●第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
●第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
9条はそれ一つで憲法の「第2章 戦争の放棄」を構成している。
◎もともと連合国軍最高司令官のダグラス・マッカーサー元師が日本の新しい憲法について示した3原則、つまり、
(1)限定的君主制(天皇制を残す)、
(2)戦争放棄、
(3)封建制度の廃止、のうちの第2の原則に由来している。
◎9条は、戦争の否定という「絶対平和主義」とも言えるような崇高な理想主義を掲げている。しかし、その一方で、条文を素直に読めばどうみても矛盾するとしか思えない世界有数の軍隊である自衛隊を保有してきた。
◎日本国憲法は米国の占領下という特殊な環境下で作られた。その誕生経緯からして、本来は英文で読むべきであるものである。そして、憲法を英文で読むと、こうした矛盾が一層、浮き彫りにされる。