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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

大失態!

2008-03-31 10:40:02 | Weblog
 今日は3月31日。ついに夫の退職日の朝を迎えました。
そして息つく間もなく、明日から新しい職場に出向く夫。
本来なら........私から夫への百万本の薔薇と百万遍の感謝の言葉で埋め尽くされるはずの1日なのですが........。
なんとも大変なことが発生してしまった我が家。
それどころではありません!

 昨年11月から空き家となっている婆婆家の水道料の、2・3月分の明細書が届きました。
な、なんと!その額14万4千円!!
何度読み返しても14万4千円です。
しかも数字の上を目立つように蛍光ペンでなぞってあるという、M市水道部のなんともご丁寧な心配り!!

 冬の間、婆婆家には一度も足を運ばなかった私たち。
3月初頭に夫が足を踏み入れた時、浴室は噴水状態だったそうです。
どうやら浴室の水道の元栓を閉め忘れていたらしく、シャワーの蛇口が凍結、そして決壊したらしい。
北国に住む者の心得としては、厳寒期における水の凍結の回避は、最重要課題なのですが、不覚にも致命的ミスを犯してしまいました。

 いったいいつ頃から噴水状態になっていたのだろう?
いったいこの間の水道料金はいくらになるのだろう?
今思い出してみれば、1月の水道料金はちょっと高めのような気がしていました。
その時に異常を察知すべきだったのです。
賢い主婦なら、その時点で事件を未然に食い止めていたはず。
私たちは、毎日言いしれぬ不安を抱えながら請求書を待っておりました。
でも、たぶん.....2・3万ぐらいかな?とタカをくくっていたのも事実です。

 「おまえ(あんた)が、ボンヤリしているから駄目なんじゃ!」

 責任のなすり合いにかけては、互いに一歩も譲らない私たちですが、いくら不毛な議論を重ねても、このおぞましい現実をリセットすることは出来ません。
「仕方ない。144万でなかったことが不幸中の幸いだ!」
「そうね、子どもたちにプレゼントしたと思って諦めましょ!」
と慰め合ってはみたものの、私たちの内心の動揺は一向に収まる気配はありません。
現実にプレゼントした訳ではないので、子どもたちから感謝されることもありません。

 水道部計量係からの通達によると
「漏水の可能性があります。水量が多いため、立ち会いによる再調査が必要です。ご連絡がない時は所定の料金を請求いたします。」
と書いてありました。
再調査してもしなくても、当方のミスは明らかです。
でも打ちひしがれた私たちの姿を見たら、料金をまけてくれるかもしれない.........な~んて甘い考えは、この際きっぱりと捨てるべきでしょう。

 最後の職場に向かう夫の出勤の時刻が迫ってきました。
ああ!今朝ぐらいは、心穏やかに送り出してあげたかった。

  (しかし、この話には続きがあります。以下次回!)




睡眠と覚醒の間

2008-03-28 13:40:04 | 読書
 さて、夫の退職日まで後数日となりました。
送別会等おおかた終り、職場の整理や引き継ぎもほぼ完了。
感傷に浸るタイプとは言えない夫の表情も、時々複雑に曇りがちです。
仕事人間にとっての退職は、達成感を得るよりは孤独感・寂寥感の方が強く押し寄せてくるようです。

 今朝は本棚の前でなにごとか思案に耽っていました。
本棚には、仕事のために買い求めた高価な専門書の全集が並んでいます。
見たところ一度も使用した形跡はありません。
子どもたちをして
「お父さんが本を読んでいる姿を一度も見たことがない!」
と言わしめるほど本を読まない夫は、しかし、せっせと全集を買いそろえることだけは余念がありませんでした。

 「おい!これらの本はもう二度と読むことはない!もったいないけれど整理してしまった方がいいな。」
ちょっと、ちょっと!何を言っているのだろう?
二度と読むことがないのではなく、一度も読まなかったのに........。
本を読まない人間ほど全集をアクセサリーにしたがるというのは、まぎれもない真実のようです。
「本棚の空いた箇所には、爺爺の家から古典全集を持ってきて飾っておこう。」
......やれやれ......
 
 私の読書の目的は娯楽の一語に尽きるので、高価な本は買いません。
月に一度ブックオフに行き、百円の古本を手当たり次第に漁ってくるだけですが、長年の読書体験が功を奏し、外れるということはあまりありません。 
 
 今月は2冊の本を読みました。
E・M・フォースター著『ハワーズ・エンド』と、扶桑社ミステリー文庫ドナ・タート著『シークレット・ヒストリー』です。
2冊しか読めなかったのは忙しかったからではなく、英文学の名作『ハワーズ・エンド』を読み切るのに予想外の時間がかかってしまったからです。
フォースターの作品は読んだことはありませんでしたが、『モーリス』と『インドへの道』は映画で見ていて、今でも心に残っています。
そこで『ハワーズ・エンド』も期待しながら読み始めたのですが........
 
 なにか変?
すぐ飽きてしまってしっくりいきません。翻訳文のせいだろうか?
大久保利通の曾孫で吉田茂を父にもつ、名訳家として名高い吉田健一氏の文章は、私にとっては迷訳以外のなにものではなく、たえず主語と述語を見失い、文意を汲み取るまでに長い時間がかかってしまいました。

「一人のなんとも説明のしようがないぐあいに得がたい女が壜に入れた標本も同様に天国に向かって持って行かれて、その天国というのが地獄に似て真っ黒な、そこから煤が落ちてくる空なのだった。」

難解な文章は受けつけなくなっている私にとっては、『ハワーズ・エンド』は恰好の睡眠剤で、読破まで3週間もかかってしまいました。
ドナ・タートの『シークレット・ヒストリー』は傑作。ミステリーの領域を超えた青春文学と言えると思います。
この本は覚醒剤となってしまったので睡眠不足の日が続きました。

サロンライブ ~粋な計らい~

2008-03-26 10:00:03 | 家族・友人
 nihao家プレゼン第2回SALON・LIVEが無事終了しました。
お忙しいなか、お出でいただきました皆様には、心から感謝しております。
最年少は小学生の坊や、最年長は90歳のご婦人。友人知人、夫の同僚の方々等、30数名のゲストの方々から温かいご声援をいただき大成功のライブでした。
ありがとうございました。

 

ライブ前の風景です。
パイプ椅子をぎっしりと並べて、まるで学校の視聴覚教室のようです。
前回の反省を踏まえ、大型家具をうまく処理して客席を作りました。
このリビングは元々は8畳の和室でしたが、2度のリフォームを重ねて広げました。
しかしまさかこの居間が.......音痴な家系の音痴な子どもたちが音楽に興味を持つようになり、ファミリーバンドによるライブハウスに変身する日がくるなんて.......まったく想像したこともありませんでした。

 

ライブ中の風景です。
燦々と春の日差しが降り注いでいたので、プライバシー保護には打って付けの不鮮明な写真となりました。
左からピアノ&ボーカルの娘、ベース&ボーカルのT嬢、パーカッションの息子、ギターの婿殿。
娘の弾き語り中心だった前回のライブとは異なり、今回はフルバンドの演奏でなかなか聴き応えがありました。

 プログラムはゲストの年齢構成を配慮し洋楽邦楽取り混ぜて、T嬢4曲、娘が7曲歌い、娘の朗読『葉っぱのフレディ~いのちの旅~』もありました。
婿殿のギターは上手いし、不思議な雰囲気を醸し出すT嬢の熱唱はとても格好よかったし、息子も娘もよく頑張りました!
T嬢と婿殿の家族も応援に駆けつけてくれました。
皆様のおかげで心地よい時間が流れ、サロンライブというアットホームな空間の魅力を演出することが出来たのではないかと思っています。

 プログラムの中に、ワムのG・マイケルのカバーで聴いて以来,私の大のお気に入りとなったB・クロスビーの名曲『Brother,can you spare a dime?』を、こっそりと組み込んでくれていました。
私はこの哀感溢れるブルースが大好きで、最近は飽きずに何度も繰り返し聴いている毎日です。
和訳すれば「ねえ、小銭を恵んでくれないか?」と言うせこい歌詞らしく、岡林信康の『山谷ブルース』に通じるワーキングプア層の切実な叫びの歌なのです。

 私はなぜこの歌に、かくも心を揺さぶられてしまうのだろう?

 そういえば........若い頃、夫がよくギターを抱えながら
「♪今日の仕事は辛かった~♪あとは焼酎をあおるだけ~♪」
と山谷ブルースを歌っていたっけ........
時まさしく全共闘時代、デモ帰りの『山谷ブルース』は、結構心に染みたものでした。

『Brother,can you spare a dime?』を聴きながら、知らず知らず私は、青春の幻影を見ていたのかもしれません。
大好きな歌を演奏してくれた子どもたちの粋な計らいに感謝です。



ホットサンドウィッチ

2008-03-19 10:40:03 | グルメ
 ホットサンドウィッチです。
隣のマーケットのポイントを集めて、ホットサンドウィッチメーカー(以下HSMと名付ける)と交換しました。
2枚の食パンの間にハムや卵やチーズなどを挟んで4・5分焼くと、ホッカホカの美味しいサンドウィッチが出来上がります。

 春の日差しを浴びた食卓に、カフェ風の朝食を用意したら
「おい、これは朝飯ではない!おやつだ!」
とは、なんとも無粋な夫の台詞。
物珍しさも手伝い食パンに挟む具を工夫して、3日連続朝食に出しましたが、さすがに「もう飽きた!」と言われてしまいました。

 自分では買い求めるきっかけのない商品を手にして、とても得をした気持ちになっていたのですが、この『HSM』、ネットで調べてみたところ千円程度で買える商品だと知りました。
ポイントを換算してみたところ、私はこの『HSM』を手に入れるまでに、隣のマーケットで40万円の買い物をしていたことになります。
浮き浮き気分が途端に萎えてしまいました。

 我が家の押し入れの奥には、21年前に発売されたナショナルのホームベーカリー第1号(自動パン焼き器、以下HBと名付ける)が眠っています。
これは機械の中に、分量通りの強力粉・砂糖・塩・バター・ドライイーストなどの材料を無造作に放り込んでおくだけで、4時間後には食パンになるという画期的な商品です。

 時間と労力がかかる難しいパン作りが、指1本触れずに自動的に出来上がるという、まるで錬金術(錬パン術?)のような魔法の機械には感動しました。
しかも風味豊かで大変美味しいパンが出来上がるのです。
発酵終了の段階で取り出してピザ生地にしたり、オリジナルのおやつパンやおかずパンを作ることも可能です。
ご近所の方々が羨ましがるので、順番で1週間ずつ貸し出しをしたこともありました。
バブル最盛期、昭和の終わりの頃のお話です。
 
 この『HB』、現在も改良を重ねて販売されておりますが、一部の主婦を除いては人気薄というのが現状です。
利点があるにも関わらず、時間がかかる・コストがかかる・置き場所に困る等の欠点の方が際立っているからだと思います。
子どもたちが家を出てからというものは、私もほとんど利用しておりません。
昨年一度だけ使ってみたら、まだまだ健在で美味しいパンが焼き上がったので、なんとも丈夫な機械だと驚きました。

 輸入原材料や価格高騰への不安が深刻化している折り、自然食嗜好のブームに乗って『HB』の存在が見直されるかもしれません。
私も押し入れから出してこなくっちゃ!

最後の給料

2008-03-17 10:10:01 | Weblog
 本日は夫の最後の給料日です。
結婚以来こんな日が来るなんて想像もしていなかったけれど、月日は確実に時を刻んでいたようです。
「たとえ泥棒してでも食わせてやるから安心しろ!」
とのあぶない言葉を男気と勘違いしてついていき.........
飢えたことはなかったけれど、決して豊かでもなかった我らが人生。
自らの言質に限りなく囚われ、深く後悔し続けていたであろう夫のお役目も間もなく終了です。
35年間ありがとうございました! 

 さて4月からどうやって暮らそう?
実は週4日間勤務の再就職(アルバイト?)が決まっています。
年金だけでは現在の生活を維持できないのは確実だし、亭主在宅拒否症候群予備軍の私としては密かに胸をなで下ろしています。
一度は死にかけた夫なのに、また息もつかせず働かせるのは気の毒ですが、もう少しだけ私のため......じゃあなかった.......世のため人のためそして自分の生き甲斐のために奮闘してもらうことにいたしましょう。
夫よ、きみは必要な人材なのだ!
頑張れ!私も頑張る!

 がくんと目減りする我が家の財政を立て直すのは私の仕事です。
食費や光熱費を切り詰めても大きな数字の変化は期待できません。
でもだいじょうぶ!私には秘策があるのだ。

                 【秘策】

①夫の小遣い減額(2万)......当然でしょ!

②全国旨いモノお取り寄せ禁止(5千).......我慢しましょ!

③整骨医院通い禁止(6千).......痛くないのに行くのは止める!

④私のミニカを処分(2万)......一家に2台の車はもういらない。ガソリン代・車検代・維持費等月に均せばかなり浮く。でも私は夫の車は運転出来ない。どうしよう?

⑤ダス○○社との暮らしのパートナー関係を解消(1万)......化学雑巾・空気清浄機・白蟻チェックでお得意様。営業マンと仲良くなりすぎてしまったが、断ることが出来るだろうか?

⑥テレビ欄しか用のない新聞購読を止める(3千)......読者離れが深刻な新聞業界。新聞マンの弟が知ったら、どんなに嘆き悲しむことだろう。弟を裏切ってもいいのか? 

⑦ももちゃんのカットを自分でやる(6千).......カットが命の座敷犬。みっともなくなるのは必定だが? 

⑧筋トレサロンと中国語を止める(1万)......私の生き甲斐はいずこへ?はたしてここまでやる必要があるのだろうか?

 凄い!月額8万円の節約だ!
年金生活の実感がまだぴんとこない私だが、今からこれだけの心構えがあれば万全だろう。
でも①以外は難しい。



這いつくばって

2008-03-14 10:30:03 | Weblog
 隣家の奥様のところに用があって訪ねました。
隣同士とはいっても顔を合わせるのは2ヶ月ぶりでした。
お部屋に1歩足を踏み入れた途端、なぜかクラクラッとめまいがしました。
隣家のリビング.......めまいがするほど美しく掃除されていたのです。
家具・調度品も高価なものばかりで、私は、古民家の屋根裏部屋からベルサイユ宮殿にワープしたようなカルチャーショックを受けました。

 隣家の奥様はとても働き者です。
ご夫婦と娘夫婦と孫たちの6人家族ですが、家事と孫たちの世話は、全部奥様の担当です。
朝は5時頃から台所に立って朝食の用意をし、孫たちが学校に行くのを途中まで見送り、洗濯、掃除、買い物をし、午後からは孫の習い事の送り迎えをし、夕食の支度をし、後片付けをし..........と、毎日八面六臂の活躍ぶり、しかも家事やつれした風情などひとつもなく、いつもお洒落できれいです。
もちろんこれだけ働けば、ぜい肉のつく暇もありません。
私は有り余る時間をもてあそぶだけで、一体何をしているのだろう?
 
 それにしても毎日大変忙しいのに、なぜ完璧な掃除が出来るのでしょう?
掃除の秘訣は?   「毎日30分の雑巾がけ!」
本当にそれだけ?  「それだけ!」
 
 以前私も、熱病に冒されたように掃除ばかりしている時期がありました。
午前中のすべてを費やして家中を磨き上げていましたが、この麗しき習慣は、長続きすることはありませんでした。
現在は、散らかればすぐ片付けることをモットーにして、テーブルや食卓、カウンターや出窓などには、極力モノを置かないようにしています。
視力の悪い人が訪ねてくると「まあ、きれい!」と言ってくれるかもしれません。
しかし『整理整頓』と『清潔』は、決して同義語ではありません。
掃除がいい加減なので、埃の堆積面積ばかり日々拡大されていくのです。

 隣家の奥様からよい刺激を頂いた私は、腰痛をかばいながら、久々に床に這いつくばって雑巾がけに挑戦しました。そして.......納得。

 下方目線になると、今まで気がつかなかったことが目に入ります。
部屋の隅々の汚れはもちろんのこと、テーブルや椅子の脚部の汚れ、ヒーターやテレビの下にたまっている埃などが、否が応でも目について見て見ぬふりは出来ませんでした。
ももちゃんの匂いも下に滞ることを発見!
ピアノの下から百円玉も発見!
床の水拭きはキレイを実感、掃除機や化学雑巾を使用した立ち掃除では得られない収穫がありました。

 問題点はただひとつ。
学習が習慣化されるかどうかのみ!



腰痛再来

2008-03-12 09:30:01 | Weblog
 数日前から腰痛が再発しました。
介護戦線離脱後は、筋トレサロンの効果もあって、しばらくの間鳴りを潜めていたのですが、忘れた頃にやってくるのが.......腰痛。
まっすぐ立つのがちょっと大変で、歩く姿は北京原人です。

 炊事仕事が特に応えるのですが、こういう時、我が夫はとても楽な亭主です。
「H屋で朝飯食って仕事に行くから休んでいろ!」
と言ってくれます。
私の朝食のことなど何も心配しないところが屈託のないところ。
「ついでに晩ご飯もH屋で食べてこい!」

 健康な時は2・3日掃除をしなくても全く平気なのに、不調になって我が家の隅々を眺めると、なぜか汚れている箇所が目立ちます。
レースのカーテンは煤けているし、ガラスというガラスは全部曇っているし、浴室も最近手をかけていない.......気になり始めたらきりがありません。
早く腰痛を治して、春の大掃除をしなければなりません。
以前から友人H嬢が勧めていた整骨医院、我が家からはちょっと遠いけれど行ってみることにしました。

 私は整骨医院が大好きで、常時3箇所の医院をキープしていますが、新医院発掘もまた楽しみのひとつです。
H嬢ご推薦のY医院は、大型ショッピングモールに隣接する新興住宅地の中にありました。
絶好の立地条件なのに患者はいなく、受付係もいなく、「こんにちは!」と声をかけてから整骨医の顔を見るまで15分もかかりました。
最近は、大勢のスタッフを抱え美容院のごとくシステム化している整骨医院が多い中、どうやらここはたったひとりでやっているらしい。

 しかしさすが経験豊富なH嬢のお気に入りだけあって、木訥で誠実そうな若き整骨医の施術の確かさに驚きました。
普通は、長期間の通院を前提とした通り一遍の治療をされて終わりなのですが、こちらの整骨医は違います。
患者の苦痛を1日で出来るだけ取り除いてあげようという誠意と気迫が伝わる、とても丁寧で心地よい施術でした。
かすかに流れるヒーリングミュージック。
目をつむれば........王宮の寝室のベッドの上で、自分のためだけの贅沢な時間が用意されているかのような錯覚に陥ります。
たとえ後ろからこん棒で頭を殴られたとしても、何が起きたか全くわからないまま、至福の境地で絶命することでしょう。

 夕方には痛みも和らぎ、まっすぐ立って歩けるようになりました。
人のよいH嬢は、みんなにこの医院のことを宣伝して紹介しているようです。
行列のできる整骨院になっても困ってしまうし。
私は......みんなに教えたいような教えたくないような......




サロンライブ

2008-03-10 14:04:16 | Weblog
 我が家での第2回サロンライブの日程が決定しました。
3月23日(日)午後2時開演です。

 『サロンライブ』とはなんぞや?
和訳すると『お茶の間音楽会』のこと。
第1回の詳細はこちら【サロンライブ報告記】です。
前回は、婆婆と夫の退院祝いと、お世話になった方々へのお礼を兼ねて開催しました。
初の試みながらも数々の悪条件を乗り越え、at homeな雰囲気の中で大成功をおさめたことに気をよくした娘たちは
「次はお父さんの退職祝いのサロンライブだ!」
と計画をたて、やっと2回目のサロンライブの実現に漕ぎ着けることが出来ました。

 今回は、娘の生徒のTさんや、息子のドラム演奏の参加もあるというので今からとても楽しみです。
Tさんのお母様は盛岡出身。お祖父様・お祖母様も現在お元気で盛岡在住ということなので、祖父母孝行とTさんの大学卒業祝いも兼ねて、凱旋ライブの機会を提供したのです。

 自宅で30人ものお客様をご招待して演奏会をするとなると、我が家が、いかに立派で大きなお屋敷であるかのような誤解を受けそうです。
現実は.......古くて狭くて汚くて.......お客様用の駐車場もありません。
廊下に下足用の新聞紙を敷いて並べ、お茶の間の家具を移動し、夫の職場から拝借したパイプ椅子を所狭しと並べて会場作りをします。
前回は婆婆の介護用ベッドやグッズが氾濫していましたが、今回はそれがなくなった分だけ少しスッキリと広くなりました。
駐車場は隣のマーケットの敷地を無断で借用しています。
 
 大勢の人たちがいる前で自己表現したいという願望は、若いアーティストならずとも誰もが心に抱く熱い想いです。
都会では、お金を出せばいくらでもライブ活動は出来ます。
しかしサロンライブのように、自分の生き方に大きく関わってきた家族や親戚・友人・知人たちの前で演奏することは、また格別の意味があると思います。
とりたてて何ら親孝行をしてこなかった我が子たちにとっても、現在の自分たちの活動を呈示することで、親孝行をしているつもりなのかもしれません。

 自己表現の実現プラス親孝行、祖父母孝行の大義名分のたつ今回のサロンライブ。
実は親の多大なる犠牲の上になりたっていることは.........知るもよろし、知らぬもよろし!

 

母のレシピ ~昆布巻き~

2008-03-07 12:40:02 | グルメ
                 

 『鮭の昆布巻き』を作りました。
ダイナミックに切り分けた鮭の頭やしっぽや骨が入っています。
爆弾?いや手榴弾かと見間違うかの大きさと不格好な形状で、たこ糸でぐるぐる巻きにしなければまとまらないし、骨まで柔らかく煮るのには6時間はかかります。

 例年、暮れの贈答品として北海道から大きな新巻鮭が2本届きます。
包丁と格闘して3枚おろしにし、身とそれ以外に分けておきます。
捨てる部分はひとつもありません。
一昼夜水に漬けて塩分を抜いた頭や骨を昆布で巻き、醤油・酒・味醂・砂糖で、数回に分けて味の調整をしながらことこと煮て完成です。
昆布は、太くてちょっといい昆布を使用しなければなりません。
鮭のあら1本分はお正月のお節用に使い、残りの1本は春先のご馳走用に冷凍しておきます。

 子どもの頃からお馴染みだった母親のレシピを踏襲していますが、母の味になるまでは、何年も無駄な時間と材料を投入しました。
今では母の味を超えたのではないかと自負しています。
友人たちにも好評なので、今回もM嬢とH嬢にお裾分けしました。

 数年前、お世話になったご近所の方に差し上げて、とても喜んでいただいたことがありました。
翌年その家のご主人が、末期癌と宣告され闘病生活に入りました。
食欲が減退し日に日に体力が衰えていくご主人に、奥様が何か食べたいものはないかと尋ねたところ
「nihao家の昆布巻きが食べたい。」
とおっしゃったそうです。折しも季節はクリスマスの頃でした。
奥様から
「ずうずうしいことは承知の上でお願いします。今年も昆布巻きを作るのなら、どうか1本だけ分けていただけないでしょうか。」
とのお電話がありました。
 
 奥様は泣きそうで、お気持ちを推し量ると私も辛くなりました。
もちろんその年の昆布巻きは、万感の思いを込めて作りました。
たくさん召し上がることは出来なかったでしょうが、思い出していただけたことが嬉しかったです。
それから数ヶ月後、ご主人は帰らぬ人となりました。
以来年末には、こちらのご家庭に昆布巻きを持参するのが私の習わしとなっています。
 
 母のレシピを受け継いでおいてよかったと...........昆布巻きを作る度に必ず実感する思いです。



卒業演奏会

2008-03-05 10:35:56 | Weblog
 先週末、地元のI大学・音楽科の卒業演奏会に、中国語の仲間たちプラスM嬢の6名で行ってきました。

 M嬢は、勤務先のゴルフ場が閉鎖中の時期だけ、季節労働者から季節学習者として私たちの仲間に転身するのです。
特筆すべきは彼女のいでたち。
パッチワーク柄のミニの木綿のジャンパースカート、紫色のレッグウォーマー、ロングブーツ。その上ピーターパンのような帽子をかぶって、どこから見ても還暦を過ぎたおばさんとは思えない若さです。
我らを完全にうならせ、全員の嫉妬と羨望の視線を集めました。

 昨年秋の大学祭で演奏を聴いて以来【カフェ・カンタービレ】、私たちは皆、I大学・音楽科の学生たちの才能豊かなエンターティナーぶりのとりこになってしまいました。
大学祭ではゴスペルやポップスの演奏で大いに盛り上げてくれましたが、卒業演奏会ともなるとクラシック音楽学習の集大成の発表です。
彼らの学習の成果は如何に?
私たちは、この日が来るのを早くから心待ちにしていました........保護者でもないのに保護者のごとく。

 会場は県民会館中ホール。
演奏者の友人、父母、親類縁者ぐらいしか来ていないだろうと思っていたら、600席ある会場は超満員でした。
どうやら私たちのような新鮮な発見と感動を求めて追いかけるファンが、他にもたくさんいるようでした。

 

演奏者は22名で、うち独唱が10名。独奏はピアノ9名、クラリネット、ヴァイオリン、フルートでした。
今年はプログラムの他に、演奏者の手による楽曲の解説やオペラの歌詞対訳を掲載したプログラムノートが用意されていて大変参考になりました。

 満員の観客を前にした学生たちひとりひとりの、熱意や緊張感が手に取るように伝わってきます。
ドレスの裾がからまって転倒しそうになった女子学生もいれば、緊張のあまりピアノの前で立ち往生してしまった学生もいました。
見ている方もはらはらドキドキ、応援にもつい力が入ります。

 プロの音楽家による演奏会とは異なるので、優れた芸術的な演奏を期待することは出来ないだろうと予想していましたが、なかなかどうして、観客に感動を与える素晴らしい才能の持ち主もたくさんいました。
私は、声楽で2名、ピアノで3名、ヴァイオリン、フルートの計7名の学生さんの演奏にとても心惹かれるものを感じました。
若さと活気に溢れるとてもステキな卒業演奏会でした。

 間もなく卒業式を迎える学生さんたち。
音楽を通して学んだことを、ぜひ今後の人生に役立ててください。
その前途に光あれと祈らずにはいられません。