ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

甲斐よしひろ語り下ろしライナーノーツ(2016年)2

2021-04-13 14:29:00 | メディア
甲斐さんは、5曲目の「500マイル」に触れられたあと
「7曲目の『夕なぎ』は、最初にこのメンバーでやった時
この曲は生ギターで作ったことを思い出しました(笑)
加えて、せっかく歌える女性フィドラーが入った訳だから
女性コーラスを上手く使える曲も入れたいなとも思って…」と話されてますが

6曲目には、甲斐さんのソロアルバム「翼あるもの」のアナログ盤には収録されなかった
…(CD化の際には収録)…「卒業」が挟まっていて
この曲では、ベチコさんのフィドルと甲斐さんの歌が絶妙に絡み合い
しっとりと落ち着いた雰囲気の中にも、独特な緊張感のある1曲になっていたそうです

特に、ベチコさんが甲斐さんとアイコンタクトを取られる際の「目力」がハンパなかったらしく
…って、左側の顎下にフィドルを構えていらっしゃるので
「横目」や「上目遣い」になってしまうんだろうなと判ってはいても
甲斐さんと呼吸を合わせることに集中なさっている時の目は
獲物を狙う猫科の猛獣みたいだったんだとか…(笑)

鈴木健太さんも…「2016年にやった『卒業』は、すごく印象に残ってて
あの緻密さというのは、僕が今まで経験したことがないスリリングさでした
あの年は『ブラッディ・マリー』なんかもやりましたけど
でも、演奏する側にとっては『卒業』の方が、よほど難しいというか
気持ちがキュッとなる感じがあるんですよね」…と振り返っておられました

もっとも、甲斐さんは、この年の「夕なぎ」について…
「この曲は、今まで何度かやったことがありますが
オリジナルも含めた中で、これが一番良く出来てますね」
…と、おっしゃっていて、かなり思い入れがおありみたいですし

木村将之さんも…「ああいう形のツアーに参加するのが初めてで
その1年目の曲はどれも印象が強いんですけど
1曲強いて選ぶとすれば『夕なぎ』でしょうか
あの曲のベースラインは、全ての力量がバレてしまうというようなラインなので…
『これは、すごく試されてるな』というフレーズで…フレーズ自体はみんな知ってますから
それをいい感じでやれて、自分としても達成感みたいなものを感じる曲でもありました」

…と話されているんだけど「試され」て「全ての力量がバレ」た結果
過去最高の出来映えの「夕なぎ」を聴かせて下さり
甲斐さんは、最強のグルーヴマスターをメンバーに擁されたってことですよね?

オリジナル甲斐バンドに思い入れのある我が家の住人にとっては
「ブラッディ・マリー」と同様に「胸キュンナンバー(笑)」だったようで
甲斐さんが、ステージの両端まで歩きながら、客席を覗き込むようにして
観客を煽っておられるのを見て、思わず立ち上がったら
いつの間にか足元にかがんでいらした、ブルーノートのスタッフの方に
スカートの裾をつまんで着席するよう促されたり(笑)

開演前に「『夕なぎ』で立とうね!」と、何度も念押しして来た甲斐友さんが
いざ「夕なぎ」が始まると座ったままで、まさかの放置プレイを食らったり(笑)
のちに聞いた話では…「あの人が立ち上がるのを確認してから立つことにしてる」
…と、奥さんの様子を窺っていらした方々もおられたらしく(笑)
曲自体より、スタンディングに関する諸々の方が印象に残っているそうです(笑)

それはともかく…「終盤、前年1人でやった『冷血』をバンドでやり
『円舞曲(ワルツ)』は、前年から更にブラッシュアップして
その2曲が、すごく上手くやれたので、僕の中ではもう『風の中の火のように』か
『破れたハートを売り物に』のどちらかは、やらなくても良かったなという気持ちになっていたし
新たな意欲に火をつけるステップにもなってます」と甲斐さん

このバンドでやった「冷血」2016年バージョンは
「これまで、ミックスが終わった曲を聴くことはなかったんだけど
この曲は毎日聴いてますね」と話されていたくらい、気に入っていらしたそうで
もちろん、奥さんも狂喜乱舞で大暴れしたみたいですが(笑)
いつの間にか、甲斐さんよりもベチコさんのプレイに目を奪われるようになっていたらしい(笑)

「夕なぎ」から「冷血」「円舞曲」「風の中の火のように」「破れたハートを売り物に」と
声が嗄れるくらい歌い踊り(笑)束の間の休息を挟んで
アンコール1曲目は、奥さん待望の「黄昏に消えた」
40周年の甲斐バンドツアーで、チケットと共に配られたマキシシングル
全3曲の内、唯一ライブで演奏されていなかったこの曲を
「次こそ!次のツアーこそ!」と待っていたため

ツアー開幕前にリハーサル写真がアップされた時
そこに写っていた楽譜を拡大し、ピンぼけになったそのタイトルに目を凝らし
「字面」だけで「そうじゃないか?」と期待する自分を
「イヤイヤ、気のせいかも知れない」と戒めていたみたいで
何の前振りもなく、いきなりこの曲のイントロが流れて来た途端、テンションMAX(笑)

甲斐さんは、前年の「冷血」と同じくアコギの弾き語りをなさるおつもりで
「最初は一人でいいって言ったんだけど…」とおっしゃったそうですが
メンバーの皆さんが1人、また1人とステージに登場される形に変わり
間奏の時に、後ろに勢揃いなさっている皆さんを振り返られ
満更でもないご様子だったんだとか…(笑)

更に、甲斐さんと鈴木さんが、サビの部分を1本のマイクで歌われる仕様に変わったらしく
ボーカルとリードギターの「頬寄せデュオ(笑)」に目がない奥さん萌えまくり♪(笑)

仕様変更した当初は、鈴木さんが緊張した面持ちで、甲斐さんに近づいて来られていたのが
甲斐さんが「早く来いよ!」と言わんばかりに(笑)左半身を開かれてお待ちになったりすると
いそいそと進み出られるようになって(笑)
その内、笑って見つめ合うお二人の密着度が高くなり(笑)
いつぞやの土屋公平さんの時みたいになっちゃうんじゃないか?と勝手にドギマギ(笑)

そうそう!開演前に、鈴木さんのバンジョーのネックに亀裂が入ってるのが発見され(汗)
木村さんのお知り合いの方からお借りしたバンジョーで、急場をしのがれた際には
「『黄昏に消えた』が無くなるトコだったの!?」と焦ったり(汗)
CD音源の収録のためなのか?甲斐さんと鈴木さんが、それぞれのマイクの前で歌われた時や

シューティングがあった日には、甲斐さんの後に鈴木さん→木村将之さん→ベチコさんと
順番に登場されるタイミングが遅めになっていて
1コーラス目は、甲斐さんお一人での弾き語りに変わり
甲斐さんと鈴木さんのツーショットが「2甲斐だけ」に減ったことや
密着の仕方が甘くなったことを残念がったり(笑)
…って、どんだけ寄り添いフェチなんだ!?(笑)

それはさておき、次の「安奈」は…「もういいんじゃない?って思った(笑)
そういう話があるのも知ってます(笑)
スタッフにも『もういいんじゃないですか?』と言われた(笑)」と甲斐さん(笑)
でも、ご自身もプライベートでライブを観に行かれた際に
「好きな曲が2曲しかなかった(苦笑)」ご経験がおありらしく

「久しぶりに(ライブに)来た人のために歌ってあげたいと思って…
みんなと一緒にやろうと…「安奈」存続を決められたものの
俺は歌わないけど(笑)生バンドで歌うってイイだろ?俺も楽だし(笑)」とのお言葉通り
回を重ねるごとに甲斐さんの歌われる部分が短くなって行ったみたいです(笑)

そういえば、次の曲がホントに「安奈」だとはご存知なかったとおぼしき方から(笑)
「『安奈』やって!」との声が上がった時に
甲斐さんは「近いからって、何リクエストしてる?(笑)
あの一角(と声がした辺りを示され)カンジ悪いなあ(笑)」と返されたそうだけど(笑)
「久しぶりに来た人のために歌ってあげたい」という甲斐さんの思いが
ちょっとヒネッた形で報われたってことですよね?(笑)

そして、大ラスは、このシリーズのテーマソングとも言うべき「吟遊詩人の唄
甲斐さんによれば…「まずは拍手と手拍子、歌うのはその次(笑)」…というのが
「正しい観客の在り方」だそうですが(笑)
この曲に関しては、譜面上、演奏をブレイクし観客に歌わせる部分が終わって
再び、弾き始めようとなさった木村将之さんを
甲斐さんが「まだまだ」と押しとどめられるシーンも見られたんだとか…

この年のセトリ14曲中、7曲が前年から引き継がれてますけど
前年に、この新たなシリーズのツアーを実際に行われてみて
「松藤がヤキモチ妬いてる(笑)」と明かされたくらい
鈴木さんが甲斐さんの期待以上のパフォーマンスを披露なさったことで

欲が出た…というか、もっともっとやれる!と確信され
新たなメンバーをお迎えになった、この2016年のツアーが
実質上、このシリーズの本格的なスタートとなった訳ですし
同じ曲を更に進化させたり、あるいは全く違う形に変えて
もう一度、ステージに挙げてみたいと思われたのかなあと…?

その鈴木さんは…「昨年に引き続きメンバーとなった、その理由をしっかり証明したい」
…と、おっしゃってましたが、このスタイルに適したアレンジを提示なさることはもちろん
甲斐さんの意図されるところを、木村さんとベチコさんに伝えるバンマス的な役割も担われ
甲斐さんの立派な相方(笑)、イヤ、相棒になられたみたいですし

甲斐さんも「この2年目で、僕が思っていたより早いペースで
ビルボードのスタイルは出来上がったと感じました
それに、メンバーのみんなも自信をつけたので
次の年にはもっと意欲的なセットリストで臨める確信を得ていました」と結ばれていて
この2年目があったから、今のビルボードツアーがあると言ってもいいんじゃないかと…?
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