今回は月に一度の「ためになる話シリーズ」です。
果たして「人前で話すのが大好きで得意」という人はどのくらいいるのでしょうか? かくいう私もどちらかと言えば苦手な方です。
講義の仕事とかたくさんやっているのに・・とよく不思議がられたりもするのですが、故に苦手でも下手でも大丈夫な方法を考えてみたいと思います。(以前にも同じようなテーマで書いていますので、その時の振り返りも含め改めてということで。)
人前で話すのが苦手・・という方には共通する原因があるように思います。それは「間(ま)が怖い」ということ。詰まったらどうしよう、話すことが思いつかなくなったらどうしよう・・と、話に間ができるのを怖がってしまうのです。で、そう思うと余計に上手く話せなくなってしまうのです。
発想を逆にするといいように思います。あえて「間を作るようにする」のがコツかと。
そもそも「間」もなく途切れなく話し続けたら、聴いている方はついていけません。人間の脳は、話と話をつなぐ「間」を利用して直前の話を理解します。ですから、「間」がないとせっかくの話を理解してもらえません。口の中にまだ食べ物があるのに次の食べ物を突っ込まれたら苦痛なのと同じです。
あと、専門用語をやたらと多用する方がいらっしゃいますよね。その道の専門家同士が集まる場ならまだしも、ごく普通の方々は言葉を追いかけるのがやっとです。
そうでなくとも難しい言葉やカタカナ語を多用すると、いくら前述の「間」を使っても消化しきれず、次の話に入っても脳が前の話を理解するように作用するので、次の話は理解されないばかりか脳にも入ってこなくなります。どうしてもカタカナ語を使わないといけない時は、言った直後にその意味を説明するとよいでしょう。
また、難しい言葉は(同じ日本語ですが)やわらかく翻訳して使いましょう。(例:治癒する→病気やケガが治る、合致する→ぴったり合う)
どうやら日本人の脳は“音”として入ってきた言葉を即座に「漢字に変換」しているようです。例えば「シカク」と言われたら、前後の文章の内容などから「資格」なのか「四角」なのか「死角」なのか「視覚」なのかを判断しています。
私が個人的に心掛けているのは、(イメージ的に)“ひらがなで”語りかけるように話すということです。当たり前ですが、話はわかりやすくないと人の心に入っていきませんよね。
最後に、饒舌にペラペラと思いついたことをよどみなく話している人の話と、「今日、私はこのことを伝えたいんだ」と言わんばかりにポイントを強調しつつ間も取りながら熱っぽく語る人の話と、どちらが聴き手の心に残るでしょうか。
いわずもがな後者ですね。何も「流暢に上手く話す」必要はないのでしょうし、話が上手いというのは、単なる表面的な技術にすぎないのだと思います。
逆に、自分が気分よく話していると自覚できる時は危険です。得てしてそれは聴き手に伝わっていないことが多いです。主役は話している人ではなく、聴いている人なのですから。
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