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コロナ渦中に権力争い 支援遅れ懸念、批判も 日医会長選

2020年06月23日 08時18分01秒 | 

コロナ渦中に権力争い 支援遅れ懸念、批判も 日医会長選

 2020年6月22日 (月)配信共同通信社

 新型コロナウイルス感染拡大への警戒が緩められない中、日本医師会(日医)が会長選に突入した。27日の投開票に向け内部の権力争いは激化し、コロナ対応で疲弊する医療現場への支援が遅れる懸念も。「選挙戦は避け団結すべき時なのに」。批判は日医幹部や自民党重鎮からも漏れる。

 ▽罪

 「国民に信頼されなくなる。罪深い選挙戦だ」。日医関係者は、17日の立候補受け付け締め切りで、横倉義武(よこくら・よしたけ)会長(75)と中川俊男(なかがわ・としお)副会長(68)の一騎打ちの構図が固まり、落胆した様子で語った。

 最初に出馬の決意を固めたのは中川氏。副会長を10年務め、長く横倉氏の部下だった。間もなく69歳になる。「ずっと『自分の出番が必ず来る』との思いでやってきた」と出馬に理解を求める。記者会見では、横倉氏から今年2回ほど「君に任せる」と禅譲を伝えられたことも明らかにした。

 ▽役割

 4期務めた横倉氏。「身を引くという態度を示した後、多くの人から医療界のために翻意するよう求められた」とする。舌鋒(ぜっぽう)鋭く理詰めで政府と交渉する中川氏より、安倍晋三首相ら政府、与党との太いパイプで柔軟に調整に当たってきた横倉氏に期待する政権幹部の説得も受け、5選を目指す方針に転じた。

 コロナ対応で日医は感染動向を注視し、医療サービス改善に向けた現場の要望をいち早く政府に届ける役割を担う。ただ選挙戦が既に始まり、両陣営の動きも活発化している。この時期の対決に、横倉氏は「(選挙戦をするか)ためらったが、いま会長が代わる方が国民に迷惑をかける」と説明。中川氏は「会長選はない方が良いに決まっている。節度ある選挙戦にしたい」と語った。

 ▽禍根

 両氏は17日の立候補締め切り直前、日医が東京都内で開いた、災害時の避難所の新型コロナ対策を話し合う会合にそろって出席。隣の席に1時間以上座っていたが一切目を合わせず、選挙戦の激しさを暗示した。

 日医と蜜月関係にある自民党も、今回の会長選が接戦とみて、その後の日医内の亀裂に気をもむ。自民は医療政策で日医の要望を聞き入れ、代わりに日医は国政選挙などで集票マシンとなる。自民の厚生労働族のベテラン議員は指摘する。「会長選に至る経緯を踏まえれば、どちらが勝っても禍根を残す」

 ※日本医師会(日医)

 1916年に北里柴三郎博士らが設立。2013年に公益社団法人として認められ医学教育や公衆衛生の向上などを目的に活動する。全国47都道府県医師会の会員で構成され、会員数は約17万2千人(19年12月現在)。中央社会保険医療協議会(中医協)の診療側委員として、医療の公定価格である診療報酬の改定に大きな影響力を行使する。政治団体である日本医師連盟は、政治献金や国政選挙での候補擁立・推薦を通じて自民党と関係が深い。

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