蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

今年5回目の白馬乗鞍登頂で、今年はオシマイ

2013-04-09 19:18:34 | 山とスキーでブラブラ

4月4日、予報は晴れ。しかし、スッキリしない空。ホンマに晴れるンやろか、まぁ行けるトコまで行きましょう。

4月になってゴンドラの始発は8時半になったそうだ。定宿でゆっくり朝食を摂り、ノンビリ出かける。

この時期、朝イチのゴンドラに乗るのは、冬山用のアウターに身を包みザックを担いだ山スキーヤー、山ボーダーばかり。皆さん、ツアービンディングを付けた山用の板を抱え、兼用靴を履いている。山ボーダーさんはスノーシューを担いでいる。
(今風に言うと、フリースキーモデルの板を抱え、アルバインツーリングブーツを履いたバックカントリーの人達ばかりです)

栂の森着、9時少し前。晴れていた。
ロープウェイの始発が9時、その後は30分毎。9時には乗れないかも知れないので林道を歩くことにする。

Imgp4882 9:15、林道を一人静かに歩く。

Imgp4885 久しぶりに雲海を見た。

Imgp4886 9:50、成城大小屋着。小蓮華の稜線には激しい雪煙、上の方はかなりの風かも。

ロープウェイの駅から団体サンが、次から次、上がって来られます。

休憩している若いポーター3人組。うち一人の女の子が、ニコっと「コンニチワ」
「コンニチワ、どこまで行くン?」
「白馬乗鞍まで、ですッ」
「ほぅヤルねぇ、ボクもテッペンまでの予定やけど、シンドなったらヤメにすんねン」
するとリーダーらしき青年が、「ハハハ、そりゃボク達だっておなじですよ、今日は風、強そうだし」
「そうそう、かなりキツそうな雪煙上がっとったし、気ィつけんと吹き飛ばされるよぅ、ほなね」
「ハ~イ」
もう一人の女の子もニコニコしている。イイコ達です。

Imgp4887 天狗原の登りはジグザグにトレースが付けられていた。

Imgp4888 11時過ぎ天狗原着。スッカリ雪が消えた下界が見える。Imgp4889 乗鞍へ登る人達、ザッと見て20人。

Imgp4891 12時過ぎ頂上ケルン着。相変わらず誰もいない。

Imgp4892 白馬岳へ続く稜線がキレイだ。今シーズンは船越の頭へは登れなかったけど、まぁエエでしょ。

天狗原への斜面は人がイッパイだから、南側から自然園へ下る事にする。

風が避けられそうな窪みに腰を降ろし、シールを外し、サングラス内側の涙と汗を拭き、ゼリー飲料と水を飲んで、板と靴をスキーモードにして、さぁ出発。

南側へ廻り込もうとすると、人がいて手を振ってきた。滑る前に周りの写真を撮っている様に見えた。
この人がゴンドラの中で色々お喋りをした人だと、この時は気付かなかった。ただの挨拶だと思って、ワタクシも手を振った。
それより、上手く自然園へ滑り降りれるか、頭の中は不安でイッパイなのだ。

南側の斜面は毎年滑っているが、他に人がいた事がない。
いつも一人で、快適な事もあったが、モナカや深雪でシンドイ思いをした記憶の方が多い。

さて今回は???

Imgp4893 約500m下に自然園が見える。しかし足元が見えない。ビビる。

ウォリャ~、と気合を入れて滑り出す。ン?イケルやん、最初はそうだったが、その後は湿った重い雪。飛び上がってターンしようとすると、踏み込んだだけ沈んでいく深い雪。

仕方なく板を開いて先を落して行くと、いきなりビュ~ンと滑り出して、オットットット、シリモチをつきそうになる。
連続で廻れない。シンドい。疲れる。

Imgp4895 左右1回ずつターンしてはフウフウフウ、ハアハアハア。あぁナサケナイ。

Imgp4894 自然園はまだまだ下にある。

Imgp4899 だいぶ下まで来た。

Imgp4900 対岸の斜面は雪崩ていた。

Imgp4902 何とか降りて来れました。ホッ。

Imgp4903 斜度は緩くなったが相変わらず滑りにくい。

Imgp4904 自然園の平坦部を進んでいくと、先にはスノーシューのグループ。更に先にもう一人。

その人はスノーシューのグループと話しした後、まだそこに留まって、どうやら写真を撮っている様だ。と言う事は、ヒョットして松川のSさん?

近付いて行くとSさんだった。約1ヶ月振りです。
今日は金山沢が見える辺りまで登られたそうだ。Sさんもこの湿った重い雪に苦労された様子。「昨日の雨がこの辺りでは水分を含む雪になったンでしょうね」

30分程お喋りしたが、ナンセ暑い。ビールが呑みたい。Sさんはまだ暫らく写真を撮られるとの事。確かに眺めるに飽きないサイコーの天気、景色。

しかしワタクシ、「カフェテリアでビール呑んでボォ~ッとしてます」

Imgp4905 栂池通いも今年はオシマイ。未練がましく素晴らしい景色を振り返る。

Imgp4906 旧(?)栂池ヒュッテがもう1階まで露出している。ホントに今年の雪解けは急激だ。

Imgp4907 林道から谷に下る。昨日、この辺りは雨だった様で、湿った重い雪はなく楽に滑れた。

14時過ぎゴンドラ駅の横に出て、カフェテリアに向かうと、また手を振る人がいた。今度はゴンドラで一緒だった人だと判った。そして、「アレっ、テッペンにいました?手ェ振りました?」

この人は金沢のFさん。テッペンでワタクシが下っていくのを見て、一度はついて行こうと思ったそうだが、どこへ着くのか判らないのでヤメたとの事。
カフェテリアから見える白馬乗鞍の裏斜面、そこを下ったニンゲンがゴンドラ駅の横から出て来たのが驚きらしい。
缶ビール呑みながら、要は自然園をグルっと廻って来ただけと、説明していたら、Sさんも下って来た。

3人で暫らくお喋りした後、Fさんは滑っていった。「またどこかで会いましょう」
そして、Sさんも滑っていった。「また来年会いましょう」

Imgp4908 今年はこれでオシマイなので、最後にゲレンデのテッペンから滑る事にした。

Imgp4909 そして未練がましく素晴らしい景色をもう一度眺める。

Imgp4910 今年の雪解けはホントに異常だ。どんどん地面が露出している。

季節は去った。これでオシマイにしましょう。