長編が好きです。
短編は、お風呂の中や電車の中で読んでいるときに、「あと少しだから。あと少しで読み終わっちゃうから。」と無理をして、ノボせて鼻血を出したり、とんでもない場所まで乗り過ごしたりする原因になるので。
というのは冗談ですが、例えば全く知らない作家さんの作品に手を出すとき、第一印象としてタイトルと同じくらい重要視するのはその「長さ」です。例えば、友だちがある作家さんを好んで読んでいるらしいと知ると、本屋さんの書棚の前に立ち、迷わず一番厚い本をとりあえず買ってみます。なんだろう?ある程度しゃべったり付き合ったりしてみないとその人の良さなんて分かんない……的な感覚かもしれません。
作家さんたちが、自分の色々な部分を絞り出して書き出したコトバが、これでもか、これでもか、と注ぎ込まれる長編に、「うーん、うーん。」と苦しみながら挑むのが、何やら大好きなわけです。でもって(ここが厄介な部分なんだけど)、その長編をズラリと本棚に並べるのが好きなんです。救いなのは、ルックス的に文庫本が好みなこと、かな。
というわけで、山岡荘八シリーズを本棚に並べるのが夢です。ご贔屓な武士から順番に並べ始めましたが(織田信長、伊達正宗……)、「徳川家康」は老後の楽しみにとっておこうと思ってます。でも、老眼で文庫本26冊はキツいかな。