ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

美術作品、たくさんの中から一つを選ぶのは難しい

2016-12-05 12:37:07 | 生活

土曜、日曜と箱根湯本で囲碁の合宿に参加してきたのだが、その帰りに町田市の国際版画美術館に立ち寄ってきた。ここはちょっとした公園の中にあり、紅葉もきれいで、入場料も無料の割には質の高い版画がそろっているので気に入っている。丁度その時には全国大学版画展を開催していた。全国の美術大学の学生が出展しているもので、全体で200点以上の作品が展示されていた。入り口でアンケート用紙を渡され一番気に入った作品1点だけを投票してください、と書かれている。投票するつもりで見て回ったのだが、多数の中から一つを選ぶというのはなかなか難しいと改めて感じた。

作品は抽象画から、風景画、静物画など様々なものがあったが、所謂写真と間違うような精密な現実を描いたものは殆どなく、どれも多かれ少なかれ、抽象化されたものを描いた感じの心象風景を描いたものが殆どだった。出展者の8割は女性で、作品の技法は、リトグラフ、シルクスクリーン、木版画など様々なののがあった。

私は、たまに美術館に行く程度で、美術の心得は何もない。ただ、抽象画は嫌いということは無く、抽象画でも良いと思うものはあるので、一応すべての作品が投票の候補になっている。。美術館だと有名画家の作品とか、院展入選何回の画家とか、何とか賞受章、とかいった権威づけがあって、何となく世間の権威づけを頼りに作品を評価して「やはりこの人は良い」などと感じているのだが、この展示は全て学生の作品で、有名人のものは一つもない。画風も技術も全くバラバラなものが200個以上あってその中から一つを選ぶというのは、なかなか難しいものだと改めて感じた。

一度ざっと見た後で気になった作品をいくつか作品を改めてみて、2点を選び、最終的には公園というかキャンプ場のような場面を描いた作品に投票した。2点選んだもう一つは蛸の絵で、これは数少ない男性の作品で心に引っかかったのだが、結局、この作品は私の中では次点だった。選んだ作品は、俵万智氏の「サラダ記念日」のような若い女性の感性を感じて選択した。

今回選択した作品は「これだ」と思って選んだわけではなく、たまたまその時の自分の気分にあっていたという感じがしている。次回見に行ったら全く別の作品を候補としてあげて、別の作品を選ぶような気がする。考えてみると100以上の候補から一つを選ぶというようなことは殆ど自分で経験していないような気がする。自分で着る衣類を買うときにも、目的とサイズである程度候補が絞られていて自分で選ぶのはせいぜい20種類の中の一つくらいのような気がしている。

結果はどこかで発表されるのだろうか? 作者にはフィードバックされるのだろうが、一般人には知らされないのかもしれない。住所を書けば抽選で記念品進呈と書いてあったが、自分の住所は書かなかった。記念品はもらわなくても良いが結果には興味がある。

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和製AI囲碁、元名人に1勝2敗

2016-11-24 07:25:50 | 囲碁

日本製のDeepZenGoが趙治勲元名人と対局し、ハンデなしの3番勝負で1勝2敗だった。私は昨日行われた第3局をニコニコ動画で見たのだが、非常に面白い中継番組だった。

DeepZenGoの実力は今年3月のに韓国のイ・セドル九段に勝ったGoogleのアルファ碁と比べるとまだ弱いと感じた。人間側の趙治勲名誉名人はまだ現役のプロ棋士として対局しているが、タイトル戦の挑戦者にまでは出てこられず、その一歩手前のところで負けるくらいの実力で、イ・セドル九段にはなかなか勝てないだろう。現在のDeepZenGoとアルファ碁が戦えば半年前のアルファ碁に対しても10回に1回勝てるかどうか、というレベルだと思う。

しかし、ニコニコ動画の中継は非常に面白く、番組としては大変良かったと思う。ニコニコ動画を配信しているドワンゴがDeepZenGoの開発に関与しているので、読み筋や形勢判断を一部公開しており、DeepZenGoがどのような考え方になっているかをうかがい知ることができたからである。中継は解説井山裕太6冠、吉原由香里女流棋士(ゆかり先生)が聴き手という囲碁界としては最高のキャストで行われ理解を助けてくれた。二人ともプロ棋士であるが、更に囲碁が強いAI技術者が加わっていたらもっと面白かったと思う。

序盤のDeepZenGoは強い。アルファ碁と互角だと思う。アルファ碁は「人間の目から見ると疑問」、と思えるような手をいくつか打っており、それが後になって悪くはなかった、という感じになってその後の人間のプロ棋士の研究材料になっているのだが、DeepZenGoにはそのような手はなかった。人間の名人(井山6冠)から見ても妥当と思える手が続いており、趙治勲相手にも互角以上の戦いをしている。トッププロと互角とみてよいだろう。互角以上かもしれない。

しかし、中盤になると弱点が見えてくる。石数が増えてくると、部分的な形ではなく全局的な判断が必要になる。どこから仕掛けて局面を動かすか、といったあたりの判断は、低段者であっても殆どのプロ棋士のほうが上だろうと思う。部分の読みはしっかりしているのでアマチュアよりも強いので大きく崩れることは無いが徐々に損をする感じである。3局とも途中で投了で終わったので終盤の強さはよくわからないが、プロ棋士と互角以上に強いだろうと思う。このようなアンバランスが分かってくると、人間のほうが勝ちやすくなるので、今回は趙治勲の2勝1敗だったが、10番勝負を行なえば趙治勲の8勝2敗くらいになるだろうと思う。

アルファ碁はあまり人間の囲碁に対する知見を入れずに、コンピュータの学習によって強くなったのでプロ棋士にとっても新しい発見があるような手を打つが、DeepZenGoは人間の囲碁の知識がDeep Learningにかなり取り込まれており、そのおかげで人間には分かりやすいが驚きも少ないという打ち方になっている感じがしている。

面白かったのは形勢判断で、形勢判断の仕方は人間と大きく異なっている。人間は「ここは白地」、「ここは黒地」というようにはぼ分かる点をカウントし、はっきりしない個所は勘でカウントしているのだが、DeepZenGoは盤面全体をそれぞれ「黒の確立80%」というように確率付けして、その合計をカウントしている。DeepZenGoはかなり自分が有利なようにバイアスがかかった形勢判断をしている。これはおそらくプログラマーが意識的にバイアスをかけているのだろうと思う。

これは「自分が不利」と判断したときの考え方が整理できていないからだろうと私は想像している。人間ならば不利な時にも負けの数が最も少なくなるようにする場合と、逆転を狙って、大きな勝負に出る場合とを組み合わせて考えるのだが、まだこの逆転を狙う考え方がプロクラムとして出来上がっておらず、人間の目から見ると全然つまらない手を「逆転を狙って」打つことが多く、かえって損をする。この点はアルファ碁でも同じだったので、今後の大きな課題だと思う。

解説の井山6冠と聴き手のゆかり先生は非常に良いコンビで、手の読みもしっかり解説してくれたし、DeepZenGoの機能も適切に紹介されていた。井山6冠に対する適度の突っ込みも感じが良く、ゆかり先生の頭の良さを改めて感じさせられた番組だった。

しかし、産業としての人工知能の活用を考えるときには、日本の人工知能のレベルはまだまだGoogleとはかなりの差があると感じさせられた。

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改めて感じた大相撲の面白さ

2016-11-23 16:35:52 | 生活

土曜、日曜と大相撲をテレビでじっくりと見た。2日続けて横綱の土俵入りから幕内の全取り組みを見たのは何年ぶりだろう、という感じでいる。そして改めて相撲の面白さを感じた。今回、私にとって印象的だったのは横綱の土俵入りを「迫力がある」と感じた点である。今、横綱は鶴竜、日馬富士、白鵬と3人いて、日馬富士が不知火型、白鵬と鶴竜は雲竜型なのだが、私は日馬富士の土俵入りが最も迫力があると感じた。気迫を込めてやっている感じが伝わってきた。鶴竜はすんなりとやった感じ、白鵬は貫禄がある感じだったが、日馬富士ほどの気迫は感じなかった。それでも土俵入りが終わった時の白鵬のお腹には汗が光っていた。それほど心を込めてやっているということだろう。私は、土俵入りは単なる儀式だと思ってあまりまじめに見ていなかったのだが、「型」の中に文化があることが感じられた。

取り組みは下のほうから始まり次第に強い人が出てくる。下のほうの取り組みでも、結構迫力があると思ってみているのだが、やはり横綱、大関といった上位陣になると動きの速さが違う。特に横綱の3人はちょっと抜きんでている感じがする。横綱以外で印象的だったのは大関の照ノ富士と、平幕の遠藤と玉鷲である。照ノ富士は横綱最有力候補と言われていたが、怪我でこの1年ほど不調だったがかなり復調してきた感じがする。来場所は優勝に絡んでくる感じがする。遠藤も怪我で苦労していたが復調してきた。これからが楽しみである。玉鷲に注目したのは今回が初めてだが、大関豪栄道に勝った相撲を見て注目するようになった。かなり地力がある感じがする。

横綱3人と、照ノ富士、遠藤、玉鷲の中で、遠藤以外は全員モンゴル人である。モンゴルの人全員足腰がしっかりしていて勝負強い感じがする。人口200万人のモンゴルでどうしてこう次々と強い相撲取りが出てくるのか、研究に値するような気がする。

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最近始めた健康法

2016-11-20 19:02:45 | 生活

9月辺りから私が健康のために始めたことが2つある。

1.野菜から食べる
私は3年前に胃の手術をしてから、食後に血糖値が上がると不快感を感じるようになった。ひどいときには冷や汗が出てくる。最初のうちは食べ物を制限していたのであまり問題はなかったが、だんだん普通のものが食べられるようになると、感じることが出てきた。特に不快感を感じていたのは朝食の後である。私の朝食はフルーツにヨーグルトをかけたものと、厚切りの食パン1枚、それにコーヒーだった。量もたいしたことはないのだが、朝食後に一番血糖値の上昇を感じることが多かった。テレビでまず野菜を食べると血糖値が上がりにくい、というのを見て、果物を減らして野菜を加え、まず野菜を食べるようにした。効果は実感している。もっと早く始めればよかったと思っている。 

2.歩きながら手の運動をする

私は朝、1時間半ほど歩いてウィトラのオフィスに出勤する。今までは何も考えずにただ歩いていたのだが(仕事のことなどを考えてはいたが健康のことは考えていなかった)、やはり9月くらいから手の運動をするようにした。具体的には手のひらを開いたり閉じたりを繰り返す。開くときは指がそるくらいに強く開き、閉じるときはぐっと力を入れて握りしめる。これを20回ほど繰り返す。腕を回すこともする。バタフライのように後ろから前に回すのと、その反対を10回ずつ繰り返す。歩数は1万歩を超える中で、10回とか20回なので足の動きに比べればごくわずかだが、これをやった後は結構が良くなりしばらく汗が出る感じがする。

この二つのおかげで体調は良いように感じている。

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経済のグローバル化は目的か手段か

2016-11-18 10:26:40 | 経済

国会中継のTPPの議論を聞いていると「世界経済のグローバル化をこの人たちはどうとらえているのだろう?」と感じることがある。特に政府側の答弁は安倍総理を含めて「世界経済のグローバル化は当然進めるべきもの」「今のグローバル化は不十分で、TPPで大きく前進する」「困る人も出るので配慮する」というのが骨子になっている。この「世界経済のグローバル化は当然進めるべきもの」という部分は野党も特に異論を持っているようではなく、突っ込んで追求しようとはしない。世界経済のグローバル化は世界の政治家の目的と捉えられているようである。

しかし、アメリカのトランプ大統領誕生や、イギリスのEU離脱などを見ると、世界ではそうは思わない人が増えていることは明らかである。本来の目的は「国民の経済的豊かさを求める」ことであり、経済のグローバル化はそのための手段であったはずである。しかし、経済のグローバル化を進めることにより、自国だけでなく相手国も発展してきたことから、経済のグローバル化は政治の目的化してきたのだと思っている。しかし、これだけ反対派が増えてきた状況を見ると本来の目的を見直したほうが良いのではないかと私は考えている。

本来の目的は「皆が幸福になること」のはずであるが幸福の定義は人によってまちまちなので「経済的豊かさ」が最も共通的な幸福の基準であると考えて経済的豊かさを求めるものと考える。この時に世界全体が一つの国であると考えれば経済のグローバル化は全体を平均的に豊かにする手法であることは間違いないと思う。しかし実態は世界は国という単位に分割されて制御されている。そして国の間では競争がある。企業でもそうであるが、競争相手と一緒に市場を拡大するほうが良い場合もあるが、競争相手を出し抜くほうが良いと考える場合もあり、市場が成熟してくれば相手を出し抜くことを多く考えるのは仕方のないことだろう。全体が飽和してゼロサムの状態になれば相手に損をさせても自分は儲けたいと思うようになる。

US FirstとかUK Firstとかいう動きは世界経済が飽和してきていることを直感的に感じて、この流れに沿って支持を得ようとしている政治家が増えているということだろう。その意味で自国の利益を最優先にしている典型は中国だと私は思っている。中国は貿易で大きなメリットを得ているので、色々な国と貿易協定を結んで貿易を促進しようとしているが、「グローバル化が良いから推し進めよう」という考えではなく「グローバル化は良いと皆が考えているので、それを利用して自国の経済を発展させよう」という姿勢だと理解している。

要するに世界中が単純な「グローバル化は良いこと」から「自分に有利になるようなグローバル化を目指す」に変わってきているので、日本もガードを固めていかないと思う。その時に第1に考えるべきことは弱点を護ることではなく、強い武器を持つことだと確信している。

 

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経済のグローバル化は目的か手段か

2016-11-18 09:50:29 | 経済

国会中継のTPPの議論を聞いていると「世界経済のグローバル化をこの人たちはどうとらえているのだろう?」と感じることがある。特に政府側の答弁は安倍総理を含めて「世界経済のグローバル化は当然進めるべきもの」「今のグローバル化は不十分で、TPPで大きく前進する」「困る人も出るので配慮する」というのが骨子になっている。この「世界経済のグローバル化は当然進めるべきもの」という部分は野党も特に異論を持っているようではなく、突っ込んで追求しようとはしない。世界経済のグローバル化は世界の政治家の目的と捉えられているようである。

しかし、アメリカのトランプ大統領誕生や、イギリスのEU離脱などを見ると、世界ではそうは思わない人が増えていることは明らかである。本来の目的は「国民の経済的豊かさを求める」ことであり、経済のグローバル化はそのための手段であったはずである。しかし、経済のグローバル化を進めることにより、自国だけでなく相手国も発展してきたことから、経済のグローバル化は政治の目的化してきたのだと思っている。しかし、これだけ反対派が増えてきた状況を見ると本来の目的を見直したほうが良いのではないかと私は考えている。

本来の目的は「皆が幸福になること」のはずであるが幸福の定義は人によってまちまちなので「経済的豊かさ」が最も共通的な幸福の基準であると考えて経済的豊かさを求めるものと考える。この時に世界全体が一つの国であると考えれば経済のグローバル化は全体を平均的に豊かにする手法であることは間違いないと思う。しかし実態は世界は国という単位に分割されて制御されている。そして国の間では競争がある。企業でもそうであるが、競争相手と一緒に市場を拡大するほうが良い場合もあるが、競争相手を出し抜くほうが良いと考える場合もあり、市場が成熟してくれば相手を出し抜くことを多く考えるのは仕方のないことだろう。全体が飽和してゼロサムの状態になれば相手に損をさせても自分は儲けたいと思うようになる。

US FirstとかUK Firstとかいう動きは世界経済が飽和してきていることを直感的に感じて、この流れに沿って支持を得ようとしている政治家が増えているということだろう。その意味で自国の利益を最優先にしている典型は中国だと私は思っている。中国は貿易で大きなメリットを得ているので、色々な国と貿易協定を結んで貿易を促進しようとしているが、「グローバル化が良いから推し進めよう」という考えではなく「グローバル化は良いと皆が考えているので、それを利用して自国の経済を発展させよう」という姿勢だと理解している。

要するに世界中が単純な「グローバル化は良いこと」から「自分に有利になるようなグローバル化を目指す」に変わってきているので、日本もガードを固めていかないと思う。その時に第1に考えるべきことは弱点を護ることではなく、強い武器を持つことだと確信している。

 

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日本の教育を変えるか、N高等学校

2016-11-13 16:20:18 | 社会

日経ビジネスで紹介されていた「N高等学校」というのが日本の教育の将来に向けた重要な動きに感じられるので紹介したい。これはカドカワとドワンゴが協力して始めたインターネット高校である。通信制の高校で高校卒業の資格を得ることができる。この学校の方針が気に入った。卒業のための単位を取るための授業は一日あたり2-3時間で済む。残った時間を生徒たちが社会で生き抜いていけるようなスキルを身に着けられるような内容に振り分ける。クラブ活動に相当するようなアクティビティも様々なものを取り込む、というスタイルである。専門学校のような教科もたくさんある。通常の授業は通信制だが、たまには一緒に集まるようなイベントも織り込んでいる。

これをリードしているドワンゴの創業者川上氏は、「大学卒業を必ずしも目標とはしないが、現状の日本が学歴社会であることは事実であり、急に変わりそうにもないので、良い大学に入れるための予備校のような事業を大きく取り込む。その一方でプログラミングなどは大学よりも高いレベルを教える。生徒に現代社会を生き抜く武器を与えたい」と語っている。

この、予備校のような授業をメインに据える、現状のニーズに合わせる柔軟性が好ましいと思う。過去の、ゆとり教育論者のように自分の教育イデオロギーを前面に出すのではなく、子供の役に立つ教育を目指す、という姿勢が今の教育界では極めて重要だと思う。

もちろん、子供の能力や興味は様々であり、幅広い子供に対応できるようにするためには様々な教育プログラムを用意しなければならない。それにはコストがかかる。一期生は2000人くらいだとのことであるが、生徒が1万人になれば継続可能なビジネスになるという。今は出資金を食いつぶして規模を拡大している段階だという。集まる生徒たちとしては、現状は何らかの理由で不登校になった人や、地方の高校統廃合で通うのが難しくなった人というようなどちらかというと、他の選択肢が難しい人が中心的なようであるが、優秀で普通の授業に飽き足らない生徒が積極的に参加するようになっていけば大きく発展するだろう。試験の偏差値が上がっているそうなので可能性は十分にあると思う。

個別には新しいコンセプトで教育を行っている学校はあるだろうが、発展性に乏しい。N高等学校は通信教育にしたことにより、拡大の可能性が大きい。損益分岐点の1万人の生徒数を超えると、更に教育プログラムを充実させることができ、将来は100万人の高校生を教えるシステムにも進化させていく可能性を秘めている。100万人もの高校生を集めるようになれば、大学も始めることが可能になるだろう。

今の日本の教育には大きな問題があると感じているが、文部科学省ー教育委員会という流れでは教育をどうやったら変えられるかというイメージが湧いてこない。このN高等学校の成功が日本の教育を抜本的に変えるきっかけになるような気がする。

カドカワとドワンゴが組んで何を始めるのかと思っていたが、素晴らしい方向性を見出してくれたと感じている。

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トランプ大統領誕生でどうなるか?

2016-11-11 08:17:26 | 社会

アメリカでは大方の期待を裏切ってトランプ大統領が誕生した。多くの人がコメントするだろうテーマであり、私の意見を書く必要があるかどうか疑問であるが、自分の見方というのがあるので書いておきたい。

・トランプ大統領の経済政策

トランプ氏が選挙中に語った公約や発言の殆どは選挙に勝つ手目のもので、本気で実行する気はないだろうと私は見ている。選挙に勝つために、現政権行っていることの問題点を指摘することが目的で、解決策は持っていない(言っているが本気で考えていない)と思っている。その中でも私が、「これはやるだろう」と思っていることがいくつかある。

一つは公共投資である。白人の生活が苦しくなってきた人たちに対応することは必ずやるだろう。大部分の政策はメリットとデメリットがあり、実行に踏み込むことは難しいが、大統領の権限を使ってバラマキを行うことはできる。大規模な公共投資は間違いなく行うと思う。おそらくこれがトランプ大統領の最大の政策になると思っている。同時に減税の多分やるだろうと思っている。富裕層や企業の減税をすると言っているが、これは自分にとってメリットがあるし、産業界が喜ぶだろうからである。こうなると財源が問題となるが、財源は無く、財政赤字が大きく拡大するだろう。次の大統領に負の遺産を残すことになるが、そのようなことに配慮する人ではないと思っている。

・トランプ大統領の外交政策

トランプ氏は選挙中に移民の制限、海外派兵の見直しなど色々発言しているが、どれ一つとして本気でやろうと思っていることは無いのではないかと思っている。しかし、アメリカが世界のリーダの地位を降りて孤立主義的方向に向かうのは確実だと私は思っている。それはトランプ氏の意思で行うというよりは他の国がアメリカをリーダと認めなくなるという要因が強いと思っている。G7の会合などでは、トランプ氏は殆どまともな会話ができず、他の首脳から馬鹿にされるだろうと思っている。トランプ氏も面白くないのでG7には力を入れずにむしろG20のほうを重視するようになると思う。これは日本の鳩山首相、菅首相なども同じような感じだったと思っている。世界的に大きな紛争が起こった時のリーダシップを誰が取るか、おそらくリーダ不在で、国連は動けない、という感じになるのではないかと思っている。

トランプ氏に代わって存在感を増すのが中国だろうと私は思っている。世界で最も影響力のある人はこれまではアメリカの大統領だったが、その地位は習近平国家主席に移ると思う。中国はその気になって準備を始めるので2年くらいは周辺との摩擦を抑えるのではないかと思っている。習近平氏は見識、実行力共に高く、中国の国力を背景に動くので、多くの新興国は中国の方向を向くようになると思っている。中国はかなり明確な「中国ファースト」なので、世界にとって好ましいとは思えないが、中国主導の方向に世界が動くのは避けられないだろうと思っている。

・日本はどうするべきか?

トランプ大統領の誕生は日本にとってピンチでもありチャンスでもあると思う。貿易の関係、安全保障の関係で、「アメリカが損をしている」と感じている点については色々言ってくるだろう。対応は容易でない部分もあるが、ある意味で日本にとってチャンスでもあると思う。アメリカ大統領の存在感が下がるので世界の大物政治家というと、習主席、メルケル首相、プーチン大統領、の次くらいに安倍首相が来るのではないかと私は思っている。外交的には中国の独走を抑える意味でインドを大切にすることが重要だと思う。

これまでと同じように「日米同盟を基軸とする」と言いながら実態としてはアメリカに頼らずに動ける外交政策を確立し、独自のスタンスを確立すれば良い思う。おそらく安倍首相はこの事を意識していると思う。大きな方針を変更するときには必ず摩擦を生じ、問題が起こる。簡単にはいかないと思うが、「アメリカから求められた」というのは国内向けに大きな説得材料になり、本当の意味での独立を確立するチャンスだと思う。特に安全保障に関しては、考え方を見直すチャンスが来ると思っている。

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京セラ、IoT無線サービスに参入

2016-11-10 09:17:10 | 経済

京セラの子会社がLPWAと呼ばれるIoTの無線サービスに参入すると発表した。LPWAとはLow Power Wide Areaネットワークで、乾電池1本で10年くらい使える低電力の無線方式で距離は数Km飛ばせる。

KDDIを含む40社が賛同しているそうである。通信サービスなのでKDDIが前に出そうなものだが、京セラの子会社が発表している。技術はフランスのSigfox社が開発した技術を使用する。

この分野ではソフトバンクがライバル技術であるLoRAを使ってサービスを開始すると9月に発表しており、今回の発表で競争が激化するものと思う。ソフトバンクのほうが先に発表しているが、今回の京セラの発表では、KDDI、村田製作所、関西電力、多くのデバイスメーカなどを賛同者に含んでおり、こちらのほうが有力に見える。京セラの単独発表になっているので、出資金が大きいのだと思うが、やはり事業センスのある人は見ている、という印象を受けている。ドコモは今回の賛同者には含まれていないが、Sigfox社に出資している。

当面のIoTの大きな用途はスマートメータだと思っている。スマートメータは電力業界で既に日本初のWiSunという技術を使うことに決まっているが、この技術を使って無線ネットワーク構築を請け負った東芝が大失敗して、不正経理の一因となった。問題はマルチホップと呼ばれる何度も中継する技術の安定性にあると私は考えている。SigfoxやLoRaは同じ送信電力でWiSunよりも数倍遠くまで距離を延ばせるので、マルチホップは必要なくなり、問題は解決すると思っている。

3GPPではNB-IoTといってSigfoxやLoRaに対抗できる技術を開発しており、LTEと統合できるようになっている。これを使えばLTEネットワークでLPWAを提供することができるようになるので通信オペレータにとってネットワークの構築コストは安くなる。しかしこれらが実用化されるには2年くらいかかると思っており、それまでに独立系のLPWAがどこまで市場を抑えるかが勝負になると思っている。

京セラの発表で気になるのはデータを集めて処理を行うクラウドもSigfoxの物を使うと発表している点である。Sigfoxは既にサービスまで立ち上げているのでアプリも作っており立ち上げを早くするにはSigfoxを使うのが良いことは理解できるのだが、データの扱いをする部分が長期的な産業発展につながるので、そこは自分でやるべきだと思う。おそらく関係者はこの事は十分承知のうえでSigfox社と協議していることと思うが、データを扱う権利は手放さないでほしいと思う。

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長時間労働の議論に感じる違和感

2016-11-09 15:02:08 | 社会

電通の女性社員が自殺したと言って長時間労働が大きな話題となっている。私はこの報道に日本社会の意識の問題を感じている。

実際、電通の社員は長時間労働をしていたらしい。それも、実態の勤務時間は非常に長いにもかかわらず、法定労働時間に収まるように細工をしていたらしい。他の会社でも多少はあることかもしれないがちょっと極端な感じがする。しかし、問題の本質は違うところにあるような気がする。電通の社員が、職場にいないとできないような「作業」を長時間やらされていた、というのなら確かに長時間労働の問題なのだろうが、電通の社員がやっていたのは「作業」なのだろうか、という疑問を感じるからである。

電通は広告を作成する会社なので求められるのはアイデアだろうと思っている。アイデアを出すというなら、それは「作業」ではない、つまり会社に居なくてもできるような仕事なのではないか、そして電通の問題は長時間労働ではなく「パワハラ」なのではないか、と私は考えている。

「工場で製品を作る」、あるいは「レストランで調理をする」というような仕事は長い時間あればそれだけたくさんの仕事ができて成果も増える。このような仕事に対しては経営者は儲けるためにあまりに多くの仕事をさせることが考えられるので、法律による規制が必要である。そして現在問題視されているのはこの観点だと思う。しかし、「アイデアを出す」という仕事は作業ではなく、そもそも時間で測るべきではない仕事だと思う。私の経験で言えば「部下のA君の能力をもっと発揮できるようにするにはどうしたら良いか?」というようなことはよく考えたものだが、会社に居ればアイデアが出るというものではない。どこに居ようが、自分で考えて、その問題が意識の中に定着すると、ふとしたきっかけで解決できるアイデアが出る。このアイデアは殆ど職場以外の場所で出る。それを翌日職場に行って、実行可能性、メリット・デメリットを詰める、というような形で具体的なアイデアになる。

要するにアイデアを出すという仕事は24時間勤務の気持ちがないとなかなか良い結果が出ない仕事ではないかと思う。「無意識に解決策を求める」という仕事がどんな仕事に対してもできるかというと、そうではなく、そのようにできる仕事とできない仕事がある。やはり面白いと思う、というような仕事でないとなかなかそのような状態にならない。「面白い」と思う問題に対しては仕事と関係ないことをしていてもふとしたことでアイデアが出る。それが適性だろうと思っている。しかし適性だけで決まるわけではなく、訓練も不可欠である。

今回の電通の問題はそのアイデア出しを無意識下でもできるようにするトレーニングを行っていて、そのトレーニングが極端に厳しかったので起きた問題なのではないかと私は感じている。そして、それは「長時間労働問題」というよりも「パワハラ問題」と捉えるほうが適切ではないかと思う。

現代社会は「作業」よりも「アイデア」の重要性が高まっている。しかし、日本社会では今でも「どれだけ時間をかけたか」というようなことを「成果の質」よりも重視している傾向が強いと思っている。今の電通問題の取り上げられ方は日本社会がまだ当分この考えから抜けられないことを示している感じがしている。

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