今回は、月に一度の「ためになる話シリーズ」です。
組織として何か新しいことに取組む時には、勇気も必要ですし、的確な判断力も求められます。今回は、そういう時に経営者としてどんな姿勢で臨んでいけばよいのかを考えてみます。
1.腹を据える
普段の通常業務と違い、新たな取組みというのはその成果の予測が難しいものですし、思わぬトラブルに遭遇して困難に陥る可能性もあります。
ただ、すぐに成果が出そうにないからといって進むべき道を迷ったりしていると、目指すゴールはより遠のきます。また、経営者が迷走して落ち着いていない姿を見せると、それについていく社員はみな不安になります。ここは動じることなく腹を据えて取組んでいきましょう。
2.意気込みを示す
社員は常に経営者の「本気度」を見て探っています。その本気度というのは、発する言葉の種類や声の大きさや話し方が伝わる際の決め手になるわけではありません。もちろんお金でもありません。
誰の目にも明らかな「事実」や「具体策」で社員のみなさんに示していく必要があります。言葉やお金だけではトップの意気込みは伝わらないものです
3.判断基準を持つ
実行の意思が明確になり、取組みが実際に進みだした後に必要なのは判断基準です。今までにない新しいことをするにあたっては、そこに地図や羅針盤のようなものはありません。時に社員のみなさんに明かりのない道を進ませないといけないこともあるでしょう。いったいどちらの方向へ進むのか、迷った時にはどう判断するのか、その基準を示すことが組織のトップには求められます。
4.周りを鼓舞する
新たな取組みに際しては、普通は何かと一筋縄ではいきません。向かい風に吹かれたり、壁にぶつかるなどして、心が折れそうになることもあるでしょう。世の中にはタイプとして色々な人がいますから、そんな時に立ち止まってしまう人、うつむいてしまう人、諦めそうになる人、様々です。
そんな時に最後にみなを鼓舞するのが経営トップの役目です。もちろん、これも単に言葉や態度だけではいけません。いかに自身自らが動いて背中で範を示すことが重要です。
5.見守る(下手に邪魔しない)
ある意味これが一番難しいかもしれません。最初の動き出しからある程度軌道に乗るまでは、前述したようにトップが自ら舵を切ったり牽引していく必要がありますが、一度回り始めたら、社員に任せて自走させるのが理想です。
せっかく軌道に乗りかけているのに、現場の最前線にいない人が細かい指示を出したり、自身の過去の成功体験を押しつけたりしてしまっては、むしろ逆効果になりかねません。