矢板に家を建てた25年前
初夏には
林道に沿って
農道に沿って
山百合が咲き
その多さにびっくり感動
背負い籠に山百合を摘んで
部屋中花を生け
山百合の香りに包まれた
ところが
数年して山百合ブームがやってきて
山百合採りの県外ナンバーの車まで
目にするようになった
山百合の球根は市場に持っていくと一つ600円で売れるらしいよ
そんな話も耳に入るようになって
農家の人は抜いてきた沢山の山百合を
畑に野菜のように一列に植え
それらは一年で姿が消えた
そして直売所にも鉢植えの沢山の山百合が並ぶようになり
ネットでも栃木産の山百合の球根販売を目にするようになった
そして年々
初夏の山百合が咲き乱れる
里山の風景が遠ざかって行った
それから数年が過ぎ
人間の盗掘が収まると
次には動物による被害が始まった