のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.291

2014-11-03 00:00:42 | 新しい子猫たち 
丹羽は、実はもう単なるジブ総研のロボット工学研究所の一室長ではなくなっていた。ジブ研究ベンチャーの役員にもなったし、ジブ総研ではなく、本当のロボット工学研究所の役員にもなっていた。

勝は、丹羽を次世代のロボット工学研究所のリーダーとしてみていた。

そんな丹羽を見込んだ、人が他にもいた。

紡績の子会社の技術担当副社長になって欲しいと云う話があった。

紡績の子会社は、ゴロゴロあったが、冶部レーヨンはビックな上場企業と言えた。海外にも工場があり、世界の冶部レーヨンとか言われていた。冶部レーヨンは、洋之助が作った会社だったが、一部は化学にも出資を受けて、快適も出資していた、上場騒ぎで他の会社は大きく売ったが、紡績だけは、過半数の株式を持ちつつける事を条件として、当時の紡績の社長だった二郎が、上場を認めた。清太郎は、冶部レーヨンはむしろ紡績に吸収したいと思っていたが、それが叶わなかった。


今は化学繊維だけでなくて、各種の方面に進出していた。二郎は冶部レーヨンにはなぜか好意的だった。紡績にはしがらみが多い、冶部レーヨンにはそのしがらみを断ち切って、大きく伸びて欲しいと上場の話にも積極的に賛成していた。


清太郎はいつの日か、冶部レーヨンを吸収して、大紡績にしたいと云う考えがあって、紡績としての株式保有比率を過半数維持を条件とする事を主張し、洋太郎は清太郎を高く評価していたので、その考えに賛成していた。


冶部レーヨンは、持ち株としては保有比率の低い、ジブトラストと化学そして快適が大きく株を手放す事でようやく上場の条件を満たしていた。二郎が積極的にみんなを説得していた。


ジブトラストや化学などにとっては、上場益なんぞは今はセコイ金だったが、二郎の説得で手放したと云えた。快適の聖子は、二郎のする事でもあったし、実際に金も入り、冶部レーヨンとの現地合弁工場での快適の株式保有比率を上げる事を条件として認めた。入ってきた金は、敷地の外側の快適の実験農園に化けていた。