ニッポンの津々浦々にフシギナな風習があった、それは、実をつけなくなった柿の木に着飾った子供をのぼらせ、木の根元では、ギラギラに研いだカマを持った大人が、
成るか 成らぬか
成らねば 切るぞ
すると、子供が、
成ります 成ります
ところが、こうすると、
「その秋 実をつける木があるんです」
原始道教の脅迫信仰は、山川草木にまで及んでいるということか・・・
これが分からなかった、ところが、ある日、ヨコハマの老人が、
「木をいじめると 実をつけるようになるコトがあるんですよ」
「木が覚醒するのか 養分が根に行かないで 枝に回るのでしょう」
天地を支配するという原始道教の巧妙で狡猾なカラクリだ、
「これが そのひとつなんだろう」