のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.313

2014-11-25 00:00:53 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウ
の富士山見学ツアー その12



朝飯を食った後、今度は風光明媚な別のルートを使って、帰る予定だったが、医療班から緊急報告があった。リトルチャとチャタロウそして二人の老人の老化を示す指標に警戒ランプが灯っていた、クリスが指示していた細胞診断の簡易測定では、細胞老化が始まっている事が示されていた。


リトルチャとチャタロウは、人間で云えば、100歳をとっくに超えている歳なのに、冗談のように若々しい細胞だったが、急速に老化が始まっていた。人間たちも、二人の老人が変わってきた事を実感していた。


二人の主治医も久しぶりに会った時に、二人が若々しくなっていた事に驚いたが、それが今度は急速に前の状態に戻ってきつつある事を指摘した。


みんなにも、猫の変化はわからないが、二人の老人の変化には驚いた。朝あってみると、一晩で10年程ふけて見えた。


観光どころではなくなって、敷地内に急いで戻る事にした。バスの運転者さんは、警護の人たちと相談した。会社に連絡して、もっとも早く敷地に帰るルートを通って、帰る事になった。制限速度ギリギリで高速道路のすいている部分を経由して帰った会議している場合ではなくて、みんな席について、大急ぎで帰った。


敷地内の魔法は、敷地内から離れると三日目から消えていく事は、前から知られていた。ただ、クリスの薬で、それが延長されたか、又は改善している筈と簡単に考えていたが、クリスの薬で急速に若く、元気になった分も今度は逆に低下していくようだった。信じられない程早く帰った。

リトルチャもチャタロウも敷地に入った瞬間から、元気が蘇ってくる感じを痛感していた。二人の老人も急速に若くなっていった。その表情の変化は劇的とも云えるものだった。

クリスはリトルキャットアニマルクリニックの獣医さんに、ある指示を出していた。簡易的な細胞診断とは別に、径時変化毎に、サンプルを簡易冷凍庫に保存しておく事だった。


リトルチャが拾った小石は、リトルキャットファイナンシャルの若い奴らに運ばせていたが、それはリトルチャの元に返された。


ソイツは、法律には煩い奴だったので、ホテルに山に穴が開いて、危険だと言った。怪我したらどうすると脅し、小石貰うけど、それでいいかと聞いた

小石だろうと岩だろうともっていってもいいとホテルの支配人は答えたが、ダイヤの原石かもしれないよ、それでもいいと文書で示してよとまで言った。

煩い客だとも思ったが、本部にも連絡取って、文書も出した。リトルチャは飛びしてきた小石だけの積もりだったが、ソイツはタダならばと言って、もっと若い奴もつれて、台車一杯の石を集めてきた。

新しい子猫たち No.312

2014-11-24 00:00:45 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウ
の富士山見学ツアー その11


豪華な食事会

ここのレストランの料理は、そこそこだったが、伝統の強さか、料理の盛り合わせはさすがだった。目で食う料理でもあった。リトルチャたちの猫たちにも、色々な料理が数多く出た。少ない量だったが、品数は豊富だった。流石に、ボッタリのような値段に恥じない料理でもあった。

厳密には、香奈の家の隣のレストランと比較すると味の差はあるものの、香奈の隣のレストランは、料理の盛り付けには、たいして拘らないレストランだった。毎日食べて、あきない食事、栄養面での検討が中心だった。

みんな食事には満足して、その後は流石に会議も止めて、マージャンする人たちもあり、みんなのんびり過ごした。

翌日は、富士山の見える観光スポットをぐるりと回った。まさか、登山などは出来ないので、周りを見るだけだった。段々と景色にも飽きて、また会議なども再開して、運転手さんは直ぐに、ホテルに戻った。

予定より早く戻ったので、リトルチャは今度は公園を散歩する事にした。マタマタ、リトルチャは小石を蹴った、今度は山の斜面がドスンと穴が開いて、幾つかの小石が穴から飛んできた。リトルチャに拾えと云うようにリトルチャの回りに飛んできた。なかなかキレイな小石だったので、リトルチャは付き添いの奴らにそれを運ばせる事にした。

今度は、ブラジルから来た奴がホテルに言った。

我々が出資している会社で、山林の保全と環境を研究している会社があります。山で突然穴ができる事は珍しいのです。それに危険ですので、暫くは山に入る事は禁止して、そいつらに調査さましょう。すぐに派遣するようにします。

ブラジルとイギリスからきた幹部は、年寄りの世話役だったが、仕事もしている事も示したくて、色々と動いていた。

ホテルの飯は、連泊だったので、料理も少し変えていたけど、二日目となると、厭きるのは仕方なかった、二人の老人たちも、香奈の家の隣のレストランが、やっぱり旨いなあとか言っていた。

最初の日の驚きも感動もなくって、そこそこにして、又会議などを始めていた。リトルチャとチャタロウ、そして二人の老人は、少し体がだるく感じられて、医療班の診察を受けて、早く休んだ。

新しい子猫たち No.311

2014-11-23 00:00:11 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウ

の富士山見学ツアー その10






リトルチャとチャタロウたちの一行がホテルに到着したのは、比較的早い時間だった。バスの運転者さんも、風光明媚なルートを行くのがアホくさくなって、直線ルートに変えた。誰も風景を見ていず、会議ばっかりしていた。
会議するならホテルでしなよと云う積もりだった。




冶部ホテル伊豆は、全室オーシャンビューの豪華ホテルだったが、みんな海も少しは見たが、直ぐに会議を続行していた。



リトルチャは、仕事の方法には口を出さない主義だった。チャタロウが親切に色々と相談にのるのとは違っていた



リトルチャと二人の老人たちは、飯前に、海岸を散歩する事にした。老人たちの世話に派遣されていた幹部と側近も同行した。少しは金儲けに参加して、出資できるようにはしてもらったが、実際に活動に参加するよりは資金提供して、かすりを貰えば、それでよかった。



リトルチャは、海岸の小石を蹴ってしまった、蹴った小石が飛んで、突然海岸に穴が開いた。あいた穴から、黒い水が出ていた。

ロンドンの老人の世話に派遣された幹部は、国際石油資本に勤めていた事もあった。幹部は咄嗟に原油くさい感じがした。

幹部はホテルに早速言った、



危ないですよ、海岸が陥没しても事故が起きる事があります。海岸は出入り禁止にして、海岸の地質調査をする必要があります。我々が出資している会社に、地質調査している会社があり、世界的な権威があります。直ぐにスタッフを派遣するようにします。




ホテルの支配人も驚いて、ロンドンで世界的な権威のある地質調査会社に頼むのはいい考えだとおもって、海岸を立ち入り禁止として、その旨を本部にも伝えた。



この幹部の言った事は嘘ではなかった、確かに地質調査では世界的な権威ではあったが、特別な研究もしていた、原油汚染を防ぐ微生物も研究していた。

原油を食って、分解するのではなくて、細胞内に溜め込み、そしてクタバル、死んだ微生物を集めて、原油を再生して、原油汚染を防ぎながら、原油も再生できると云う研究だった。



リトルチャは結構大きな小石だったので、足を引きずりながら、ホテルに帰ってきた。海岸の小石もちゃんと掃除してもらわないといけないと言っていた。


リトルチャアニマルクリニックの獣医さんは早速診察したが、たいした事はなかった。なかなか気の利いた獣医さんで、「痛いの痛いのとんでいけ」と言った、リトルチャは子ども扱いしてと、怒り出す前に、本当に痛いのが治った。

新しい子猫たち No.310

2014-11-22 00:00:57 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウ
の富士山見学ツアー その9



冶部ホテルの伊豆は、元は洋之助の別荘のつもりのホテルだった。それを俊子はレストランとショッピングアーケードとを融合させて、偶々高速道路と近い事もあって、有名な名所になっていた。

冶部ホテルは高級ホテルだったが、この伊豆は、プライベートビーチと山を含む自分の公園も持っていた。そこは自然庭園のようになっていた。

暇も金もある人たちもいるのが不思議だったが、それなりに客もあった。

ただ週末とか夏場のシーズンは満員になるが、それ以外の日は稼働率の低いホテルでもあった。冶部ホテルの中では客室稼働率が一番低いホテルでもあった。ただレストラン街とションピングモールは地域でも有名になっていて、この収益は馬鹿にしたものではなかった。


リトルチャとチャタロウが、このホテルに泊まりたいと聞いて、香奈は俊子に泊めてやってねと頼んでいた。冶部ホテルではペットがドーノと云う規則はなかったが、一応ペット連れは断るのが筋だった。

この時は俊子も泊めてやってねと、支配人には言っていた。


支配人は考えた。泊めないといけないのは事実だったが、
金があるから、
香奈の家の猫だから

と云う理由は、普通の人には説得性が弱いと考えた。特別な人にだけ、別のルールを適用しては、今後マズイと思う程度の頭はあった。

ペットを連れて泊めないと云う部屋は限定して、その他の部屋はベットを泊めてもいいと云う部屋にして、ペット独特の匂いも消す、特殊なクリーニングもする事にして、ペット連れも歓迎する方針を作り、俊子はじめ、本部の了解も取り、ネットでも宣伝したり、今までのお客さんにも、説明したりしていた。

猫や犬用のオトイレまで用意するなどのサービス、猫用の高級カリカリを準備したり、いくつものドッグフードも準備したりしていた。


このサービスは好評になって、シーズンオフにも係わらず、泊り客が多くなった。リトルチャたちは、二つのフロワーをそっくりと借りていたので、空室はほとんどなくなっていた。


冶部ホテル伊豆はレストラン街の名店からルームサービスできる方法が評判になって、ホテルのレストランはなかったのも同然だった。それで経費が安くなっている一面も当然あった。


リトルチャ用のヒラメのムニエル リトルチャ風もレストラン街のフランス料理店に、香奈の隣のレストランが、秘伝のソースをリトルキャットファイナンシャルの奴にわたし、料理の方法まで付け加えていた。

元々、このレストランは、江戸時代の料亭から由来する伝統のある料理屋で、今はフランス料理などの西洋の料理がメインではあるが、初代冶部次平の時から料理屋だった。

今も恵の家系、つまり純子の長男筋が経営していた、冶部一族の料理屋であってジブホームレストランもこの系列の料理屋チェーンから、ジブトラストが買ったようなものだった。

香奈の隣のレストランからみれば、親分筋のレストランでもあった。ただ伝統はあるものの、料理人は伝統に胡坐を組んで、料理の質が低下していた。


それでもそこそこの料理は出来て、そこそこ旨く、値段はボッタクリと云える程高いレストランだった。

この時のソースの風味に驚いて、料理人が香奈の隣のレストランに修行にくるようになってこの料理屋の料理もやがては格段に上がっていった。

新しい子猫たち No.309

2014-11-21 00:00:44 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウの富士山見学ツアー その8

例の事業協力と海外での事業分担の話にはリトルキャット物産の社長も出席して昼食会では飯はそこそこにして、盛んに仕事の話で物上がっていた。

リトルキャット物産の社長は、海外にも話しないといけないし、万一の時のお留守番も必要なので、そこで、見学ツアーの一行とは別れた。

例の銀行の頭取も彼は、グループ全体の総括もしていたが、直接の担当ではなくて、仕事の話にはそんなに参加せずに、リトルチャと色々と話していたが、今日はこれから銀行に戻り、色々と考えたい事もあると言って、銀行に戻っていった。


バスの運転手さんは風光明媚な道を通って、冶部ホテルの伊豆を目指していた。最初はリトルチャもチャタロウもバスの窓から辺りの風景を楽しんでいたが、直ぐに飽きて、一階の事務センターで仕事の話に加わっていた。運転手さんが、気が付くと、二階の豪華展望ルームには誰もいない事すらあった。


それに医療班は、定期的に参加者たちの細胞診断をするようにと、敷地内の病院から指示を受けていた、敷地内では定期的に住民の細胞診断をしていた。老化の症状が出てこないかを熱心に観察していた。敷地から出ていって、帰ってきた時には、厳重な検査をしていた。もっとも100歳を超えた人に限定していた筈が次第に年齢層は下がっていった。


リトルチャとチャタロウのために随行していた、リトルキャットアニマルオフィスも同様に診断をした。猫の医療担当のボスのクリスが色々と細かい指示を出していた。こうした検査のために医療班をおとづれる事も必要だった。


二人の老人たちも相場以外の事ではあったが、自分たちの会社にも関係する事があるかどうかと話を聞いていた。これは派遣されていた幹部が息子の社長から、会長室の経費と東京連絡事務所の経費程度は稼ぐように考えなと言われていた事も原因だった。


相場師でも景色は直ぐにあきるが金儲けの話にはあきないのは不思議な事だった。