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~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

練習のしすぎは・・

2009年12月09日 23時15分23秒 | ピアノ
ちょっと前のことですが、テレビに、約30年間右手が使えなかった世界的ピアニスト氏が出て、演奏&インタビューされてました。

現役でばりばり弾いていたある日、家具かなにかを動かしておられたところ、右手(親指だったかな?)にケガ。10日くらい使えなかったそうです。
ケガが治って弾いてみようとしたらよく動かない。これはしばらく練習しなかったせいだと猛練習したそうです。
ところがそのあと、右の薬指と小指が鍵盤に触れると丸まったようになって弾けなくなり、どんな治療をしても結局だめで、以来30年間は右手は使えず(ただ、ピアノを弾く以外の動作はできたそうです)、左手のみの演奏や指導、指揮をしておられたとか。
30年たって、ジストニア(脳神経に原因があるとか)と診断され、ボツリヌス療法で治癒し、今は両手で演奏できるようになったということでした。

演奏家にはまれに見られる病だそうで、本人にとっては生死を問われるほどの病でありながらまったく痛みはなく、ほかのことはできるのに、演奏だけができないという不思議なものらしいです。

専門的なことは私にはわかりませんけど、このピアニスト氏がおっしゃるには「練習のしすぎはよくない。集中できるのはせいぜい3~4時間。それを超えると、脳と手の連絡が悪くなり、ただ指を動かしているだけになってしまう」ということらしい。
・・せいぜい3~4時間って・・・(汗)
超有名なピアニストでも、リパッティのようにものすごく練習量の多いピアニストと、アルゲリッチみたいに練習が好きでないピアニストがあるようで、どっちがいいとかエライというものでもないですけど、やっぱり人によっては過度の練習が健康を損なうことはあるわけです。


今日、中学生の女の子と話してましたら、「昨日、アルペジオがはまったんですよ!これまででたった2回ですけど」とうれしそうでした。これまで練習をあまりしてなかったので、それは練習の成果と思うのですけど、アルペジオとかトリルについては練習すればするほどできるようになる・・というもんでもないところがミソであり、困るところでもあります。
なんですかね、これ・・・さかあがりとか水に浮くとか、自転車に乗れるようになる、とかそういう類に似ていると思うのですけど、あるときふっとできるようになったりしますよね。
もちろん、こうでもないああでもないとウンウン言っているうちに・・ということではありますけど、余計な力が抜けないことにはどれも上手くいくもんではないですねえ。

先日のチェンバロステップのアドバイザーからのコメントの中に「からだの使い方が上手いですね」というものがあったのですけど、これは今までなかったジャンルのお言葉です(笑)。
私の3人の先生方が、手取り足取り、「からだの使い方」(笑)を教えてくださったおかげでしょうか?ありがたいことだと思います。
40代半ば、お肌は老化の一途で「からだそのもの」はほめられたものでなくても、「からだの使い方」はほめられることがありうるというわけで・・どうですか、希望が湧きませんか(爆)。

それもまあ練習で身についたものといえばそうでもあり、やはり行き着くところは「練習はやりかた次第」ということになりましょうか。