のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.297

2014-11-09 00:00:51 | 新しい子猫たち 
清太郎の大紡績計画は

順調に進み始めた。






清太郎の新規事業計画も、営業センスのない紡績の連中では無理だったが、冶部レーヨンを解任された奴らは、営業畑の猛者たちが多かった。一気に新規事業計画は進みだした。



清太郎が考えていた通りの展開になったが、洋太郎は逆に不安になっていた。清太郎の能力を高く評価していたのは洋太郎だった。若い清太郎を社長にしたのも洋太郎だった。



洋太郎は、悪徳弁護士の話を妹の清香にした。



清香「悪徳は、弁護士のクズみたいなもので、アイツを日弁連の会長にしたのは、日本の弁護士たちがどれだけ腐っているかを現しているだけの話ですよ、商法や特許に詳しいと言っても、云っている事はほとんどへ理屈に過ぎない。



ウチの事務所ではアイツとは組まない。根性が腐っている奴と話すると、こっちの根性も腐ってくるのものなの。



神子が頼んでいる弁護士が、相手に悪徳がつくと、時間がかかるといって、悪徳に頼んだ事があるらしい。神子が本当の金だす相手と知って、急に態度変ったらしい。金で依頼者を平気で裏切る奴だからね。



その時に神太郎が神子の家に来て、悪徳を一目見て、ゴミみるような目をしたらしい。神太郎は相手の心が見れるらしい。心が洗われる相手はいても、心が穢れる相手はそうはいないので、悪徳は貴重な判断利用になるかもしれないですよ。



清太郎が悪徳と平気で話できるとすれば、清太郎の心は腐りかかっているかもしれないよ。兄さんも大変だね。」



洋太郎は、神太郎オフィスのアイツを思い出したが、アイツは神太郎オフィスの中核になってしまった、その時にアイツと紡績の研究所との間で調整していた丹羽を思い出した、紡績の研究所所長は研究者として、また技術コンサルタントとして丹羽を高く評価していたけど、丹羽には紡績の精神が強くあった、紡績の研究所長よりも、紡績の心を持っていた。



丹羽君に紡績の取締役になってもらい、あの子会社の技術担当副社長になってもらって、一度は根性が曲がった営業のアイツと清太郎の心を立て直してもらおうと洋太郎は考えた。



洋太郎は香奈に相談していた。



ジブトラストとしても紡績の株を持ってもらい、紡績の会社分析をして助言してもらい、丹羽をジブトラスト推薦の取締役として紡績に派遣してもらい、あの子会社の副社長にもなってもらおうと考えていた。



紡績は冶部一族しか株式は持たない完全な一族会社だったが、ジブトラストの会社分析も受けて、丹羽に紡績の心を逆に清太郎以下の役員にも示してもらおう。それでないと紡績の今後は危ないとまで洋太郎は考えていた。



香奈は、勝からロボット工学研究所の将来を託す若手と言われていたので、勝にも相談した。勝は自分がまだ元気だったので、時期限定なら仕方ないといって了解していた。それに化学に強い紡績の研究所を丹羽が知り、更に大きくなるいい機会になるとも思っていた。



ジブトラストとしても紡績に出資する事になったが、これが大変だった。紡績の総資産は驚く程大きいが、年間利益は少ない、しかも利益の中の営業利益は微々たるものだった。



ほとんどの利益は、研究所の特許ロイヤリティー、財務本部の運用利益そして、保有している株式の配当金、持っている不動産からの賃料、銀行に預けている預金の利子などから成り立っている会社だった。紡績としての配当は少ないし、株式として、利益を考えるから、評価額は非常に少なくなるし、総資産から割り出せば、高い金になる。



弁護士や会計士たちが考えて、紡績が全株式保有者たちに対して、無償で株式を増やした。紡績株は、洋之助と美佳の会が過半数の保有だったので、20%以上株式を増やしたので、10%近く、洋之助と美佳の会が手に入れて、丁度全株式の10%分をジブトラストに渡して、その代わりにジブトラストが、洋之助と美佳の会に、紡績の株式から得られる予想配当額に見合う、配当になるようにジブトラストの株式を渡す事にした。配当等価型の株式交換とした。株式は他人に売らない事も契約として明確にしていた。ジブトラストの配当は高配当だったので、ジブトラストの株式はそれほど増やす事はなかった。紡績は内部留保の金は、山のようにあったので、資本準備金が増えても痛くも痒くもなかった。



丹羽は、紡績の研究所には強い興味があったし、この新しい会社には将来性も感じて副社長と云うよりは、技術コーディネーターとして参加した積もりだった、丹羽研究室の何人かも、この会社の技術部兼任にもなって貰った。



化学もこの子会社の技術部に派遣していたので、丹羽は、化学の研究所とも協力する事にした、化学の研究所は、今ではバイオの研究がむしろ主力になっていて、丹羽の知見も広くなった。



丹羽は化学の会長宅にも呼ばれて、色々な話をして、化学の会長も丹羽の人格を褒め、この会社だけでなく、丹羽のジブ研究ベンチャーに化学としても協力していく事になった。