で習近平が事実上の最高指導者として続投できるかも危うくなる。19年は中国にとって波乱の年になるのか。(敬称略)

◯ 9億の農民戸籍と4億の都市戸籍──中国のアパルトヘイトが容赦ない件

2019-01-02 23:32:00 | ♪PFK ASAP NEWS
2019-01-02 23:32:00 Kodansha


9億の農民戸籍と4億の都市戸籍──中国のアパルトヘイトが容赦ない件──中国のアパルトヘイトが容赦ない件



レビュー
国際
野中幸宏
『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』
(著:川島 博之)
2017.11.07
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自分メモ
「チャイナ・セブン」(中国共産党政治局常務委員)が決定され習近平の独裁権力が確立されたと報道されています。毛沢東、トウ小平に次いで習近平の名前が、中国共産党党規約に記されることになりました。実質上、憲法を越える最高規範が党規約ですから、権威としても確立されたといえます。この背景には一連の習近平が国家目標(=政策目標)として掲げた「中国の夢」政策が歓迎されたのではないかと思います。習近平の「中国の夢」はこの本で次のように説かれています。

──習近平が開始した政策に「G2」「一帯一路」「南シナ海進出」「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」などがあります。そのどれもが対外膨張政策であり、国威発揚を目的としています。──

この習近平路線はこれまでの胡錦濤路線であった「和諧(わかい)社会」を目指す政策からの大きな変更でした。「和諧社会」とは「調和のとれた社会という意味で、格差是正」のことです。

では中国においてこの「和諧社会」は実現あるいは一歩進めることができたのでしょうか。そうではありません。胡錦濤路線は失敗し、格差はさらに拡大していきました。豊かになったのは北京や上海に住む人々だけで「農村部は取り残され」たままです。

このような不平等の根源に「都市戸籍」と「農民戸籍」という制度の存在があります。この本は現代中国の矛盾の象徴でもある農民戸籍・都市戸籍をキーワードにして中国の実態を追究した意欲作です。

表紙画像
20年間に40回以上も中国奥地の農村を訪れ、合計300日にも及ぶリサーチを行った著者の結論──9割が中国沿海部に滞在している日本人の「上海メガネ」からは、彼の国の一片の真実も見えない! まだ機は熟していないにもかかわらず習近平は、アメリカに挑戦を始めた……。これは中国3000年の歴史の中で最大の失敗だ。カネも知識もない9億人の貧農を、競争力の落ちた4億人の都市住民が支えるのは絶対に不可能! いわんや中華思想的なメンツから「輸送船」レベルの空母3隻に莫大なカネを浪費すれば、その途端、中国経済は呼吸を止める! 

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すべての中国人の戸籍は、農民戸籍(農業戸籍)と都市戸籍(非農業戸籍)に分けられています。農民戸籍を持つものが9億人、都市戸籍を持つものが4億人です。そして2つの戸籍には「明確な区別や差別」が、「経済的にも厳然とした格差」が存在しています。

この戸籍制度は「江戸時代の身分制度」のようなもので「中華人民共和国が成立したのち、共産党によって」作られました。さらに農民戸籍のまま都市で働く「農民工」という存在があります。この本によると9億人の農民戸籍のうち3億人ほどが「農民工」として都市で働いています。この「農民工」の存在が中国の近代化、経済成長に大きな役割をはたしました。今でも中国経済を支えています。

それはまずなによりも「安価な労働力」の供給源でした。寒村から仕事を求めて都市にやってきた彼らは、安価な賃金のもとで労働に従事せざるをえず、それが都市を発展させ、ひいては中国の経済成長をもたらすことになったのです。今の中国経済も著者のいうように「9億の農民から搾取する4億の都市住民」というなかで維持されています。ですから、都市戸籍の恩恵を受けている富裕層を見るだけで中国の実力をはかってはいけないことになります。その富裕(=繁栄)を底辺で支えている「農民工」、それを生み出している農民戸籍者の実情を含まなければ中国の実態をつかむことはできません。

安価な労働力である「農民工」は中国製品に国際競争力をつけさせています。しかもこの「農民工」を雇用している企業は「農民から見たとき、すべてがブラック企業」です。

──中国ではブラック企業の存在が社会的に許される……これは、中国が経済成長を遂げることができた最大の要因です。(略)「農民工」を低賃金でこき使っても心が傷まない経営者は、グローバル経済の勝利者でした。どんな国に住んでいても、従業員の給与や福祉を無視して経営を行うことができるのであれば、誰もが一流の経営者になれることでしょう。──

かつて毛沢東がアメリカ帝国主義、日本帝国主義を“張り子の虎”と呼んだことは有名ですが、その際ロシアのツアーや中国の皇帝も“張り子の虎”と呼んだそうです。もっとも毛沢東、トウ小平、習近平も一代皇帝のようなものですから、やはり“張り子の虎”なのかもしれません。しかも、この3人とも農村(農民)を利用するだけしました。毛沢東は「農村から都市を包囲する」と宣言して農民を革命の主体とし、トウ小平は「南巡講話」によって農地を取得、都市化を進め、習近平は「農民工」として利用し続けました。

現在の中国の“張り子の虎”ぶりはこの本の重要なテーマです。GDPの数字を上げる(操作?)するために人気がない街路に煌々(こうこう)とイルミネーションを飾る村、閑散とした新幹線のホームの光景、住む人のいない「鬼城」と呼ばれるマンション……。これらは出世のために経済成長の数字を作ろうとした行政官僚が強行したものであり、経済成長の歪みや汚職・利権の姿をあらわしたものでもあります。もちろんそれらを総合した結果である経済指標はGDPを含め疑わしいものといわざるをえません。

そのうえ中国人解放軍や武装警官の組織の中にある汚職・売官・賄賂、さらには人民解放軍が行っている営利事業(!)もあるそうです。

──このあたりは、人民解放軍が国軍ではなく、中国共産党の軍隊であることにも関係しているでしょう。ある意味、人民解放軍は、「私」の軍隊なのです。だからこそ営利事業を行ってもよい、ということになります。──

中国の危うさをえぐったこの本ですが、ある教訓を私たちに教えています。それはトウ小平の「先富論」に触れた箇所です。周知のように「先富論」とは、先に豊かになれる地域と人から豊かになろう、そして豊かになった者が貧しい者を助けるという考え方で実施された政策です。しかしもたらしたものはとどまることのない格差拡大でした。これは「ただのきれいごとだった」のです。

──豊かになった者(都市戸籍所有者)は、豊かになれなかった者(農民戸籍所有者)を踏み台にして豊かになった。その踏み台を外すわけにはいきません。踏み台は、永遠に、必要なのです。それを外せば、自分たちのほうも貧しくなってしまいます。中国の農民は、これからもずっと貧しくあり続けるのです。──

この「先富論」は違った呼び名で私たちの周囲にあります。「トリクルダウン」に代表される経済成長至上主義です。主唱者(竹中平蔵ら)自ら前言を飜し「トリクルダウン」の失敗、誤りを認めるようになりましたが、「成長の果実」云々というものはまだいわれています。成長至上主義は必ず踏み台(貧困層)を作り出します。そして格差は拡大していきます。その生きた例が現代の中国です。

この本はまた中国の軍事予算の増大がもたらす中国経済の危機にも言及しています。これもまた、国際(北朝鮮)危機が声高に叫ばれ、防衛費(軍事費)が増大する今の日本が参考にすべき事柄だと思います。

中国は一党独裁のもとで驚異的な経済発展を可能にしました、農民を犠牲にして。そして国内に「大きな歪み」を作り出しました。ではこの歪みは正せるのでしょうか。

──民主主義がない国は、一度間違いを犯すと、その間違いを修正できず、ただ傷を深めてしまうものなのです。──

著者はインド(民主主義)と中国を比較してこう記しています。一党独裁は必ず国内に歪みをもたらす、それを正せるのは民主主義だけです。インドの民主主義を評価する著者には日本の民主主義はどう映っているのでしょうか。健全なのでしょうか。中国は他山の石とすべきです。目から鱗が落ちる思いのする好著です。