大橋社労士の気まま日記

仕事上のエピソードや日常の出来事、日頃興味を持ったことなどを随時ご紹介していきます。

“ひとくくり論法”に違和感

2021-05-21 06:26:55 | Weblog
今回は、月に一度の「ためになる話シリーズ」です。

毎年、学卒者が就職活動をする時期になりますと、「今年の就活生(新入社員)は○○型」みたいな感じに各種メディア上で語られたりしますが、これ個人的にものすごく違和感があります。
いくら少子化と呼ばれる時代とはいえ、そもそもその年の学卒者と呼ばれる人たちは日本中に何万人といるわけですよ。それを全員ひとまとめにして「○○型」と勝手に決めつけるのはいかがなものかと思うわけです。しかも、だいたいはからかうような表現だったり、いかにも今度の新社会人は困ったちゃんばかりですよ・・というような論調が多い気がします。まずもって失礼。
何万人もいれば本当に色々な人がいるわけで、皆が皆同じような属性だったり、同じ性質を持っていたら、単純に何とも気味が悪いですよね。

あと、よく聞くのは、「最近の若い人って○○」というフレーズ。(企業等で労務相談などを受けると、だいたいいつもこのフレーズが登場します。)
具体的に○○の部分に入るのは、「打たれ弱くなった」とか「コミュニケーション力がない」とか「頑張る力が不足している」などですね。
で、その後に続くのは概ね「だから困っちゃうんだよね~」というようないかにも私たちは困ってます的な言い回し。

さて、本当にそうでしょうか? 
それこそ何万人も、若者っていう括りだともっとたくさんの人がいますから、もちろんそういう人も中にはいたりしますが、私自身が色々と見ている限りは昔も今もそんなに違いを感じません。むしろ最近は「体験学習」のようなものが以前よりも活発に行なわれている分、それなりに社会的な意識が高い人の方が多いような気がしています。
少なくとも私自身の年少期の頃を振り返りますと、よっぽど今の「若者」(そもそもどこまでが若者なのかっていうのもありますが)の方があらゆる意味でしっかりしていると感じます。単に私自身がヘボかっただけかもしれないですが・・(苦笑)。
 
思えば、今管理職クラスである40~50代の方々も、社会人なりたての頃は、やれ「新人類だ」とか「バブル期の入社組は甘ったるい」とか「ゆとり世代は使えない」とか散々言われてきたわけですよ。
それが今やかつての年長者と同じように、若い世代に向かって「最近の若い奴は・・・」と偉そうに言っているのです。さて、そういう若い世代の人達をこれまで“教育”してきたのは、いったいどの世代の方々だったんでしょうか?

違う観点から言いますと、後輩や部下、あるいは自分より若い世代の人達が頼りなくも見えてしまうのは、それだけ自分自身が進歩している証でもあります。肩書的にも役職的にも年齢的にも上であれば、社会経験も豊富でしょうから、それは至極当然のことです。どんな時も“現在の自分と同じものさしや価値観”で見ないよう心掛けたいものです。

コメント
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