「昨日の岩手山」
グルメや家電やファッションや海外旅行などなど、今の世の中、ありとあらゆるモノへのランキング付けが大流行。
日本人はランキングが大好きな国民だそうである。
今年私も炊飯器を購入するにあたって『人気炊飯器ランキング』を利用した。
CMだけでは判断出来ないし、毎日使う製品なので失敗はしたくない。
消費者たちの正直な意見や感想はとても参考になった。
今私が購入を検討しているのは中国語の電子辞書。
電子辞書には、読めない漢字を手書きで検索する便利な機能がある。
カシオにしようか? キャノンにしようか? シャープにしようか?
毎日『電子辞書ランキング』を眺めてはいるが、迷って答が見つからない。
ところで先日、【秋田県の温泉ランキング】を検索していたら、第6位の『はまなす温泉』にまだ行ってないことが判明、さっそくオットーを誘って一路日本海側へと向かった。
ところが私、この情報をきちんと読んだつもりだったのだが、なぜかおかしなことになって(いつものことだが)、『にかほ市・はまなす温泉』が、いつの間にか『にかほ市・しらはま温泉』に変化してしまったのだ。
ナビも使えずものすごく苦労して、やっと海岸沿いにある『はまなす温泉』を発見。
ここが本来の目的地であるのに、しかし私が探しているのは、依然として『しらはま温泉』なのである。
厚かましいのは承知で、ここの従業員に教えて貰うことにした。
[nihao] あの~、すみません。『しらはま温泉』はどこにありますか?
[従業員] ここらへんにそんな名前の温泉はありませんよ。
[nihao] 秋田の温泉ランキング上位にある有名な温泉なのですが...
[従業員] 全然聞いたことはありません。
[nihao] あっ!?記憶違いで『しらはま』ではなく『はまなす』だったかも。私、しょっちゅう間違えるんです。
あの~、もしかしたらここが人気ランキング6位の有名な温泉なのではありませんか?
[従業員] いいえ、違います。絶対にここではありません!
私のひらめきは一瞬真実に近づいたのに「絶対にここではない!」という従業員さんの確固たる自信(?)に押し切られた。
従業員さんの態度がけんか腰のような感じを受けるかもしれないがそんなことはない。
3人の秋田おばこたちは皆親切で、遠方からやってきた我らのことを労って、あちこち一生懸命調べてくれたのだ。
だが当然ながら『しらはま温泉』は見つからなかった。
「次回は必ずここに来ます。ご親切ありがとう。」
と別れを告げ、私は急いでパソコンを貸してくれる場所を探して調べた。
やはり私の記憶違いである。
恥ずかしかったがすぐに彼女たちの元に戻った。 「ただいま!!」
彼女たちも少し恥ずかしかったかもしれない。
『はまなす温泉』は褐色の強塩泉。アクセスは便利で従業員さんが親切。
広々として気持ちよい。ランキング6位はうなずける。
ところでこの日本人のランキング好き現象、日本に居住する外国人たちの目には大変奇異に映っているらしい。
外国人たちによると、日本人は自分に合うものを探すことよりも、他の人が何を使っているのか、何が人気があるのかを気にする国民であるという。
個人の好みは、その人の思考や趣味や暮らし方に関係してくるものである。
ひとりひとり違って当然なのに、日本人は個人の感覚よりも大勢の人と共感していることの方に安心感を持つ国民であると。
日本人のこの性向はあまりクールではないと『COOL JAPAN ~発掘!かっこいいニッポン~』(NHKデジタル衛星ハイビジョン)に出演している外国人たちが言っていた。
彼らの言うことにも確かに一理ある。
ランキングにかなり頼っている私には、はっとさせられた番組だった。