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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

同級生

2009-04-30 10:00:00 | Weblog
 北海道から高校時代の友人S嬢が、今年退職したばかりのご主人との『みちのく桜巡り』の旅の最後に盛岡に立ち寄った。

 盛岡駅前のホテルに一泊して帰途につくと言うので、忙しそうな旅程ではあったが夜八時を過ぎた頃訪ねていった。
静かなホテルのレストランで、懐かしさのあまり(半年前に会ったばかりだが)大声でおしゃべりに興じるおばさんふたり。
それにしても私たちの会話は
「ほら、あれよあれ!」「それ!それよ!それって何だったっけ?」
イメージは共有しているのだが固有名詞が出てこないもどかしさ.......
やたらと指示代名詞ばかりの会話になっている。


            


 彼女からのお土産の牡丹色の薄手のプルオーバー。
彼女は時々、思いやりのこもった衣類のプレゼントをしてくれる。
母親が亡くなってからは、誰からも洋服なんて買って貰うことなんかないのですごく嬉しい。
「くすんだ色合いのものばかり着ていては駄目よ!」
と言いながら手渡してくれたが、そう言う彼女自身の服装は結構地味でくすんでいた。 
 
 40数年前のS嬢は、色白でほっそりと儚げな美少女だった。
きっちりと三つ編みにした長い髪、セーラー服がとてもよく似合っていて、いつも静かに本を読んでいた。
だから私の中の彼女のイメージは夢二!......ではなくこれ↓


           

 なぜ金閣寺かと言うと.......

 当時彼女が、高校の文芸誌に寄せた三島由紀夫の『金閣寺をめぐって』という文芸評論がとても強く印象に残っているから。
高校生とは思えない優れた見解と文章で、今読んでも感心する出来栄えだ。

 三島文学の代表作『金閣寺』は、昭和25年、実在する青年僧による金閣寺放火事件を題材にした長編小説。
S嬢は、つてを頼ってこの青年僧が親しくしていた学友に手紙を書き、青年僧が、何故金閣寺を放火する心境と経緯に至ったかの解明を、書簡のスタイルで書き上げた。

 この彼女の着眼点と実行力には驚かせられた。
私は今でも時々、この40年前の文芸誌を取り出して読むことがあるが、はたして彼女は覚えているだろうか?
ちなみに私は大江健三郎の『個人的な体験』の感想文を寄せている。
当時の田舎の女子高生たちは、なかなか頑張っていたのである。

 そして現在、元文学少女たちの話題の中心は......

 夫の退職金の運用方法を熱く語る彼女と、真剣に耳を傾ける私。
なんだか彼女がすごくお金持ちに見えてきて........やっぱり金閣寺のイメージにぴったりだ!



 


あかね空

2009-04-27 11:40:00 | 読書

           
                
  山本一力 【あかね空】 文藝春秋 H13年

 2002年の直木賞受賞作。
背景となる年代は江戸中期寛政の改革の頃。
京都の豆腐屋で修業のあと、江戸深川で豆腐屋を開業する永吉とその妻、子どもたち、家族を取り巻く事件や家族を支える人々を描いた人情物語。
家族間の愛憎やそれぞれの心の葛藤が温かみのある視点で表現されている。

 市井の人々の暮らしを描いた時代小説はあまり読んだ経験がないので、この小説は新鮮な読後感をもたらした。
現代小説では、日本人の心の深層に流れる「人情」という情調を描くことはなかなか難しい。
時代小説だからこそ、貧しい暮らしの中で他人に金銭を施したり、困っている人に無償で力を貸すことなどの、人としての自然の営みをおおらかに描くことが出来るのではないだろうか。
この物語の中にも、そのような気の良い人物が数多く登場する。
もちろん親切な大家さんや長屋の店子も........

 ということで『夫VSたな子』の物語のその後。

 古びた実家を『ゼロゼロ物件(敷金・礼金無し)』で貸家にしたところ、やっと我らのチェックにパスして入居することになったたな子嬢。
しかし早一ヶ月目から家賃が支払われず困惑したことは既に書いた。
参考→【夫の苦悩】【春の嵐

 なんとたな子嬢、約束通り給料日に一ヶ月分入金してきて、ひとまず我らは胸をなで下ろした。
しかし前家賃制なので、まだ一ヶ月分が未払いのままだ。
たな子嬢の月収では、家賃二ヶ月分を一気に支払うことがいかに困難なことかは推測できるが、何としても今月中に未回収分を回収しなくてはならない。
どうしたらよいだろうと考えていたら......夫が突然
「このままではたな子も大変だろうから、前家賃制を破棄する!」
と言い出し、さっそくたな子に電話をかけた。
確かにたな子嬢はとても楽になる......。

 夫のこの裁量を、優しい大家の人情深い行為と見るか?
または戦わずして白旗をあげた大家の権利の放棄と見るか?

 電話口のたな子嬢は、この申し出に一瞬息を呑んだ。
しかし、このたな子嬢は案外立派な店子である。
「心配かけてすみません。遅れている家賃は必ず今月中に払います。」
と夫の申し出を断ったのだ。
そして、今まで狭いアパートで苦労してきたが、現在は子どもたちに独立した子ども部屋を与えることが出来、みんなのびのびと快適に暮らしていると、夫が一番喜ぶことを言ってくれたのである。
そして.......数日前、たな子嬢は約束を守り残りの家賃を入金した。

 ※ご心配をおかけしました。今月はなんとかクリアしました。
我らの心も『あかね空』です。

 


全国学力テスト

2009-04-23 10:30:00 | Weblog
 4月21日、文部科学省の全国学力テストが、小学6年生と中学3年生を対象に各地で一斉に行われた。
毎回結果の公開・非公開が争点となる例のテストだ。
新聞紙上に問題と解答が掲載されていたので覗いてみた。
昨今どこのテレビ局も教科書クイズ番組流行りで、日本人の基礎学力が大いに問われている時代だ。
↓は中学国語A問題。私にも出来るかな?

【問題文】
             


『これは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナ・リザ」という絵です。この絵の特徴は、どの角度から見ても女性と目が合います。』

この絵の特徴は、どの角度から見ても女性と目が合います。」は「この絵の特徴は」と「目が合います」との言葉の関係が不適切です。この文の内容を変えないように、「合います」の部分を適切に書き直しなさい。
              
             ※

             ※

             ※

 あら~、最初の問題からもうつまずいた。
確かに......文章のニュアンスはなんかヘン。
でも不適切な関係だと指摘されなければ見落とすし、私なら「ちょっと幼い文章ね」で、通常済ませてしまう程度のことだ。
しかし学力テスト作成に当たる大先生方は、決して曖昧な問題を出したりはしないだろうから、この文章には国語として絶対的なミスがあるのだろう。
でも私の適当な感覚は、テストを前にしても正常に戻らない。

 それよりも例文の、誰がどのような女性と「目が合う」のかが説明されていない点がとても気になる。
私なら例文をこう修正する↓
この絵の特徴は、鑑賞者がどの角度から見ても描かれている女性と目が合います。」(大先生たち、お許しを!)

 ためしに夫に問題を見せてみたら.....なんと、夫はすぐに正解した。
「凄いじゃない!」と誉めたら
「かってオレは、文法王子と呼ばれていた!」だって。 はぁ~ん?

 で、正解は「目が合います」を「目が合うことです」にすること。
正確な日本語が求められているということなんだなあ。

 でも.........
「ボス!この容疑者の特徴は、犯人の写真とぴったり目が合いますぜ!」
って言わない?
ああ、目が合うの意味が違うか.......???



メールの効用

2009-04-21 14:30:00 | 中国語
 
           



 北京に短期留学したK嬢から携帯メールが届いた。
ピンぼけで恐縮だが、日本の漢字だけを使って書いた中国語メール。
例えば冒頭の一行は
我来中国以后己経12天了。
私、中国に来てもう12日過ぎてしまったわ。
という意味なのだが、この文章には重要な動詞が1個抜けている。
我らの仲間は皆、動詞を抜くのが得意技だ。
仲間うちでは理解出来ても中国人には伝わらない。
K嬢にはこの弱点を是非克服して帰国してほしい。

 中国の漢字は簡体字という簡略化された文字で、日本人が現在使用している漢字とは異なる。
しかし同じ漢字もたくさん存在する。
この携帯電話でのえせ中国語メール、一時爆発的な大ブームを巻き起こした。
もちろん一部狭小地域だけでのお話だが.......仕掛け人はワタシ。
携帯電話を使って、中国語でメールのやりとりをしよう!

 仲間だけではなく、ちょっと中国語を囓ったことのあるH嬢・M嬢、それに我が夫まで参加して、あやしげな中国語メールが自由自在に飛び交った。
誰もが漢字を使った、おもしろ新ゲーム感覚を楽しんでいたと思う。
漢字を並べれば中国語だと思っている不届き者もいた。

 また我らは、携帯の辞書機能を利用して独自の中国語辞典を作成した。
自分の辞典にない漢字は、他人の辞典からコピー・ペーストしたりと、高齢者集団にしては、携帯機能をフル活用し実によく頑張った。
日本語にない漢字はピンインという発音記号で代用した。
日に何度もメールが来るので、中日辞典・日中辞典を引く回数も激増し、語彙数や表現力も確実に高まった。
しかしブームは徐々に下火になり、残念ながら現在は、私とK嬢が時々やりとりするくらいである。

 今月から中国語教室に新しい講師が登場した。
彼女は開口一番
私は中国語でしか話をしません。日本語は禁止です!
我らにとっては驚きの宣言をし、事実その通りに授業を進めたので非常に緊張した三時間だった。
内容のほとんどは理解できなかったが、講師の熱意に感動した。
レッスン終了後、久しぶりにみんなの顔にも疲労感と充足感が浮かんだ。

 中国語メールを再開させようと決意も新たに帰途についた私。
車中でいつも大音響で聞いている三大テノールのCDを外し、数年ぶりに『中国語会話』と交換した。

 


残る桜も........

2009-04-18 12:30:00 | Weblog
 土日に夫が勤務に当たる朝は、私の運転で夫を送るのが習慣になってしまって、いささか不本意な話なのだが........。
でも今朝はついでに、途中にある盛岡地方裁判所の構内に咲く満開の『石割桜』を見てこよう。


  



             



 樹齢370~380年と推定されるシロヒガン桜。
写真でも分かるように、太い幹が石を割って咲くど根性桜
大正12年に国の天然記念物に指定された。
盛岡市民がこよなく愛す自慢の桜だ。

 太陽の熱で石の表面温度が上がるので、市内では一番開花が早い。
しかし猛暑の夏、厳寒の冬には、老木の桜にとっては残酷な状況となるわけで、慎重に保護する努力を怠ることは出来ない。
どういうわけでこのように石が割れたか明らかではないらしいが、落雷によって石が割れ、その割れ目に桜の種が落ち込んで生育したのではと言われている。
石は花崗岩で周囲が21mもある。

 とにかく盛岡人は、この季節になると誰の口の端からも挨拶代わりに『石割桜』の話題がのぼるから可笑しい。

 「桜は咲きやんしたか?」
 「まだでがんすよ。」

 『石割桜』は、盛岡人にとって心の原風景。
私も、今年も元気で爛漫の桜を見上げる喜びに浸ることが出来た。

 『散る桜 残る桜も 散る桜
良寛さんの辞世の句と言われているが定かではないらしい。
残る桜も散る桜........このような言葉に触れると、ドキッとする年齢になってしまった。
しかしまあ、なんと思い切りのいい句でもあろうか。
みんなで散るなら怖くない.......と連想すると、なにやら特攻隊風同期の桜になって困ってしまうが。
命の無常と循環を感じさせる好きな俳句のひとつだ。

 人はみな、爛漫の桜の木の枝で、誕生と出会いと別離の短い一生を巡る桜の花びらのようなものかもしれない。




C調なる人生

2009-04-15 09:00:00 | おすすめ記事
 
        

 久しぶりに二階の大掃除をしたワ。
特に自分の部屋は、ベッドや家具を動かして念入りに。
よくもまあ、こんな埃まみれの中で寝ていたものだと驚く。

 きれいに掃除したのには理由があって.......
美しく若きエンジニア・R君を私の部屋に招待していたから♪
秘密にしていたR君との3年にわたる関係も、残念だけれど今日で終わり。
「奥さん、別れても僕とのことは誰にも言わないで!」
と真顔で念を押されたけれど、そんなこと......私、出来ないわ!

 聞いたことあると思うけれど、我が家はC調率家庭なの。
C調って今では死語になってしまったけれど、音楽用語(C調はハ長調のこと)とも、「調子いい」の「ちょうし」を逆にした言葉とも言われていて、要するにいかに軽薄かということに使われている言葉。
軽薄なる人生」 望むところよ!
R君は我が家の三カ所に測定器を設置して、私がいかにC調に暮らしているかを調査・検分に足を運ぶ青年だった。

 C調率家庭はコンピュータでランダムに選ばれるらしいが、当地の場合なら、140万世帯で200人しか選ばれないから確率にすれば0、00014%。
非常に少ない数字だから、皆さんはC調率と言う言葉を知っていても、身近にC調率家庭に選ばれた知り合いなんていないでしょ?

 C調率を調査するのは、現代日本の文化水準や社会の動静、人気や流行のトレンドを分析する上でも重要な数字らしいけれど、私がその調査の一翼を担っていたという訳。
例えば.......『紅白歌合戦』は年々C調率が下がっているとか
例えば.......『侍ジャパン』決勝戦のC調率は瞬間最高56%だったとか

 ソファに寝っ転がってテレビを見ながらC調に明け暮れていれば世の中のお役に立つのだから、こんなに楽なミッションはなかったわ。
でも、R君が会う度に「僕達の関係はくれぐれも内密に!」と囁いてくるのには、とてもプレッシャーがかかって困ってしまった。
C調率なんて、そんなだいそれたものかしらね?
確実性、信憑性にも疑問は残るし、C調であればあるほど高C調率になるという国民性にも問題があると思うし。

 ところで私、もう最後の逢瀬だから思い切って告白したの。

 「あの~、実は私、C調率家庭に選ばれたの二度目でした。」
そう.......なぜか私はC調率に魅入られた女。
R君ったら、それはそれは目を丸くしてビックリしていたわ。
「奥さん、あなたは実に運のよい人だ!」ってそんな.......

 私はこれですっかり運を使い果たし、宝くじからも当たり馬券からもさっぱり見放されている始末なのよ!


     (注)本文中のベッドルームの写真はイメージ写真です

         

                   



町家の雛遊び

2009-04-13 09:30:00 | マダムH
 城下町の見知らぬ横町はワンダーゾーン。
切り取られた時間と秘めやかに淀んだ空気のなか
置き去りにされた記憶と郷愁が棲みつくと人は言う........
いまだ古い町並みを残す盛岡市鉈屋(なたや)町
旧暦の雛祭りのイベントがあるというので出かけてきた。


     
 

 通りを歩いてすぐ目に入った景色が、平成の水百選に選ばれた湧水『大慈清水』
四つの井戸が並んでいて、一番上の井戸から食料水、米研ぎ、野菜・食器洗い、洗濯の用途で利用する。
藩政時代からの伝統的な水利用を、いまだに地域の人たちが守り継承しているというから驚いた。

 盛岡町家の『旧暦の雛祭り』は、昔ながらの町の良さを知ってもらおうと、市民団体の「盛岡まち並み塾」が開催している。今年で第六回。
会場となる町家では、美しい和服を着た......あっ、いや、和服を着た美しいボランティアのご婦人たちが、親切に案内や説明をしてくれた。


   


 お雛様との出会いには心弾む喜びがあるが、今年は会場の一角に、友人H嬢の母上・テルさんの手仕事のコーナーがあるという楽しみも重なった。
布に囲まれ、針を持っている時が一番幸せというテルさんは、なんと70歳を過ぎてからパッチワークを習い、これらのミニチュアの着物や丹前や布団を作り始めたという。
多くの人々が彼女のコーナーを訪れては、感嘆の声を上げていた。
それもその筈、驚くほど丁寧で精巧な作品ばかり。








 92歳という高齢のご婦人のどこに、このようなエネルギーがあるのだろう?
丈夫で病気ひとつしたことがないし、愚痴や他人の悪口を聞かされたこともないとH嬢は言う。
確かに.......たまにお会いしても、友人の母上というよりは、歳の離れたお友達のような気やすさで心地よい。
テルさんもまた、若い人と話をするのが大好きだと言ってはばからない。
いつまでお喋りしていても話題は尽きず、その盛岡弁には味わいがあるし、気前よく古い端布を回してくれるのもありがたい。
なによりも、余生をまっすぐ見据えて楽しんでいる素敵な人生の先輩だ。

 「私は92でがんす!」 
テルさんは、誰にでも何度でも自分の年齢を自慢する。
92歳まで歩んできた自分の歴史と、まだまだ手仕事を続けたいという意欲を誇りにしているんだな、きっと。
人はある一定の年齢に達すると、年齢が勲章になるらしい。
『あら還』でうろたえている私は見苦しい。

 「どうかお元気でよいお仕事をしてください。」
と祈りつつ帰途についた。



春の嵐

2009-04-10 10:30:00 | Weblog



 我が家の梅がやっと咲き始め、当地にも遅い春が巡ってきました。
テレビから懐かしい曲が流れてきて

 『♪春という字は 三人の日と書きます♪』 by石野真子
         →【春ラ!ラ!ラ!

 春という漢字がこのような組み立てになっているとは、今まで思いもつきませんでした。
歌詞の中の三人とは「私と彼と元彼」のことで、読むと笑ってしまいますが、我が家の渦中の三人「私と夫とたな子」には、春の嵐が吹き荒れています。

 前回の記事では、皆さまにご心配をかけ、また多くのアドバイスを頂いたことを心から感謝申し上げます。
正直な話、未回収の家賃はそのうち入るだろうと、あまり深刻に考えていた訳ではなく、nihao家の恥をさらしたお笑いの提供のつもりだったのです。
しかし皆さまから頂いたコメント、及び心配をして電話を下さった方々のアドバイスで、事の重大さを認識するに至った次第です。

 ある方からは
「最初の月から支払わないのは、それは確信犯だ!」
と言われ、確かにそれもありうると気が重くなってしまいました。
ちなみに、この場合の『確信犯』の使い方は間違っております。
それを言うなら『故意犯』だと思うのですが、私もはっきりと区別がつかないので、指摘するのは遠慮しました。

 ともあれ、うかうかしていては大変なことになると痛感しました。
夫の小遣いの確保は、年金で家計をやり繰りする主婦にとって最重要課題のひとつです。
皆さまのアドバイスを参考にさせていただいて、夫に協力してなんとか解決の糸口を探していこうと思っております。
本当にありがとうございました。


             

           マーリー、あんたも応援してね!


夫の苦悩

2009-04-08 09:30:00 | 家族・友人
 ここ数日来夫の顔色が冴えない。
自室でこそこそ電話をしたり、じっと預金通帳をながめては深いため息をついている。
これは女とのトラブルだ........すぐピンときた私。

私 「その女、いくつなのよ?」
夫 「......30とちょっと。」
私 「いったいどうするつもりなのよ!」
夫 「ふたりの子どもを抱えて苦労しているんだ。つい同情して......」

 二ヶ月前に彼女の存在を知ってから、心中穏やかではなかった私。
いつか泥沼の関係になるだろうとの予感が残念ながら的中した。
ここは毅然とした態度で引導を渡すことが肝心だ。

夫 「彼女が予定外の行動に出た。参った。助けてくれないか?」
私 「いやよ!早く女を追い出してよ!」
夫 「もう少し、もう少しだけ時間が欲しい。
   頼む!一度だけ彼女と話をしてくれ!」
私 「自業自得ね。あなたの問題に関わり合いにはなりたくないわ!」
夫 「オレひとりの問題か?おまえの問題でもあるだろう?」
私 「............」

             ※
             ※
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             ※
             ※
             ※

 彼女の名は.....たな子。
ちょっと変わった名前だが漢字で書くと......店子。
そして夫の名は.....大家。 これは大家VS店子の物語。

 誰も住む者がいなくなった夫の実家を貸家にして、我らは生まれて初めて大家になった。→【我ら大家
苦しい年金生活に、いくばくかの現金収入が入るのはありがたい。
しかし契約時に不動産屋を通して前家賃は受け取ったものの、既に一ヶ月が過ぎたのに第一回目の家賃が振り込まれていない。
実は夫婦で大論争の末、家賃は夫の小遣いとなることに決定.......というか夫に無理矢理押し切られ、すっかり当てが外れた私。
ならばと、大家としての全権は一切夫に委任した。
しかし家賃が入らないことは、夫にとっても死活問題。
私の協力を拒まれた夫は、慣れない交渉にうろたえている。

 始めから、なにかいやな予感はあったのだが、まさかこんなに早く深刻な状態になろうとは.........。
友人たちの忠告、妹たちの心配が的中した。 
金銭のトラブルだけは避けて慎ましく暮らしてきた我ら、こんな時どうしたらよいのか全く分からない。
催促の電話1本かけるのですら夫は悩みに悩みぬき
「すみませ~ん。すぐ振り込みま~す!」
誠意なき返事にも一縷の望みを託すが、いくら待っても入金されない。

 この先ずっとこんな調子で悩まされるのかと嘆く夫に
「ここを乗り越えないと一人前の大家にはなれないわよ。
  心を鬼にして頑張るのよ!
と発破ををかける私。
なんとも前途多難な貸家業だ。


          

           ♪マーリーは悩みがなくていいな♪





天使と悪魔

2009-04-06 09:40:00 | Weblog
 

         


 映画【マーリー】を見てきた。
ジョン・グローガンの原作は、よくありがちな「愛犬可愛いや物語」とはちょっと異なる。
適度な距離をおきながらも、犬が我々に与えてくれるもの、教えてくれるものは何であるかを、ユーモアとウィットに富んだ文章で語る。
愛犬への温かい視点に心惹かれ、映画化を楽しみに待っていた。
映画は原作を早送りで追いかける実写版という感じがしたが、マーリーの一生を演じる22匹のラブラドールが実に愛らしかった。
原作は泣けて泣けて困ったが、映画の方は誰も泣いている人がいなかった。
逆に言えば、それがこの映画の良さかもしれない。

 ところで映画料金は通常1800円。
毎月1日の「映画ファン感謝ディ」と毎週水曜日の「女性の日」は1000円に割引になる。
特筆すべきは、60歳以上は1000円のシニア料金で見ることが出来ること。
しかし、これが私にとっては大問題。
堂々とシニア料金で見るためには、後ちょっと待たなければならない。
故に普段は「女性の日」に出かけるようにしている。

 ああ、しかしなんというドジを!
この日は感謝ディでも女性の日でもなかった。
にわかに800円が惜しくなった私。
窓口で身分証明書を提示する義務はないし、ここは、ちょっとこれぐらいの嘘は勘弁してよ、という気持ちになっても致し方ないことではないか?

 nihaoが真っ正直な人間であるかどうかの真価が問われる局面だ。
四捨五入しても数え年で数えても文句なくシニア割引に該当する。
天使と悪魔の囁きの間で、私は大いに葛藤した。
もし問題があるとしたら........窓口嬢に
お客様、とても60歳には見えませんよ!40代ではありませんか?
と年齢詐称が無惨に暴かれることだ(???)

 こんな時、みなさんならどうする?

 厚かましい私の友人たちなら皆、たった800円のために簡単に悪魔に魂を売り渡すだろうが、生まれついての正義漢、やっぱり不正は出来なかった私。
黙って1800円のチケットを受け取ろうとしたら.......なんと!
1000円です
と告げてきた窓口嬢の言葉に衝撃が走った。
おい、こらっ!
黙っていても60代に見えたのか?
そんな気遣いは無用ではないか!
なんとも失礼千万な態度で突如怒りがこみ上げてきた。

ど、どうして1000円なのよ?
はい、本日は、花巻東高校準優勝セールでございま~す。