病院の統廃合は必要

　このほど厚生労働省は比較的大きな病院の再編すべき方針を打ち出し、具体的な病院の名称を上げ、全国で400ほどの病院を統廃合を進めるべきであるとの方針を打ち出した。

　国内では人口減少や少子高齢化が進んでいる。今後、人口減少が進むことで、病院の稼働病床数が減少する可能性が高く、将来を見据え、同省は再編方針を示したものとみられる。

　国は治療は外来を基本とし、長い期間、入院をすることは避け、なるべく自宅療養を基本としている。病院の診療報酬を抑制し、国全体の社会保障負担額を抑制するためである。国の社会保障費への支出は増加の一途をたどり、現在、一般会計予算の３分の１程度を占めている。社会保障費の抑制こそが国の総予算の抑制につながることもあり、毎年、幅広い方面から予算の抑制を検討している。

　公立病院はすべての市町村で整備、運営される必要はなく、患者は近隣の市町村へ出掛けることで、適宜、診療を受ければよいのである。特に人口の少ない市町村では赤字経営を余儀なくされる公立病院が少なくない。これは自治体の予算に負担がかかることにもつながる。病院はいったん診療、運営が始まるとなかなか閉院にすることはできず、そのまま診療を継続するケースが大半である。

　今後は自治体の予算への負担を軽減する必要性から、周辺自治体の公立病院、大中規模病院を統廃合させることで、経営効率化を図りつつ、医師を確保しやすくすることで、病院経営を安定化させることで、患者数を増加させることにつながる。

　病院は人に命に関わる重要な存在である。統廃合は容易ではないものの、進めることで、規模を拡大することで、病院側、自治体、受診者、それぞれにメリットがある。