のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.308

2014-11-20 00:00:48 | 新しい子猫たち 
リトルチャとチャタロウ
の富士山見学ツアー その7

リトルキットファイナンシャルビルでの昼食会の前に、当然リトルキャットファイナンシャルの見学があった。

そこで、とんでもない事件が発生しかかった。バスの中で、色々と話をしていた事もあって、リトルキャットファイナンシャルの社長が率先して、リトルチャを案内する筈がセッカチのリトルチャが、先にピルの中に入っていった。

このビルは多くの企業が入っているピルなので、玄関先に、役員たちがずらっとお出迎えする事は、やくざみたいで出来なかったので、リトルキャットファイナンシャル直通のエレベーター前で役員たちは、お出迎えをしていた。


リトルチャは、デッカイビルだなあとキョロキョロしながら辺りを見ていた。そこに守衛のおっさんが、今日は偉いさんたちがくる日なので、厳重な警備体制をとっていた、猫がボスとは聞かされていないので、迷い込んだ猫をつまみ出そうとした。それがリトルチャだった。

リトルチャを知っていた、役員たちはあまりの事に、フリーズして動けなかった。一人必死の思いでダッシュして、今にもリトルチャをつかもうとしていた守衛さんの前に立った役員がいて、その役員の動きで、他の役員も慌てて、リトルチャを出迎えるように走った。

この役員は、リトルキャットエステートの社長も兼務する役員で、このビルは、このリトルキャットエステート名義で、いわばリトルチャグループでの不動産管理を担う部門の責任者てもあった。

リトルチャが、泥棒猫みたいに捕まえられる事はなかったが、役員たちはハラハラとしていた。リトルチャは知らない筈と思っていた

リトルキャットファイナンシャルは、いわば投資ファンドと持ち株会社、それに企画立案部門そして債権投資の部門などが複合している、金融資本そのものの会社であって、役員たち程度しかリトルチャを知らない人がほとんどであって、経営管理室は敷地内にも部屋があり、知っている人も当然いるが、他の部門はしらない人がほとんどだった。

他人の事など知ったことではないので、リトルチャが会社見学している時も、みんな金儲けに必死だった。

リトルチャも仕事内容は大体判っていたので、見学はそこそこにして、昼食会が開催される屋上のレストランに行った。

チビタロウは、リトルキャットエステートの社長に近づいて、そっとつぶやいた。

あの守衛さんは、ナニも知らなかったのでしょう、処分したり、注意したらいけないとドンは言ってます。僕が思うのに、あの守衛さんは、リトルキャットエステートの社員ではなくて、契約企業の警備保障会社の社員さんでしょう。ドンは守衛さんらしくなくて、猫好きの違う会社の定年退職の人みたいな気がするといってます。

ビル管理関係の経験があるかないか調べて、リトルキャットエステートに引く抜く事も考えなとも言ってました。このレストランにも出資してレストラン事業に進出すると聞いている。単に大家さんのビル管理ではなくて、ジブトラストみたいなビル総合開発の展開も考える時の大切な人材となるかもしれないともドンは言われてます、ご検討くださいといいながらチビタロウは自分の席に戻った。

リトルチャの得意な方法だった。単に思いつきの出資をビジネスにまで発展させてきたのは、今までもリトルチャの一言だった。昔はリトルチャが自分で言ったが、今はチビタロウに言わせ、自主的に事業を考えろと言っているのに等しかった。本当は、レストラン事業に進出する事は、金使うための窮余の一策だったが、頭の切れた奴をこのレストラン担当にして、今後のビル開発を進めろよとリトルチャは言っていた。それが頭の切れた奴がレストラン担当になった原因の一つでもあった。

折角の資産を有効に使えよ、展望だけの売り物のレストランで、家賃貰うだけでは儲けが少ないよと言っていたのだった。

それに守衛のおっさんが、大きなビル管理会社の部長まで勤めて、喧嘩して辞めた人とは流石にリトルチャは知らなかったが、このオッサンはやがて、リトルキャットエステートに入り、この付近のビル開発を進めるようになったのもリトルチャは予測したものではなかった。