おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

到着を待ちわびた。

2004-11-06 19:26:14 | お主もハクキンよのぉ…。
届いちゃったもんねぇ~♪ 「もんねぇ~♪」と言う歳では無いが、この場合「もんねぇ~♪」だろ。
何の事は無い。Zippo社ブランドのハンディ・ウォーマーである。

単に言えば「ハクキンカイロ」である。この仕組みが理解出来なくて、購入を躊躇して早ン年。つい最近、やっと理解して購入に走ったが、どこにも無く、ネット通販でオーダーを済ませていたのである。
先入観と言うのか、そう言った「食わず嫌い感覚」がずっと残っていて、正しく知らなかっただけの話なのだが、何かの折に「ハクキンカイロとはオイル・ライターと似た様な物である」と言う間違った知識が脳味噌に入り込んだ。

「何で火が消えない?」「火事になるんじゃ?」「マッチで火を点けている」「相当熱い」

疑問やら何やら、積み重なった物は「胡散臭い…」と言う感情を生み出し、つい最近まで真実に触れ様とさえしなかった。

確かに似ている。Zippoのオイル・ライターのそれと、似ているし、燃料も同じ。着火には他の火が必要な事が違うが、電気式に着火できるモデルもある。(Zippoブランドには無い)おまけに、相当な熱量を絶え間なく供給してくれている。ところが、ライターよりも安全と言えよう。それは何故か?

火で着火すると言うのは正確ではない。火を近づける事により、触媒が反応を起こすだけの話で、火はそこに無いのだ。気化した燃料がこの触媒に触れる事で熱反応が起き、これで本体を温めてカイロとしているのである。直接、燃料を発火させて熱を得ているワケでは無いのである。(ここ重要。)

直接、触媒の収まる部分に可燃物が触れれば、その熱量で「発火」する事はあるが、それを防ぐためにちゃんとキャップがあるし、このキャップが無ければ安定した熱量を供給出来ない触媒の仕組みがある。モロに外気に触れたりすると反応作用が消えてしまうのだ。逆に密閉されて空気の流入が無くても反応は止まる。

そんなワケで、燃料式のカイロを手に入れたが、主流ではない。主流では無くなった。主流は「使い捨てカイロ」。もみもみすると暖かくなり、半日程度暖まるアレである。ディスカウント・ストアで買えば安価に大量に購入出来るので、これが主流となっているが、使い捨てなので、再利用が出来ない。買った分だけゴミは出るし、機能を全うし、冷たくなったアレをもんでみる時の「寂しさ…」はいたたまれない気持ちになる。

このハクキンカイロならば、燃料さえ入れれば再利用が可能である。しかも、ちょっとカッコイイ。その燃料もコンビニで売っているZippoのオイルで良いのだから、取り扱いさえ注意すれば安全に、末永く使えるのだ。

燃料は満タンで24時間持つと言うから、使い捨てのそれの比ではない。エコロジーかつリサイクルなカッコイイカイロで、暖まる準備は出来たので、冬の寒さが待ち遠しい。

さて、このカイロ、日本で生まれた。株式会社ハクキンのWebサイトによると、大正12年には実用化し、特許を取得、販売を始めたそうである。1923年だから、81年も前の事だ。以来、改良を重ねて現在に至っているワケで、知る人ぞ知る、冬の必須アイテムだったのである。

で、私が購入したのはZippo社のブランドの物だが、これは本家ハクキンから出ている「ハクキンカイロ3R」と全く同一の物と考えて良いみたいだ。詳細が書かれているワケでもなく、告知も無いので全くの推測での話だけれど、いわゆる「OEM供給」ってヤツであろう。実際に比較して同一の物と紹介しているサイトもあるので、ほぼ間違いないが、メーカーはアナウンスしていない。Zippo社と株式会社ハクキンとの関係も定かでは無いので注意してほしい。

でも、同一ならば消耗品の入手もそれほど困る事は無いだろうから、やっぱり末永く使える所がウレシイ。

何種類か出ているみたいなので、詳しく知りたい人はググって探したまへ。発熱の仕組みやら、オリンピックとの関係、南極観測隊との関係もここで知る事が出来る。

実際に手にしてみると、えらくシンプルな作りに驚くと共に、薄さにビックリした。もう少し厚みのある物だと思っていたが、Zippoのライターのそれと変わらない。フリース素材で作られた袋に入れて使うが、この大きさが「定期入れ」と同じくらいかな。袋に入れるのは、熱いから。素肌に着けると間違いなく火傷すると思う。そんなワケで、付属の袋か、タオルなんかにくるんで使う物である。デザインもシンプルで、Zippo愛用者なら納得のデザイン。本家と違うのはキャップに空けられた「穴」と、本体に入っているZippoのロゴマークだろう。

この「穴」が機能では重要な役目をしているが、Zippoのそれは単なる「丸穴」。ライターの燃焼部に空けられている空気穴と同じ配置で同じ数。本家のは、孔雀を穴でデザインしている。なんでだかは知らない。ハートをデザインしたモデルもあるみたいだが、やっぱりZippoの方が私は好きだなぁ。

さて、使ってみるとその熱さはフリースに包まれているので、使い捨てと変わらない。ぬくい…と言う方が的を得ているかもしれない。使い捨てと同じで、基本的には燃料が切れて触媒での反応が止まるまで途中で止める事は出来ない。ちょっとした工夫と努力でこれは可能となるが、燃料の量で持続時間が変えられる点は良いかも。詳しいランニング・コストは知らないが、これは使い捨てに譲るだろうと思う。使い捨てにはこれには無い便利な使い方もある。ブーツの中や靴の中に入れて使うタイプが出ているし、ぺたぺた貼れる物なんかもある。流石にこれらは真似出来ないね。

今、思うのは、古くからある事は知っていたが、この歳になるまで使っていなかった事だ。これは悔やんでも悔やみきれない残念なものだ。それほど良い。基本的なデザインは昔の物と同じだし、機能もそれほど変わらないので、もし、家にあるなら使ってみる事をオススメしたい。ただ、消耗品が傷んでいる場合もあるので、そんな時は無理せず、株式会社ハクキンから購入すべし。相当古い物でも、現行の消耗品が適応している場合があるので、相談してみるのもいい。

知らないとソンをする…そんなアイテムだと思う。知っている人は意外と多いのだけれど、実際に使っている人が少ないのも不思議だ。まぁ、昨年辺りからZippoブランドの物は騒がれていたので、ユーザーは増えていると思うけれど、暖まる幸せを独り占めに出来るってのも、いいねぇ…。



追記:カバーと称していた部分をキャップに訂正。使用感補足:「ぬくい」状態から少し温度が上がって、心地よい熱さを維持。12時間分の燃料で試運転中だが12時間を過ぎても温かい。多少、Zippoのオイルの臭いがするが、ライターよりは臭くない。んー、これははまるぞぉ…。
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アラファト議長はどこへ行く…。

2004-11-06 06:57:55 | 我思う、故に書くなりよ。
どこって、フランスにいるんだが生死を彷徨っているとの事である。

この人は一体何者か? 近代の中東史を学ぶと必ず避けて通れないのがパレスチナ問題。その問題のキーパーソンであるが、簡単に言っちゃえば「過激派の親分」である。

過激派の親分でありながら、ノーベル平和賞を貰ってる所に複雑な背景がわんさかあって、これをまとめて書くのも大変だから書かないが、親分はパレスチナ・アラブ人の国家の代表者でもある。で、元々パレスチナ・アラブ人ってのは「国家を持たない」人々だったワケで、その人達が漠然と暮らしていた所に「イスラエル」と言う国が出来ちゃった頃から、ドンパチが始まって、現在に至るって感じ。

元々はアル・ファタと言う過激派の親分をやっていた。数あるパレスチナ・アラブ人の過激派組織の中でも最大派閥の親分と言う事である。そして、イスラエルと戦っていたが、この過激派組織が1つになる動きがあった。パレスチナ解放機構(PLO)の設立である。国家を持たないパレスチナ・アラブ人の代表組織がここに誕生したワケだが(1964年)、これは何する組織かと言うと、イスラエルと戦うための組織なんである。設立当初のパレスチナ憲章にはイスラエルの完全破壊なんて条文があったりする。(今では無いらしい。)国を(無いんだけど…)挙げてイスラエルと戦うって組織だ。

すげえ国(無いけど…)だなぁと思うかもしれないが、国民に当たる一般のパレスチナ・アラブ人の総てが過激派と言うワケではない。代表組織が出来た事で、いろいろと活動が出来る事を喜んだものの、PLOの動向を見ているうちに嫌気が刺した人々も多いのである。まぁ、支持、不支持って聞かれると支持だけれど、両手を挙げて歓迎するかと問われれば「しない」って事だと思う。

まぁ、それ以来、イスラエルと未だにドンパチを繰り返しているワケで、ゲリラと軍・警察の報復の応酬が続いている。そもそも、お互いの存在すら認めないワケだから、話し合いになるワケが無く、元を辿るととんでもない歴史を遡るワケだから、無理も無い。

ところが、無益な殺戮の応酬を周囲が放置するワケも無い。国連だって口を挟むし、超大国だって口を出す。そんな中で「お互いを認めよう…」と言う歴史的な動きがあった。88年にはPLOが国連でイスラエルを承認し、テロ活動をしないと宣言する。93年にはイスラエルがPLOを承認し、合意したのである。(オスロ合意)まぁ、ガザって所でPLOが自治活動してもいいよ、って事だ。この歴史的な合意に対して、ノーベル平和賞が贈られたのである。

95年には正式にパレスチナ自治政府って物が出来て、99年には晴れて独立、ここでめでたしめでたしで良かったはずなのに、ドンパチは続いている。それは、お互いの過激派の中にこの動きに反対する組織がテロ合戦を始めたからだ。

そもそもが過激派の集まりだから、無理も無い気がするが、アラファトの親分だからこそ「合意」にまで辿り着いたとも言える指導力が、彼にはあったのだ。また、世界は和平を望み、彼の背中を押した。その彼が生死の境を彷徨うとなると、パレスチナは、イスラエルはどうなってしまうのだろう? 親分は次期親分を育てていないとも言われている。彼の代わりに、PLOを和平へ向けて進める指導者がいないのだ。過激派の親分は他にもいるので、親分衆で共同管理って線が強いが、過激派は何人集まっても過激派なワケで、楽観視は出来ない。

だから、アラファト親分の生死が世界中で心配されているのである。遅きに失する感じがしなくも無いんだが、偉大な「まとめ役」を失うと、世界が困る。アラブ・ゲリラのハイジャックで世界が震えるのは2度と御免だからね。オリンピックでイスラエルの選手を殺しちゃうとかもあったし。

それはそれは血生臭い人生だったかも知れないが、本音を言えば、まだまだ死んで欲しくは無い人物なのだ。パレスチナの安定を図るために、人工的に生命が維持されているとも言われている。

少なくとも、ある程度の安定が図られるまで、彼は死ぬに死ねないのかも知れない。

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