2023年における京都市の観光入込客数は5,000万人を超えたという。新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴い、観光客は増加傾向ではあるものの、コロナ渦前までは戻っていないという。
今年24年は観光客が増加傾向であり、過去最高を記録する可能性が高い。訪日外国人客(インバウンド)が急増していることで、同市は大きな恩恵を受けている。あまりにたくさんの訪日客が来ていることで、場所によってはオーバーツーリズム(観光公害)の問題が生じ、各種対策に乗り出しているのが現状である。
同市は世界に通用する観光都市である。他の都市が簡単には真似できないような寺や仏閣、文化財などがあり、訪日客にとっては貴重な存在に映っているという。同市では高速交通体系も充実し、新幹線と高速道路は利用しやすい環境にある。空港も近くではないものの、関西国際空港があり、いろいろな都市と結ばれている。東アジアの国々から近いことも、東京圏などと比べ、優位に影響している。
同市ではスーツケースを所持している訪日客が少なくない。駅などのコインローカーに預けることや、宿泊施設に預けることなど、身軽な格好で各観光地を巡ることが望ましい。身軽になったほうが観光客、周辺の人、双方にメリットがある。
同市では都市の規模の割に、鉄道網が充実しているとはいえず、バスで移動する観光客が少なくない。バスの運転手不足の問題もあり、現在以上の増発は簡単ではないのが現状である。鉄道利用の促進とともに、訪れる観光地の分散化も重要となっている。季節や時間帯も分散化させれば、オーバーツーリズムの問題解消になりやすく、観光客、住民双方にとってメリットが生じる。
同市では文化財が多く、建物や景観の規制が厳しいことで、宿泊施設の建設が実質的に制限されている。この結果、他の都市よりも宿泊部屋数が少なくなり、部屋の広さはどうしても狭めになる。部屋の快適さはどうしても落ちることとなり、宿泊稼働率がかなり高い現状もあり、周辺都市への宿泊を余儀なくされるケースが少なくない。
京都観光では大阪市など周辺都市へ宿泊することで、他の都市も含め、いろいろな都市を回りやすい。京都市を含む大阪圏は鉄道網が充実していることで、移動しやすい。この結果、広域観光としても世界に通用する水準であり、飽きないほどたくさんの観光地があり、リピーターも少なくない。