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抗がん剤、極小カプセル化に成功

2014年10月02日 23時14分38秒 | 私自身や健康
抗がん剤、極小カプセル化に成功 副作用軽減に効果
朝日新聞 2014年10月2日(木) 配信

 岡山大と岡山理科大の共同研究グループは、複数のがんの標準治療薬になっている抗がん剤を極小の「人工カプセル」に封じ込め、がん細胞内に効率よく送り込む技術開発に成功した。マウスの実験で、抗がん剤の副作用を抑え、がんの進行を止める働きを確認した。9月29日、米電子科学誌「プロスワン」に掲載された。

 抗がん剤パクリタキセルは、肺がんや卵巣がんなどに幅広く使われている。水にほとんど溶けないため、ひまし油とエタノールに溶かして使う。

 岡山理科大の浜田博喜教授(生物化学)らは、この抗がん剤にブドウ糖の分子を1個くっつけ、水に溶けやすく加工。岡山大の妹尾昌治教授(生物工学)らが、この加工パクリタキセルを、水に溶けるものしか入れられない特性を持つ球状の脂質膜「リポソーム」に封じ込めた。

 この膜は直径約100ナノメートル(ナノは10億分の1)とごく小さく、細胞膜と似た成分でできているため、細胞内に入り込める。研究チームは、この膜の表面にがん細胞を見分けるアンテナ物質をたくさんつけ、がん細胞だけを狙い撃ちするようにした。

 ヒトの大腸がん細胞を移植したマウスに、リポソームに封入したパクリタキセルを、通常なら副作用で死ぬ量を注射したところ、90日後でも半数が生き延び、がんは大きくならなかった。何もしなかったマウスではがんが成長し、1カ月以内に全て死んだ。

 妹尾教授は「この方法だと、これまで副作用のため使えなかった量を使えるようになる可能性がある。薬効も大幅に向上すると考えられる」と話す。(中村通子)

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