若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

佐渡裕指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 特別演奏会

2013-02-08 11:22:18 | 音楽(足利市民合唱団)

「うーーん。お腹いっぱい。ご馳走様でした。」

といった感想でした。素晴らしかったです、昨夜の足利市民会館でのコンサート。

 

ベト7(ベートーベンの交響曲第7番イ長調作品92。通ぶってこんな風に呼んでいる)を、佐渡さんの指揮で聴けるということで、それだけでも充分だな、とチケットを購入しました。そして、ベト7は、「神戸に神戸牛を食べに行って、ステーキ食べて、大満足☆」といったところ。

 

予想外だったのは、その他の2曲。田舎の片隅で食事処に迷い、「この店やってんのぉ?」と入った蕎麦屋の天ぷらが絶品だった、的な。

 

1曲目のハイドン交響曲第44番ホ単調「悲しみ」という曲。『……という曲』という表現からも明らかなように、私は全く知らない曲でした。んで、聴き終って「あー、今日はこの1曲だけでも来た甲斐あったなー。」と思いました。あの3楽章を自分のお葬式で流すよう指定したというハイドンさん。今までの「ハ・イ・ド・ン!」というイメージが随分変わりました。様々なレクイエムなどと比べて、なんと明るい別れの音楽。むせび泣くというよりは、故人との楽しかった日々を思い出しながら、微笑んで涙を流している本当に親しかった人々に囲まれて、静かに旅立つ……といった感じ。「美しいなぁ。」とじんわり涙が浮かぶ素敵な音楽でした。佐渡さんとハイドンさん、なんだか合わなそうって勝手に思ってたけど、良かったなー。佐渡さん、譜面台越えて第2バイオリンの前まで歩いて行っちゃう気合の入りようだったし(指揮台がなかった)。

 

そして圧巻だったのは、ペーター=ルーカス グラーフさんのフルート。モーツアルトのフルート協奏曲第1番も流石の存在感でしたが、私はアンコールの独奏ドビュッシーの「シリンクス」という曲に、ぐっときました。初めて聴いた曲だったけど(きっとフルートに馴染みの深い方には有名な曲なんだろう)、きっとグラーフイズムの沁み込んだ演奏だったんだろうなぁ。鳴り止まない拍手に納得でした(私の近くに座っていたご婦人は、休憩時間になっても「まだ拍手したいわね。」と仰ってました)。

 

で、星空を眺めながら、演奏者の方々の乗ったタクシーと競争して自転車をキコキコ漕いで帰宅。「あーー、お腹いっぱい!」と言いながら、実際のお腹はぺこぺこで、ブリ照りとか食べちゃうところが、地元の音楽会って感じでとても贅沢な気分でした♪