今回は、月に一度の「ためになる話シリーズ」です。
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアの発達、あるいは最近のコロナ禍で急に増えてきたリモートワーク、これらが新たなハラスメントを引き起こしています。今回はそれらのご紹介と、その対策を考えてみたいと思います。
◎「ソーシャルハラスメント」(ソーハラ)
もちろん私生活の場面でも起こり得るのですが、こと職場に限っていいますと、職場内の人間関係を背景にソーシャルメディアの利用を通じて行われる嫌がらせ(ハラスメント)の総称です。
具体的には、上司が部下にフェイスブックの友達申請の承認やコメントを強要したり、プライベートな投稿に過度な干渉をしたり職場で話題にしてからかったりするようなことです。あるいは、休日や深夜にもメッセージ機能等で仕事の依頼や連絡をするという事例もあります。
LINEやフェイスブックを業務用連絡ツールとして使う企業等も最近は増えていますが、元々はプライベートで使用していたものを業務にも使用することで、オンとオフの切り分けがそもそも曖昧になってしまいます。
部下からしてみると、上司からの友達申請等は職場内の人間関係を考えるとなかなか断わりづらいが故に、どうしても上記のような状況に陥りやすいです。ともすれば、そのままそれがセクハラやパワハラにも繋がりかねません。
ひと口に職場の人間関係といっても状況は色々ですので、利用そのものが完全にダメということではありませんが、まずは相手のソーシャルメディアの利用方針をや意向を尊重し、何事も強要しない姿勢が重要かと思います。また、むやみに相手のプライバシーに立ち入ったり、職場の上下関係を持ち込んだりしないようにしたいものです。
◎「リモートハラスメント」(リモハラ)
最近の社会情勢下で急に増加した感のある在宅勤務などのリモートワーク中に、相手のプライベートに関わる部分を追及したり、業務遂行に必要な範囲を超えて干渉したりする行為をこう呼んでいます。
私生活にネット環境を通して過度に介入するという点では、上記ソーシャルハラスメントと似たような部分があるかと思います。リモート環境下では、今まで職場にいるだけでは知ることのなかったプライベートな側面がどうしても見えやすくなるため、これまでにない新たな問題が生じることに繋がります。
また、別な観点からいうと、通常の出社時と比較して部下がちゃんと仕事をしているかを上司が把握しにくいので、上司側からするとそこが不安となり、どうしても過剰な干渉をしがちですし、常に監視下に置きたくもなってしまいます。
特に昨今の社会的事情から、今まで実績が全くなくノウハウもほとんどない状態で急にリモートワークを導入したせいで、どちらの側も対応方法がよくわからずに手探り状態で何となくやっていることもトラブルの原因かと思われます。
いずれにしても、公私の区別を明確にしたり、職場内できちんとルールや運用方法を決め、新しい仕事の様式に対応していきたいものです。