あの大学の図書館の前に、二人の白人女性、一人はカトリック禅の道場・神冥窟で知り合った、東海岸のWASP,
「わたしのおばが詩人なんです」
「・・・」
「およみになりますか」
「うんにゃあー よまねえー」
ニンゲン、いじめられ続けるとひねくれる、
「もらっておけばよかった」
二人は、図書館を見学したいらしい、
「見せてやればいいだろう いじわるはするもんじゃあないよ」
「・・・」
「海山こえて来たんだ」
「かっぱらわないように見ていてやるから見学させてやるといい ドーゲンだって そーするよ」
「ううう 聞いてきまーす」
ここだけがワタシの世界、ワタシの青春、ワタシの王国、1年間のバイトも学費を払うといくらも残らない、学僧に言うと、
「ぼくは家(寺)から振り込むから そーゆーハナシは わからない」
このオトコ、漢文が分からないと聞きに来る、ところがお礼のひとつも言わない、
「それが この男の 道元禅だった」