blog-cafe

マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

無人販売店

2008-07-28 13:50:11 | Weblog
 全国的に35度とか37度とかの猛暑が続いているという。
 
 この炎天下.....混雑する電車で通勤されている方、休みなしの学究生活を過ごされている方、24時間介護に頑張っておられる方、家庭菜園の草取り、海岸での昆布拾い、ハウスクリーニング、バイクツーリングなどに余念がない方々......
お仲間がた、夏はまだまだ終わらない!
暑中お見舞い申し上げます!

             

 この時期、我が家の近辺には『野菜の無人販売店』がいくつかオープンする。
早朝もぎ取ったばかりのみずみずしい野菜が、ひと山50円から100円で売られている。
スイカや苺やメロンも並ぶし、山菜・手作りの漬け物・保存食などを販売するグルメな店もあるのでとても重宝している。

 自分で買い求めた分を計算して空き瓶や箱に代金を入れる。
誰も見ていないので料金を入れたかどうかは分からないし、代金を盗もうと思えば簡単に盗むことも出来そうだ。
これは、あくまでも売り手と買い手の信頼関係、人間の善意だけを前提にして成り立つ商売である。

 中国人留学生に『無人販売店』の話をしたら
「そんな商売は、中国では絶対に考えられません!」
とビックリしていたが、中国ばかりではなく世界中のどこを探しても、無人で商売が成立するなどという秩序が保たれている国はそうそうないに違いない。
 
 私の記憶では、この商売は25年くらい前のバブルの頃から流行し始めた。
市場に出せない規格外の野菜などを、安い価格で近隣の人々に提供したのが始まりだった。
最初は出荷出来ない野菜の処理が目的だったが、消費生活の意向とも合致して評判が高まった。
自分の敷地内であれば、このような小商いをしても問題はないらしく、農家のお年寄りたちのちょっとした小遣い銭稼ぎにもなるので、農家はこぞって『無人販売店』の実施を試みた。
内容もどんどん充実してきた。

 しかし人の善意ほど危ういものはない。
料金を払わないで持ち去るものがいるのはもちろんのこと、車で来てすべての野菜をかっさらっていく不心得者も登場する。
農家側の盗難対策も無防備ではあるが、このようなことが毎日続くと農家の怒りと絶望の度合いは深まる。
当然ながら『無人販売店』は最近減少傾向にあり、残念な思いをしているのは私だけではないはずだ。

 果たして入金率がどの程度か、機会があれば農家の人に聞いてみたい。
入金率の割合が、日本人の善意の度合いを測る尺度になるかもしれない。
性善説・性悪説の実証にも最適の命題となるのではないだろうか?