大橋社労士の気まま日記

仕事上のエピソードや日常の出来事、日頃興味を持ったことなどを随時ご紹介していきます。

価値観の変化?

2007-10-29 10:27:54 | Weblog
何年か前まで、「企業の目的って何ですか?」と経営者の方々に問いかけますと、「より多くの人に喜びを与えたい」「よりよいものを作ってみなさんに提供したい」といった回答が多くありました。
ところが最近は、「最大限に利益を上げる」「コストを削れるだけ削って利益をあげる」といった回答が多いのです。 もちろん利益をあげなければ会社はやっていけません。無駄なコストを削減するのも当たり前です。ただ、まずは自分の会社の利益ありきで、そのためにコスト削減ばかりに頭がいくというのはいかがなものでしょうか?

我々日本人はバブル経済の崩壊から様々なことを学びました。目先の利益を追いかけ過ぎたり調子に乗って贅沢を続けているとろくなことがない・・というのもそのひとつですね。
ところがどうでしょう。バブルの崩壊からもう10年以上も経つのに、「不景気」「格差社会」「雇用の不安定化」etc.最近の社会情勢を表すキーワードはマイナスイメージなものばかりではないですか。
社会のシステムやルールを変えてしまった政府や大企業の責任ばかりではありません。ひょっとしたら、我々国民のほとんどが「努力のしかた」を間違えてきたのではないでしょうか?

戦後の高度経済成長の原動力って何だったでしょうか? 「外国の製品に負けないものを作ろう」とか「皆が暮らしやすい豊かな国を作ろう」という大きな目標を掲げて頑張った成果だったような気がしませんか?
先程あげたキーワードと引き換えに「職人気質」「志」「夢」「いい仕事」といったキーワードがここの所あまり聞こえてきませんでした。繰り返しますが、「コスト削減」というのはとても重要です。ただ第一目標であってはいけない。まず、「いいものを作ろう」「いい仕事をしよう」という大前提があって初めて活きてくるものではないでしょうか。
昨今の度重なる食品会社などの不祥事や、電気器具や車のメーカーのリコール等の問題、あるいは建築強度の偽装など、このような国民の意識変化が影響していることは否めないと思います。
 
「原点回帰」なんていう言葉もよく聞かれるようにはなっていますし、海外のコストが安く済む所に工場を作っていた企業も国内に生産拠点を移すなどいい傾向は見られます。我々社労士が会社の経営者の方々にお話を聞いても「これからはいい人材を自前で育てて、質の高い仕事を社会に提供しなければならないなあ」と考えていただいている方が増えています。

本当にこれからの日本社会が「いい方向に」進んでもらいたいと切に願います。

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