おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

ハクキニストと人は呼ぶ。

2004-11-08 17:49:02 | お主もハクキンよのぉ…。
ハクキンカイロの愛用者をこう呼ぶらしい。またの名を「ハカー」。

OEM品しか持って無いが、ハクキニストになろうかな。触媒の反応炉をあちいの我慢してキャップを外して、暗い所でよく見たら「ぼぉぉぉぉ…」っと赤くなってんの。キャップを外すとにわかに明るさが増して、反応が進んでいるかのような明るさの変化が見れるんだよね。

もう、こんなの見ちゃったら「俺の反応炉が…」ってたまらなくウレシイのよ。どうした事かぁ!ってくらいにたまらないなぁ。

24時間連続使用中だが、そろそろ24時間。がんがん暖かい。ズボンのベルトの腰よりちょっと下辺りに挟んでると、そりゃあもう「お灸」みたいな感じで気持ちよいやら、心地よいやら。専用の腰巻ベルトはちょっと購入予定に無いが、軍用のアウターには懐に深めのポケットが付いている事が多く、放り込んでおくだけで快適。それ以外はノベルティで貰ったネック・ストラップに吊るしてお腹辺りでぬくぬくさせておく。いやぁ…たまらないなぁ。

バイク乗りの方とかは、この時期から地獄の寒さとなるらしいので、必需品との事。わかるねぇ。ありゃあ、見てるだけでも相当寒い。複数個使わないと耐えられないって話も聞く。

と、書いているうちに、無事に24時間の経過を迎えた。反応炉の炉心の確認以外は何もしていないし、場所を変えながら体のあちこちに忍ばせているだけである。体力低下の著しい昨今、腰への疲れも著しい物となり、疲れはやがて痛みに変わるが、コイツを腰に当てていると明らかに痛みが緩和される。とは言え、医療用具や器具では無いので、うっかりすると低温火傷になるのでこれだけは注意しなければならない。

ネットでいろいろ調べてみると、先人達がいろいろと試行錯誤している様子が判っておもしろい。燃料の良し悪しと言う点だけ見ても、様々な「ベンジン」を試し、ある者はその要求を満たす物に出会い、ある者は悲劇に見舞われ、人柱としてその名を刻む。チャレンジャーが残してくれたこうした貴重な体験談や結果は、我々新参者には何よりもありがたい情報である。

だが、疑問に思う事もある。総じて、それらの情報は「若い」。ハクキンカイロが世に出て80年を超えるが、それに見合った情報の蓄積が少ない。「使い捨て」の台頭とともにそれらの情報は消えてしまったのだろうか? それとも、妙な工夫など要らないほど完成度の高い実用品だったのだろうか?

私は40代に突入目前の昭和生まれである。かつて共に野を駆け回り、同じ学びやで学んだ仲間で、ハクキンカイロを常用していた者は皆無であったと思う。また、私の親もハクキンカイロを知ってはいても、所持したり使用したりしている姿を見た事が無い。これは、生まれも育ちも「南関東」と言う事も影響するだろうけれど、父親は東北の生まれで、圧倒的に寒い地域で育っている。また、冬季にしか使用しないという事もあるだろう。春夏に店先に並べて数売れる商品ではない。

「知ってはいるが、使った事無い」と言う人が多い商品である事が、私の周囲では確認できる。今回、購入するにあたって、1つ下の後輩が「使っていた」事が判明し、驚いている。幼少の頃からお腹の弱い彼は、腹巻と共にハクキンカイロで武装していたと言う。

そのスタイルを想像するだけで「ジジ臭い…」。腹巻を常用する姿が目に浮かぶのは「バカボンのパパ」か「土木作業従事者のおっさん」と言う世代でもある。それらと同等に「ジジ臭い」というイメージが付いて回るのがハクキンカイロでもある。別珍の小袋からまばゆく光る銀色のそれが取り出されるのは「じいさんの懐」だったり「おっさんの腹巻」だった。加えて燃料に使うベンジンの臭い。それらみんなが「ジジ臭い」イメージを漂わせているのだと思う。このイメージと共に、その存在を忘却の彼方へ追いやってしまったのは他でも無い、我々なのだ。

で、フリースの小袋に包まれたカイロを改めて見る。形は全く本家のそれと同じで、大きさも同じ。指紋採取にピッタリなほどに磨かれたボディを眺めると、有機的な形と金属の冷たさをそこに見て取れるが、うっかり触ると「あちい!」。そこに「ジジ臭い」と言う感じは漂ってはいないと思う。それこそ「ターミネーター」や「スターウォーズ」にうっかり出ていても違和感が無い。(と、思う。)

ジジ臭さとともに、貴重な情報を闇へ追いやってしまった事への後悔は尽きない。確かに、たかがカイロに何言ってんだ? と言う方もおられるだろう。だが「たかがカイロ、されどカイロ」なのである。
ウンチクやら含蓄、ノウハウやTipsやらをひっくるめて、逸話や伝説をも身にまといながら、このカイロは次世代に受け継がれる。それだけの素質を持っていておかしくない商品だと思う。

MOMAとかに永久展示とかされないのかねぇ? どうなんだろう?

Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする