清太郎は、複雑に動いた。
冶部レーヨンの社長を呼んで、計画を聞いて、幾つかの変更点を要求した。
工場売却価格の最低価格を決める
工場を買い上げる会社には、従業員の雇用を維持する約束をしてもらう
工場売却の入札は、日弁連の会長も勤めた、悪徳弁護士を委員長にした第三者委員会が担当する。
工場売却で得た金のほとんどは、特別利益として、配当してもらう
悪徳弁護士は、名前が悪徳だけど、根性も悪徳で、捕まるような下手な真似はしない、単に金に汚い、金で依頼者も平気で裏切るような奴で、法律ゴロそのものだったが、世間で云う、所謂、悪徳弁護士ではなかった
紡績から派遣されている役員には、依然として計画反対を進め、多数派工作をしろ、紡績としては条件つけて認めたけど、それは表面的な事だと説明した
化学の社長とジブトラストの神太郎には、新しく会社への出資の協力を依頼していた。紡績が、結局この工場を吸収すると言った。
紡績の労働組合の委員長を呼んで、密かに話もした。紡績の労働組合の委員長は、冶部レーヨンの労働組合の委員長を訪ねて、こそこそと話をした。
紡績の労働組合の委員長は紡績では総務部の次期部長とされていて、御用組合と言うよりも総務部が労働組合みたいなものでもあった。今の総務部長は前の労働組合の委員長だった。
売却される予定の工場に、反抗分子たちの配転命令もでたが、不思議な事に従わない奴はいなかった、折角作った追い出し部屋は誰もいない部屋になった。
二郎は法務担当が長かったので、悪徳の名前を聞いて、怪訝に思った。なぜ、清太郎がアイツを知っているのだろう。顧問弁護士で親しい人に聞いても、悪徳は商法には強い、特に特許関係では海外法規まで詳しいので、我々も時々応援してもらいますけど、名前通りの悪徳ですよと言うだけだった。
洋太郎は、黙っていたけど、そんなまわりくどい方法をナゼ取るのか判らないと言った表情をしていた。
工場売却計画の役員会での投票はギリギリで、決まった。紡績と化学から派遣されていた役員は熱弁を振るって反対したし、思いがけず反対する役員たちがいた。前の社長は、紡績と冶部レーヨンの関係する子会社の社長になっている人だったが、独自に反対するように動いて、前社長子飼いの役員たちが反対した。紡績から派遣された役員に説得された人もいた。
工場売却の入札は行われたが、予定されていた外資の関係会社よりも丁度2割多い金額で入札していた会社が落札した。
工場売却の入札ルールは複雑で、一回目で2位よりも2割以上高い金額で入札するとそれで終わりだった。2割未満の差であれば、2位の企業は再入札の権利が生じ、もう一度高い金額で再入札ができた。それが次回以降の入札でも続く決まりだった。
落札の決まった会社は、名前はややこしい名前だったが、紡績と化学そしてジブトラストの連合で作った会社だった。結局、紡績が冶部レーヨンから工場を買って、特許を取り戻しただけの話だった。
しかも払った金は、回りまわって、ほとんどが落札した会社の出身母体に戻った。
冶部レーヨンの社長を呼んで、計画を聞いて、幾つかの変更点を要求した。
工場売却価格の最低価格を決める
工場を買い上げる会社には、従業員の雇用を維持する約束をしてもらう
工場売却の入札は、日弁連の会長も勤めた、悪徳弁護士を委員長にした第三者委員会が担当する。
工場売却で得た金のほとんどは、特別利益として、配当してもらう
悪徳弁護士は、名前が悪徳だけど、根性も悪徳で、捕まるような下手な真似はしない、単に金に汚い、金で依頼者も平気で裏切るような奴で、法律ゴロそのものだったが、世間で云う、所謂、悪徳弁護士ではなかった
紡績から派遣されている役員には、依然として計画反対を進め、多数派工作をしろ、紡績としては条件つけて認めたけど、それは表面的な事だと説明した
化学の社長とジブトラストの神太郎には、新しく会社への出資の協力を依頼していた。紡績が、結局この工場を吸収すると言った。
紡績の労働組合の委員長を呼んで、密かに話もした。紡績の労働組合の委員長は、冶部レーヨンの労働組合の委員長を訪ねて、こそこそと話をした。
紡績の労働組合の委員長は紡績では総務部の次期部長とされていて、御用組合と言うよりも総務部が労働組合みたいなものでもあった。今の総務部長は前の労働組合の委員長だった。
売却される予定の工場に、反抗分子たちの配転命令もでたが、不思議な事に従わない奴はいなかった、折角作った追い出し部屋は誰もいない部屋になった。
二郎は法務担当が長かったので、悪徳の名前を聞いて、怪訝に思った。なぜ、清太郎がアイツを知っているのだろう。顧問弁護士で親しい人に聞いても、悪徳は商法には強い、特に特許関係では海外法規まで詳しいので、我々も時々応援してもらいますけど、名前通りの悪徳ですよと言うだけだった。
洋太郎は、黙っていたけど、そんなまわりくどい方法をナゼ取るのか判らないと言った表情をしていた。
工場売却計画の役員会での投票はギリギリで、決まった。紡績と化学から派遣されていた役員は熱弁を振るって反対したし、思いがけず反対する役員たちがいた。前の社長は、紡績と冶部レーヨンの関係する子会社の社長になっている人だったが、独自に反対するように動いて、前社長子飼いの役員たちが反対した。紡績から派遣された役員に説得された人もいた。
工場売却の入札は行われたが、予定されていた外資の関係会社よりも丁度2割多い金額で入札していた会社が落札した。
工場売却の入札ルールは複雑で、一回目で2位よりも2割以上高い金額で入札するとそれで終わりだった。2割未満の差であれば、2位の企業は再入札の権利が生じ、もう一度高い金額で再入札ができた。それが次回以降の入札でも続く決まりだった。
落札の決まった会社は、名前はややこしい名前だったが、紡績と化学そしてジブトラストの連合で作った会社だった。結局、紡績が冶部レーヨンから工場を買って、特許を取り戻しただけの話だった。
しかも払った金は、回りまわって、ほとんどが落札した会社の出身母体に戻った。