ウィトラの眼

無線業界のニュースについての意見・感想を書きます

総務省がUQとウィルコムにWiMAXの包括免許を与える

2008-12-12 16:36:26 | Weblog

総務省が12月10日、UQコミュニケーションズとウィルコムにWiMAXの包括免許を与えたと報じられている。

包括免許とは基地局などを設置する場合に個別に免許申請をするのではなく、まとめて免許を与えるもので、一定の技術基準をクリアしていれば個別の免許申請の手間が省けるものである。

UQは以前からWiMAXを採用すると表明していたが、ウィルコムはたしか独自技術であるAdvanced-PHSを使うと表明していたはずである。無線ブロードバンドサービスは携帯電話と違って事業性が難しいので、複数の方式が乱立するのは好ましくないと私はかねてから思っていた。その意味では、全国免許を与えられた2社がWiMAXで方式を統一したのは好ましいことである。これで日本の2.5GHz帯の無線ブロードバンドはWiMAXの全国免許を持つ2社と地方WiMAXの免許を持つ42社になり方式としてはWiMAXで統一された。日本の産業としては好ましいことだと思う。

しかし、電波免許の与え方という面では疑問が残る。現在、世界の多くの国では新しい電波免許を与えるのにオークションを採用しているが、日本では事業計画を審査する「美人コンテスト」である。その場合、免許を与えてから事業計画を変更するのはルール違反のはずである。ウィルコムは電波免許を得てから事業計画を変更したのではないだろうか ?


総務省のことだからこんな失敗をするはずもなく、最初からウィルコムの事業計画にはWiMAXを採用することに対する含みが持たせてあったのだと思う。しかし、私のような一般人は、ウィルコムはPHSというイメージが強く残っているはずである。 一般人にとっては、WiMAXをやるなら同じ方針で事業計画を出していた、ドコモグループとソフトバンクグループをどうして落として、ウィルコムに免許を与えたのかという点が不明確になる。総務省はこの点に関してきちんとした説明をできるのだろうか?

もし、ここで総務省がドコモとソフトバンクに対して借りを作った、と感じているようなら、電波免許付与のプロセスに不透明性があるといわれても仕方がないだろう


LGEがLTEのチップセットを発表

2008-12-11 00:26:08 | Weblog
韓国のLG電子がLTEのチップセットを発表した。下り60Mbps、上り20Mbpsで13mm*13mmのサイズだったそうである。

サイズは大きいし、性能もそれほどではないような気がするが、やはり韓国メーカーが世界で初めて発表したということには意味があるだろう。他の会社も当然開発しているだろうが、時期的にどのくらい違っているのか、性能的にはどうなのか、機能としてはどこまで盛り込まれているのか、などに興味のあるところである。LG電子がこのチップセットを販売するかどうかは良く分からないが、販売するつもりなら新しい動きと言えるだろう