8時、起床。
トースト、ソーセージ&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
今日は阿比留さんと「まやんち」でランチをする約束がある。阿比留さんは現代人間論系の初代の助手で、その後、子育てをしながら非常勤講師として頑張って来られたが、この春から待望の専任教員になる。また、最近、書庫のある新居も竣工し、引っ越しも済ませたようである。そのお祝いも兼ねて、カフェにお誘いしたら、即答で「まやんち」を希望された。11時半(開店時)に予約を入れたことをお伝えすると、その前に池上本門寺に行きたいという。ランチの後に腹ごなしの池上散歩というのはよくあるが、ランチの前にというのは初めてである。「朝のピリッとした空気を感じたいと思います」とのこと。朝のピリッとした空気? もしかしてお子さんを保育園に送って、その足で池上に来るおつもりかしら。夜型の私には無理です(笑)。結局、10時に池上駅で待ち合わせることになった。
池上駅のホーム(五反田方面)には工事の囲いが作られていた。あの長いベンチはもう撤去されたのだろう。
おそくらく構内踏切が撤去されるのは工事の最終段階だろう。
蒲田方面のホームにはまだ手が付いていない。幅広のホーム、長いペンチはそのままだ。
阿比留さんは先に改札口に来ていて、スマホで誰かと仕事の話をしていた。
1月中旬に閉店した葛餅の老舗「相模屋」。
閉店のお知らせの張り紙かと思ったら、さにあらず。なんと新規開店のお知らせだった。どういうことだろう?「相模屋」改め「藤乃屋」ということ? あるいは「相模屋」の閉店を惜しむどなたかが、居抜きで店を買い取り、葛餅の店を新規に開いたということだろうか。老舗の閉店を知ったときは悲しかったが、明かりがポッと灯った感じだ。
本門寺参道の中道院の早咲きの梅。
よく手入れをされた見事な白梅である。
もうしばらくすれば池上梅園も見頃を迎えるだろう。寺町池上のよいところは、梅と桜が楽しめることろである。
仁王門。
大堂。
阿比留さんはバッグから御朱印帳を取り出した。そういう趣味がおありとは知りませんでした。
大堂に参拝する。彼女は私よりも長い時間、お願いごとをしていたようだった。
お参りをすませ、境内を散歩する。保母さんに連れられた近所の保育園の子たちが来ていた。
五重の塔。手前の木は桜。
本門寺公園。
本門寺公園にはよく来るが、午前中に来るのは珍しい。木洩れ日の差し込み方が午後とは違う。
大きな木と木洩れ日は人を寛いだ気分にしてくれる。
阿比留さんは写真を撮られることは得意ではないが、社会的な活動をしていると、いろいろな機会にプロフィール写真のようなものを求められる。しかし、子育て中の女性の多くがそうであろうが、お子さんの写真ならたくさん撮っているが、自分自身の写真というのは存外ないものである。写真館で撮ってもらうのも大袈裟なので、こういう機会に撮ったスナップ写真をプロフィール写真として使わせてもらってますと彼女は言う。
プロフィール写真に使われることを意識して撮ったポートレイト。御影石のテーブルがレフ版の役目をしてくれる。
ちょっとポーズをとってもらって、もう一枚。いいですね。
本門寺から呑川に沿って蒲田まで歩く。予約している時間を5分ほど過ぎて「まやんち」に到着。本門寺→「まやんち」はドア(ゲイト?)・トゥ・ドアで30分だ。
私は東方美人をストレートで。
彼女はアッサムをミルクで注文。
お茶をカップに注いでくれているのは新人のユカさん。スタッフになって2週間だ。「もう慣れましたか」と尋ねると、「まだまだです」とのこと。今日も3時起きでいわき(福島)から通われれいる。阿比留さんもびっくりの超朝型である。
久しぶりのアフタヌーンティー。
上段はスイーツ類、下段はフード類で構成されている。
たまたま居合わせた「カフェ・スリック」の常連のライトノベルの作家のFさんが「写真をお撮りましょう」と言ってくれた。彼は「カフェ・スリック」に隣接したギャラリー・スペースを借りて仕事をされていて、ノートパソコンに向かっている姿をよくお見かけする。作品はいつ頃完成するのでしょうか。阿比留さんのことを卒業生(教え子)だと誤解している様子だったが、あえて訂正はしなかった。
「まやんち」には特別感があります、と彼女はいう。アフタヌーンティはその「まやんち」のスペシャリテですから、特別感も5割増しくらいでしょうか。笑顔がそれを語っています。
支払いのとき店主のまゆみさんに阿比留さんを紹介する。まゆみさんも彼女のことを卒業生だと思っていたので、「えっ~、そんなにお若いのに大学の先生になれるんですか!」と驚いていた。大学の教員がみんな私みたいに年を取っているわけではありませんよ(笑)。私も早稲田で教え始めた頃は阿比留さんくらいの年齢だったんです。
店を出るとき、厨房にいるユカさんに「頑張ってくださいね」と声をかける。彼女は地元のいわきでカフェを開くのが夢である。いや、夢よりも計画はもっと具体的なレベルに来ているのだろう。お店の名前は「ここち」に決めているそうだ。私との会話をそばで聞いていたまゆみさんが、「えっ、『ゆかんち』じゃないの?」と混ぜっ返していたのが可笑しかった。まゆみさんはお菓子教室の教え子が開くカフェは「・・・ち」で統一したいという野望をもっている(笑)。「家系カフェ」の野望である。たとえばお菓子教室の生徒さんだったチハルさんが松本で開業したカフェは「chiiann」(ちーあん)であるが、「あん」は「庵」のことなので、「家系カフェ」の流れを汲んでいるということができる。もしユカさんが「ここち」という名のカフェを開業すると、「お家騒動」に発展する可能性がある(笑)。しかし、「ここち」というのは「・・・ち」という形式には適合しているし、居心地のよい場所は「家」と相場が決まっているから、いいんじゃないかしら。
「ここち」の開店を楽しみにしていますね。
「まやんち」を出て、西口の映画館に行く。
映画を観ようというわけではない。
「ドラえもん」の劇場版の前売り券(親子ペア)を購入するためである。
前売り券を購入するとドラえもんグッズがもらえるのだ。しかし、ひとつ誤算だったのは、ここで購入した前売り券はここでしか使えにということだった(全国共通の前売り券もあるのだろうが、ここで販売しているのは映画館の名前が印刷されているものだ)。彼女は渋谷あたりの映画館で観るつもりだったようだ。 どうしたもんかと迷っている彼女に、窓口の人が、「グッズはあと残り20個ほどです」と言った。それが決め手で阿比留さんはここでチケットを購入した。
これがそのグッズである。なんだかよくわからない。
これだそうです。ファンには「お宝」なのだろう。
スイーツはもう十分に満喫したので、「phono kafe」に寄って、惣菜+お茶ということにした。
棚に古本とCDが並んでいる。「ブックオフ」みたいじゃありませんか。大原さんの所蔵のもので、今秋の高知への引っ越しに向けて持ち物を減らしていきたいらしい。
阿比留さんが一冊の本を手に取って、熱心に読み始めた。
佐藤初女『おむすびの祈りー〈いのち〉と〈癒し〉の歳時記』(PHP研究所)。
注文した料理に箸をつける前に大原さんに写真を撮っていただく。
蓮根のナゲット。
春菊の胡麻和え。
キノコとほうれん草の柚子酢和え。
ある話題をめぐって大原さんと意気投合する阿比留さん。
いい笑顔です。これもプロフィール写真に使えそうですね(笑)。
人生の越し方行く末を見渡すにはうってつけの場所にいま彼女は立っている。凛として、そして笑顔で、歩いていって下さい。
彼女を東急蒲田駅の改札で見送る。
帰り道でみかけたこの季節の定番的光景。切ないです。
夕食はポークソテー、ごぼうのサラダ、味噌汁、ご飯。
付け合せはパプリカ、スナップエンドウ、エリンギのソテー。
デザートは阿比留さんからいただいたスティックワッフル。蒲田の駅ビルで買ったもので、本当は別のお土産があったらしいのだが、家を出るときに忘れて来てしまったとのこと。そういう人はときどきいます。
妻と三本ずつ食べる。
ここで阿比留さんから「番宣」です。
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2月18日(日)に立教大学池袋キャンパスで実施される日本福祉文化学会の全国大会・東京大会では、「死にゆく者の自律 ~「おひとりさま」時代の生と死」という講演タイトルで上野千鶴子さんに特別講演いただきます。「死にゆく者」としてどう生き、そして死んでいくのかは、老若男女を問わず誰にとっても関係する問いだと思います(1月の西部邁さんの亡くなり方なんかも関係しますね…)。3月以降、今回の特別講演を聞いた方々とさらなる勉強会を開催予定ですので、「わたくしごと」としてご関心を持って下さる方がいらっしゃいましたら、是非、ご参加ください。
自主シンポジウムでは、「病気や障がいのある子どもの生活と遊び」、「スポーツ×福祉がひらく未来」を開催します。
前者では、障がい児保育「ヘレン」や、障がいをもつ子が自分のペースで遊べる日をつくっている「東京おもちゃ美術館」、児童心理の専門家榊原洋一さんがいらしてくださります。
こちらも、力を入れて準備してますので、ぜひいらしてください。
(阿比留さんのフェイスブックから引用)
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阿比留さんが私のブログに「出演」したのはこの「番宣」のためだった(かもしれない)。
2時、就寝。