秋田マニア愛好会 (秋田県が好きであり、川反を元気にする団体)

一日一日を大切にし、暮らしや経済を活性化させることを1つの目的とする。

観光への過度の依存はリスク大

2021-01-30 04:00:38 | 日記
 新型コロナウイルスの感染は拡大している。これといった打開策が見当たらないため、収束の気配はない。

 2019年までは訪日外国人客(インバウンド)の急増により、観光業は大きく消費金額が伸び、新たな産業の1つとなった。国内の人口が減少傾向であり、少子高齢化が進んでいることから、訪日客は観光業の進展に大きく寄与したこととなる。

 20年に入り、新型コロナが世界的な大流行となった。収まる気配はなく、世界経済をどん底に突き落としたといっていいだろう。国内では観光業、飲食業で大きな売上の落ち込みが目立ち、閉店や廃業を余儀なくされる事業者も増加傾向である。

 観光業は景気の変動を受けやすく、訪日客が動向を大きく左右する。特に10年以降、観光客が増加した施設や場所では、訪日客の影響が大きい。政府は訪日客を大きく伸ばす戦略を掲げていることもあり、観光事業者もそれに合わせ、宿泊施設を整備したり、新たな観光スポットを構築するなど、観光整備を推進していた。

 しかし、新型コロナの感染が拡大したことで、訪日客はほぼゼロとなり、観光業には大きなマイナスの影響が出た。同時に国内の経済は急激に下降曲線をたどり、経済活動が大きく鈍化したことで、収入面でも大きなマイナスとなっているケースも多い。

 観光は魅力のある産業ではあるものの、景気の動向を受けやすく、過度に依存するには大きなリスクと伴う。観光以外の産業が元気のない都市では、経済の落ち込み度合いが大きく、街全体の元気がなくなり、さらに人口減少に拍車がかかるという悪循環を生みだしている。

 函館市は北海道の南端に位置し、北側を除く三方を海に囲まれている有名な観光都市である。かつて、水産業や造船業が栄えていた。しかし、水産業は漁業専管水域の設定、造船業は海外へのシフトにより、基幹産業の元気がなくなっていった。それらと入れ替わるように、観光業へシフトし、市内を整備したこともあり、観光入込客数は増加した。これにより、宿泊施設は格段に増え、宿泊、滞在型観光では顕著な実績を挙げるまでに成長した。

 しかし、新型コロナの感染拡大により、訪日客がほぼゼロとなったことで、観光客数は大きく減少した。同市内の経済は厳しい状況となっている。他の産業でカバーすることはできず、ここしばらくは厳しい状況が続く可能性が高い。

 同市のように過度に観光業へシフトすることなく、農業、製造業など景気変動の影響が小さい産業の構築や継続が必要である。