4月13日から大阪市の人工島である夢洲地区(此花区)で開催される大阪・関西万国博覧会。前売券の売れ行きは不振であり、販売枚数は目標とする枚数の半分近くに留まっていて、さらなる販売努力が求められる。企業・団体が大半の枚数を購入していて、一般人の購入は少ないのが現状である。
大阪万博開幕まであと100日を切った。必ずしも順調とはいえないものの、整備は進んでいる。海外のパビリオンも数多く設置され、日本を世界に大々的に売り込む数少ないチャンスである。日本は経済的には先進工業国であり、ほぼトップ水準ではあるものの、バブル経済の崩壊以降、低成長が続いてきたことで、諸外国に追い付かれているのが現状である。
今月中旬には大阪メトロ中央線が延伸し、夢洲駅まで結ばれる。万博来場者の6割程度は同線を利用して、会場へ行き来するものと万博協会は予測している。同線は海上へ結ぶ唯一の鉄道交通であり、安定的に大量輸送することで、万博にも貢献することとなる。同線は大阪メトロのすべての地下鉄(モノレールを含む)との乗換駅と結ばれていて、アクセスはたいへん良い。また近鉄けいはんな線と相互乗入をしていることで、奈良方面からのアクセスも良い。
大阪万博の気運醸成にはどのようなパビリオンがあり、特別なイベントが開催されるかどうか、歌手などのゲストを呼ぶのかなど、もっと情報発信することで、大阪市内外、世界へ向けて、PRすることが重要である。特に大阪府周辺では開催会場に近いことで、行き来がしやすく、リピーターになりやすい。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)などのようなテーマパークのように、入場者をワクワクさせることで、顧客満足度を上げ、さらに期待という考えを抱かせるような仕掛けや取り組みも重要である。
開幕後、報道機関を含め、会場入りした人がSNSで流す可能性が高い。SNSを見た人が興味を持ち、会場に行く可能性が高く、ネットの影響も決して小さくはない。訪日外国人客(インバウンド)の来場者も2割程度が見込まれ、必ずしも国内客だけに焦点を当てるのは不適当である。
会場周辺など大阪市の宿泊施設では万博開催期間中、通常の料金を引き上げ、2倍以上の価格に設定しているケースが多い。それだけ万博は高い集客力が期待され、混雑度がかなり高まるという期待感を抱かせている。宿泊施設にとっては、大きな利潤を稼ぐチャンスである。利用者としては、京都や神戸など周辺都市に宿泊すると、ほぼ普段どおりの料金設定になるので、会場から遠くてもいい場合、選択することも方法の1つである。