ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

甲斐よしひろ語り下ろしライナーノーツ(2018年)2

2021-04-30 15:04:00 | メディア
「それから、去年、甲斐バンドでやったツアーがすごいテンションで
異様に盛り上がって、大評判だったから
もちろん、そのこともちゃんと受け止めつつのステージになります

ただ、去年のあの盛り上がりというのは
この編成で、毎回挑戦的なアプローチでやっていたことが
少なからず影響してると思ってるんですよ
しかも、その合間に『愛のろくでなし』ツアーも挟み込まれてたでしょ
その流れが大きかったんじゃないかな」と甲斐さん

まあ、そのおかげで、甲斐バンドのオールタイム・ベストと
ビルボード・ツアーの選曲が同時期に重なり
ソロとバンド両方のセットリストを考えることになって
海外逃亡(笑)なさったくらい悩まれたみたいですが…(苦笑)

…で、その2018年のセットリストについては
「語り下ろしライナーノーツ」でも触れられていて…
「1曲目『愛のもえさし』の鈴木健太は、もう自信に満ち溢れてます
2016年1曲目の『街灯』も素晴らしかったけど
ここでの彼のフィンガリングは、完全に確信がある弾き方です

次の『涙の十番街』も『これ、やるんだ!?』という驚きも含めた反応があったし
そういう風に、驚きと共に味わい深いサウンドを楽しめるというのが、一番いいと思うんです
こういうシリーズ・ライブの本領発揮という感じの演奏だと思います

3曲目『昨日鳴る鐘の音』は、甲斐バンド最初期の曲ですが
その時期の甲斐バンドに踏み込んでも、オリジナルに負けないやり方を見つけてますね
2年目、3年目を経て『解体と再構築』ということの手応えが、ここで完全に表れている
このシリーズにおける独自性が、見事に発揮されている演奏です」と話されてるんだけど

「今回のコンセプトをきっちり実現するには
先鋭的な感受性を持っている
僕がやりたいサウンドのイメージを理解できるプレイヤーが必要だった」という甲斐さん
その立ち上げから携わっておられる鈴木健太さんは

「甲斐さんとやってると『もっとオマエら、ついて来いよ!』みたいな牽引力をすごく感じるんです
こちらも、まず気持ちがしっかりついて行かないと、太刀打ちできないというか
『歌を支える役目だから控えめに』みたいな気持ちじゃダメなんです
こちらも同じくらいの気迫で臨まないと支えられないんですよ」とおっしゃっていて

これは、甲斐さんと松藤さんが「コーラス」について話されていたこと…
「近くで合わせようとするんじゃなくて」
お二人が立っておられる、その正面の「ずっと先の方で重なるのが正解」
…と同様に、全力でぶつかり合わないと
良い音楽、良いステージにはならないということでしょうね?

ちなみに…鈴木さんは、甲斐バンドのライブをご覧になった時に
「甲斐さんのお客さんは、音楽をよく知ってますよね
バンドの演奏に、お客さんは曲ごとの色に合わせて、色んな反応の仕方をしてるんですよ
すごいなあと思いました」と驚かれた一方で

「そういうお客さんが、今回も『どれどれ?』という感じで集まるんだと思いますが
『まあ、見てなさいよ』というくらいの自信はもうあります(笑)」とも話されていて
前述の甲斐さんの「語り」にあったように
「解体と再構築」に関して「独自性」を編み出されたことから来る
「自信に満ち溢れて」いらしたんじゃないかと…?

ともあれ…甲斐さんが「去年の時点でもう出来ると僕は思ってたんです」と話されたほど
この「新しい扉を開いてしまった」チームが、更なる高みを目指しておられるところへ
いきなり高いハードルを課せられた感じで、新たに加入なさった山田拓斗さんは
「1ヶ月前の打ち合わせで、しっかりとメンバーと方向性を共有しました」
…とツイートなさってましたけど、甲斐さんもスペシャルインタビュー第3回で…

「僕はどんなツアーでも始まる1ヶ月くらい前に全員で集まって、1回打ち合わせをやるんです
曲を聴きながら、必要なら譜面も見ながら、ちゃんと頭を整理して
曲ごとに『これはどういう方向性が正しいのか』という話をして
そこで全員の方向性を一致させるんです
そうしないと、曲によってはアプローチが幾つか考えられるから
やりようが判らないということになったりするんですよね

だから、その1ヶ月前の打ち合わせというのは、ものすごく大事なんですよ
そこでしっかり話しておけば、実際に楽器を持ってリハーサルに入る時には
みんなの頭の中は全ての曲に対して、すごくクリアになってますから…

ちなみに、僕の中では、そのさらに1ヶ月くらい前から、具体的な作業が始まってます
セットリストをだいたい決めて、曲ごとにどういう戦略でやればいいかということも考えて
それでみんなで集まるんですけど、僕一人で考えて決めたことは、あくまで仮の決定なんですよね

そこも大事です…というのは、みんなで集まって
そこでメンバーから出た意見にみんなの方向が合ったら、そっちの方がいいから
ハリルホジッチみたいに選手の判断を奪っていくような決め方はダメなんですよ
監督がやるべきは大きな方向性を示してあげて
それを基盤に個々の人間性やカラーを織り込んでいくということですから
それを受けて、今度は選手が自分なりに考える訳ですよね

僕らのバンドで言えば、打ち合わせからリハーサルまでの3週間くらいの間に
メンバーそれぞれがやってくる訳です
その上で、それでもまだやってみないと判らないところがあるから
それをリハーサルで決め込んでいくんです

だから、良いミュージシャンというのは、実際に音を出すまでは
完全に決め込むということをしないんです
僕の立場からすれば、メンバー個々が持ち合わせているものを上手く使わないと
そのプレイヤーも生きないし、全体のアンサンブルもつまらないものになってしまうから」

…と話されていたし、件のミーティングさえ、きちんと行われれば
古参も新規加入も関係ないんだなあと…
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