ウィトラの眼

無線業界のニュースについての意見・感想を書きます

通信機器メーカーの変遷: 光通信と移動体通信

2009-02-05 16:39:50 | Weblog
1970年代から1980年代にかけて、デジタル通信が広まり、固定網では光通信が大きな技術革新を起こして伝送容量を一気に増大させた。

一方無線の分野ではベル研究所の唱えた「セルラーコンセプト」に基づいて周波数の繰り返し利用の概念が確立し、自動車電話から携帯電話という流れができてきた。

それまでの固定の電話網と、衛星通信、マイクロ波通信などは勢いを失っていった。通信機器メーカーは光通信か移動体通信かのどちらかあるいは両方に注力していった。

そのなかで今になってみるとヨーロッパ発の国際標準技術であるGSM方式を軸に移動体通信に注力したエリクソンとノキアが成功し、両方あるいは光通信に注力した会社は力を失っていった。

技術革新の度合いからいえばどちらが優れているかわからない。伝送速度でいえばケーブル一本で光は銅線の100万倍くらいの伝送能力があり、無線に比べてはるかに革新の度合いが大きい。無線はLTEで100Mbpsとか言っているがこれはピーク速度で、システム容量でいえばアナログFMあるいはPDCの10倍くらいしか行かないのではないだろうか。

ただし、移動体通信は伝送技術ではなくシステム技術である。システム全体をネットワークとして組み上げ、世界中どこででも同じ端末を使うことができるようにする仕組みはやはり大したものだと言える。

光と移動体通信の技術進歩の度合いは甲乙つけがたいレベルだと私は思っている。 しかし、事業としてみれば光通信はあまりうまくいっていないのに対して移動体通信は大きく伸びている。結局移動体通信の勝者が光の市場も取ってしまいそうな勢いである。

私はこれは進歩のプロセスの違いだと思っている。移動体通信はシステム技術であるがゆえに市場の拡大に合わせて技術進歩を遂げてきた。一時技術が進みすぎた時期もあったが途中で修正している。

一方光通信は市場の要求と関係なく技術者がどんどん改良をくわえ、新しい性能の良いものが出てくる。値段が2割増しで速度が5倍なら事業者はそれを買う。こういった循環がどんどん加速してインターネットバブルになり、それがはじけて実需要が付いてこないことに気付いた時には、企業は体力をなくしていた、というのが実態ではないだろうか。

事業は競争の世界なので他がやれば自分もやらなければ負けてしまう。しかし、光通信ほど大きな技術革新を起こしたにもかかわらず、経済的な果実を得た人が少ない分野も少ないのではないだろうか。

今後の資本主義の在り方を考える上で大切な素材のような気がする

ニュース (2/5)

2009-02-05 10:07:03 | Weblog

ソフトバンクモバイルがMVNOに,イー・モバイルから回線借り受け定額データ・サービス提供へ

ソフトバンクモバイルとイー・モバイルは2009年2月4日,データ通信分野で協業し,ソフトバンクモバイルがイー・モバイルのMVNO(仮想移動体事業者)として3月上旬以降から定額制のデータ通信サービスを提供すると発表した。  料金や端末などについては,決まり次第,ソフトバンクモバイルが別途発表するとしている。

 

「Windows Mobile 7」の登場は2010年以降か--モトローラCEOが示唆

米Motorolaの共同最高経営責任者(CEO)Sanjay Jha氏は米国時間2月3日に行われた決算発表の質疑応答でアナリストの質問に回答し、いずれ「Windows Mobile 7」搭載携帯電話を投入すると発言した。その発言には、おそらく当人の意図を超えた大きな意味がある。