おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

40時間。 Zippoハンディ・ウォーマー その後の後。

2004-11-09 17:48:52 | お主もハクキンよのぉ…。
Zippoのハンディ・ウォーマーに燃料を注入し、反応炉に化学の火を灯してかれこれ40時間になるが、ようやくその反応が終わろうとしている。

注入した燃料はくどいようだが、24時間分。付属のカップ2杯分で、本体に染み込ませると直後は溢れそうになるものの、少し時間をみるとすっかり脱脂綿に吸い込まれ、逆さにしても垂れては来なかった。逆さにするのは余分な燃料を取り除く「儀式」でもあり、怠ると炉心をダメにしてしまう恐れがあるという。

12時間分入れた初日には22時間の反応時間を得たので、長くはなるだろうと予測はしていたが、これほど長時間「ぬくぬく」と反応し続けるとは、全く驚きである。途中、炉心の状況を観察したり、それを写真に収めてみたりしたが、何か特別な事は全くしていない。その時の写真が以前に載せた物だが、部屋を暗くして、カメラのピントを固定し、1秒のシャッタースピードで絞りはオート。ISOは200だったかな? まぁ、そんな感じで4枚程撮って、10分も掛からなかったと思う。

この間に気温の低い深夜に1時間ほど外出してみた。さすがにこの時期は肌寒くなっていて、ぺらぺらな格好ではイヤだ。イヤだけれど薄手のトレーニング・ウェアでひょこひょこ歩き回ってみたが、首からぶら下げたカイロが思いの他に暖かく、効果てきめん。だが、ちょっと強い風に晒されると、やっぱり手足や背中が寒さに縮む思いがする。秋も終わり、冬なんだねぇ…。

後は温熱効果に期待して、腰に当ててみたり、背中ですべすべさせてみたり、普通に接している。途中で反応を止めたり、炉心部を外してみたりさせる事はしていない。室温は暖房等は一切使っておらず、換気扇が回っているだけ。大体で15度から20度をうろうろしている。湿度は60%からあまり動かない。説明書には外気温10度の時に、規定の燃料満タンで24時間使える旨が書いてある。また、外気温が高いと温度が高くなり、持続時間が短くなるとも書いてある。前回の12時間トライアルの残りがもしかしたら影響しているのかもしれないが、40時間となるとやっぱり驚く。まぁ、もっと本格的な冬を迎えないと、なんとも言えないけれど、必要にして充分には違いない。

今回の写真は反応が終わって熱も冷めた炉心のアップ。正確に言えば「バーナー」「火口」のアップだが、触媒による発熱の要である部分。金属の枠の中に「もじゃもじゃ」した物が見える。これがガラス繊維で、この繊維に触媒となる白金(プラチナ)が仕込まれている。使用を重ねる度にカーボン等が付着して行き、反応は鈍くなる。1シーズンで1個は取り替えましょうと言う事だ。これをベンジンに浸した状態で着火する様な事になれば、そりゃ性能はがた落ち。触媒が触媒でなくなってしまう恐れもある。すぐ奥にボヤけて見えるのが燃料を入れる口。脱脂綿が入り口付近まで迫り、白く見える。ここも使い込むと「黒く」変色してくるそうだ。すぐ上が触媒なので、その熱の影響を受けるが、触媒と触れてはならない。あくまでも気化した燃料が触媒に触れる様でなければいけないのだ。

他にいじって楽しむ所は無い。Zippoのライターほど汚れも溜まらないので、掃除する楽しみはカイロには無いんだなぁ。せいぜい、本体とキャップのメッキをふきふきして指紋やら汚れをきれいにするくらい。炉心さえ交換せずに、ン十年も使い続ける人もいるくらいに「メンテナンス・フリー」な所がロングセラーの秘密かもしれない。

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白飯の思い出。

2004-11-09 02:09:03 | 我思う、故に書くなりよ。
常日頃食べてる「ご飯」。白米を煮ると言うか、茹でると言うか、「炊く」と出来上がる。

小学校の頃、デフォルトでは給食と言う賄い付きな毎日を送っていた。学校さえ行けば何かしら喰えるワケで、ドリンク・デザート付きでもあったわけだ。

だが、何かの突発的な事情で「お弁当」と言う日もあった。それがどういう事情でそうなったのか、覚えてはいないが、この日ばかりは母の作ってくれたお弁当を持って登校する。

ある日、ご飯の美味しさに目覚め、お弁当は「ご飯」だけにしてもらった。普段から食べていて、突然目覚めると言うのもおかしな話だが、家族に胃腸の按配の悪い人がいると、やわらかいご飯が常食となってしまう。何かの拍子に水加減を間違えて、柔らかくなく、適度な硬さの「普通」のご飯を食べる事になった時に「目覚めた」のだ。

変な事を言う子供…とでも思ったのか、母は何度と無く「おかずは要らないのね?」としつこく聞く。が、はまってしまった子供は「うるさい!」とだけ言い残し、さっそうとお弁当を持って学校に向かうのだ。

「おいらのお弁当はお前らのと違うんだぞ!」

口で言いはしないが、おかずの無いご飯だけの弁当を誇らしげに思い、妙な優越感に浸り切っていた。
さて、太陽は真上に昇り、チャイムの音と共にガタゴトと机を並び集める。班毎に机を寄せ合い、お弁当の時間が始まる。私の頭の中にはもう、それは真白い「ご飯」しかなく、給食が無いにも拘らず出て来る牛乳のそれを「仲間」とさえ思う妙な興奮状態に包まれる。

「いやぁー。ご飯しかないー!」

そうだろう。そうだろう。驚くがいい。この「ご飯」の美味しさが君に判るかね? 驚きたまへっ!

ところが、注目の的になったのは私では無かった…。今となっては名前すらも思い出せぬが、普通の女の子で、国語とか社会の出来る子だったと思う。人垣を掻き分けて、彼女の座る班へ駆け寄ると、ちいさなお弁当箱に、ご飯だけが白く埋まっている。そして、彼女は泣いていた。

大人の事情が彼女を涙させたとは、当時は判るよしもない。今に思えば、白飯だけしかお弁当に出来なかったほど、生活に困窮している家の娘さんだったかどうかも判らないが、その日のお弁当の時間、彼女はずっと泣いていた。

拍子の抜けた私だが、オンリーご飯のお弁当を複雑な思いで満喫した。時間が経って、少し蒸気の水分にまみれてはいたが、その歯応え、噛み締める毎に深みの増す味わい…。冷たい牛乳との相性は良くなかったが、なぜこんな美味しい物で泣いているんだろう? と謎と疑問は溢れるばかりで収まりをしらない。

周りの子が彼女の白いご飯の上に、おかずを少しづつ載せていく。おかずの無い事に誇りを覚えていた私には少し驚きだった。おかずが無い事がそんなに悲しい事なのか? あっという間に彼女のお弁当はおかずで一杯になり、そりゃあ豪華な物となったが、彼女はその日、お弁当に箸を付ける事は無かったと思う。

私は自分のお弁当もごはんだけだったので、それを見せた。「すごく美味しいごはんだから、おかずなんか持って来なかったんだよ!」と誇らしげに見せたつもりだったのだが、机に伏したまま顔を上げず、ただ泣きじゃくる彼女は変わらぬままであった。

どうした理由で、彼女のお弁当が白一色だったのかは今でもわからない。私の目の前に今あるのも、白一色のご飯。噛み締めると、昔と変わらないばかりか、より美味しい。炊飯器も電子化され頭脳を持っている。ちょっとボタンを押せば、好みの「炊き加減」を覚えてくれる。

そんな昔の思い出に、きゅうりの漬物と、2かけのにんにく。インスタントのお吸い物を添えて夕飯とした。しかし、それだけで自己完結してしまう美味しさを持った「ご飯」。たとえ、大人の事情でおかずが無くとも、何も恥ずる事などどこにも無いはずだ。ご飯とはそう言う物だし、主役なんだから。

Comments (6)
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