「ザ・わらべ」の演目の一つにもなっている「愛の南十字星」は、「からゆきさん」の一生をテーマにしたNHK熊本放送局制作のラジオドラマ「ぬれわらじ」をモチーフとして、長唄三味線の今藤珠美さんが制作したもので、三味線や筝に加え二胡の響きが、遠い異国で南十字星に明日への希望を託す少女たちの哀しい心情を表現している。
このラジオドラマ「ぬれわらじ」の脚本をずっと前から探していたのだが、このほど山鹿市教育委員会のご紹介で、この脚本を書いた山鹿市出身の民俗研究家で放送作家の木村祐章さん(S40年没)の御子息とのアポイントがとれ、後日、ご自宅をお伺いすることになった。先日、中村花誠先生にお会いした時、その話をしたところ、「愛の南十字星」の振り付けに込めた思いなど、興味深い話を聞かせていただいた。
そこで、2013年3月18日に掲載した記事を再編集し、再掲することにした。
父が書き遺した備忘録の中に、天草のからゆきさんに関するものがある。
からゆきさんとは、江戸時代後期から昭和の前期頃まで、東アジアや東南アジアに渡って、娼婦として働いた日本人女性のことで、熊本の天草や長崎の島原出身の女性が多く、貧困にあえぐ農村や漁村の娘たちだった。
父がその実態を目の当たりにしたのは昭和11年、大矢野島の上村尋常高等小学校に勤務している頃である。義憤に駆られて校長や父兄たちに「人身売買」を非難したり、父が仮住まいする宿屋へやってくる女衒(ぜげん、人買い)たちとの攻防が綴られている。
今では全国的に知られている「島原の子守唄」も島原地方で歌い継がれていた子守唄をもとに、「まぼろしの邪馬台国」で知られる宮崎康平が戦後作ったものだが、この唄も実は「からゆきさん」がモチーフとなっている。
-----リフレイン-----
このラジオドラマ「ぬれわらじ」の脚本をずっと前から探していたのだが、このほど山鹿市教育委員会のご紹介で、この脚本を書いた山鹿市出身の民俗研究家で放送作家の木村祐章さん(S40年没)の御子息とのアポイントがとれ、後日、ご自宅をお伺いすることになった。先日、中村花誠先生にお会いした時、その話をしたところ、「愛の南十字星」の振り付けに込めた思いなど、興味深い話を聞かせていただいた。
そこで、2013年3月18日に掲載した記事を再編集し、再掲することにした。
父が書き遺した備忘録の中に、天草のからゆきさんに関するものがある。
からゆきさんとは、江戸時代後期から昭和の前期頃まで、東アジアや東南アジアに渡って、娼婦として働いた日本人女性のことで、熊本の天草や長崎の島原出身の女性が多く、貧困にあえぐ農村や漁村の娘たちだった。
父がその実態を目の当たりにしたのは昭和11年、大矢野島の上村尋常高等小学校に勤務している頃である。義憤に駆られて校長や父兄たちに「人身売買」を非難したり、父が仮住まいする宿屋へやってくる女衒(ぜげん、人買い)たちとの攻防が綴られている。
今では全国的に知られている「島原の子守唄」も島原地方で歌い継がれていた子守唄をもとに、「まぼろしの邪馬台国」で知られる宮崎康平が戦後作ったものだが、この唄も実は「からゆきさん」がモチーフとなっている。
♪さあさ踊ろよあなたと二人
輝く南十字星
星の下にもきらめいて
愛を語った十字星
二人朝まで 踊れや踊れ
輝く南十字星
星の下にもきらめいて
愛を語った十字星
二人朝まで 踊れや踊れ
-----リフレイン-----