自室の机の中を整理していたオットー、3年前に頂いた一万円の旅行券を見つけた。
ふたりで旅行する時の足しにしようと思っているのだが、老犬ももちゃんの現状を考えるとなかなか使用する機会がない。
そのうち期限切れになってしまう。さてどうしようか?
「オレが留守番しているから、おまえひとりで温泉にでも行ってこい!」
えっ、ホント?
オットーの気が変わっては大変と、すぐに私はT温泉のホテルSに予約を入れた。
私、ふだんはお安い国民宿舎とか公共のお宿しか利用しないから、こんな立派な旅館に泊まることなど滅多にない。
旦那もこぶもついていない。嬉しさと開放感がじわじわとこみ上げてくる。
広すぎるゴージャスな部屋の中で、すべての私だけの時間を、道尾秀介(祝直木賞受賞!)の『球体の蛇』というミステリー仕立ての青春小説を読むことに費やした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/89/1282b702cc6dfc525f2f5ab45b6b9490.jpg)
お腹いっぱいになったら、本を読んで、またうとうとして....目が覚めたら温泉へ。
マダムにお似合いの贅沢な時間が流れる。
ああ、お願いだから時間よ、止まれ!
翌朝は5時に目が覚め温泉へ。
先客のスリッパが3組あったが、浴槽には誰もいなかった。
みんな露天風呂の方に入っているのだろう
私はのんびりと極楽気分を味わっていた。
すると露天風呂の扉が開いて
突然私の眼前にタオルで前を隠したひとりの男性が現れた。
はぁ~っ、どうしてこんなところに男が(女が)いるの?
私たちは、見知らぬ土地で遭遇した異星人のように、暫くはポケッと口を開けたままお互いの顔を見つめ合っていた。
漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)さんにそっくりの男性だった。
こんな時、若い女性なら「きゃ~っ、変態!」などと黄色い声を張り上げて大騒ぎするのだろうが、私くらいの歳になるとさすがにそんなことは出来ない。
なぜか不思議と肝が据わってしまう。
さて、どのようにしてこの変態男を撃退しようかと湯船の中に深く浸かりながら考えていたら、先にえびすさん(?)の方から声をかけてきた。
「あの~、こちらは男湯ですよ!」
え゛~っ! ホ、ホント? ど、どうしよう?
そう言えば...温泉って日が変わると男湯と女湯を交換する。
私、寝ぼけていて全然確認しなかった。昨夜の記憶のままに行動していた。
超恥ずかしい! 超ドジった! 超困ったよ。
私は自分の身体を隠すタオルすら持っていない。
えびすさんは、ひたと私を見つめたまま視線をそらさない。
この局面、一体どのように乗り切っていけばよいのだろう?
仕方ない。どうにもならない。私は諦めた。
「大変失礼いたしました。ごめんなさい。
あの~、ちょっとの間だけ目を瞑っていただけますか?」
とお願いして脱兎の如く脱衣所に向かったが、はたしてえびすさんは目を瞑ってくれただろうか?
☆
以上の話は実話です。
書こうかどうしようか迷いましたが、皆さまの参考になることもあるかもしれないと思い直し(?)正直に書きました。
馬鹿な私...って、今、ホントに反省しています。
娘に話したら「えびすさんの方がお気の毒だわねぇ。」と言われました。
私はえびすさんでよかったと感謝しています。
阿部寛だったら...その場で卒倒していたかもしれません。
えびすさんと朝食バイキングで鉢合わせしたら大変と、私はお腹が空いていたけれど我慢して大幅に時間をずらして食堂に行きました。
この日はどこかの大きな会社の宿泊研修会があったらしくて、ホテルは壮年の男性たちで溢れていました。
行き交う人の全部がえびすさんに似ていて、生きた心地がしなかったです。
※エロチック・コメントは遠慮してね(^_^)
ふたりで旅行する時の足しにしようと思っているのだが、老犬ももちゃんの現状を考えるとなかなか使用する機会がない。
そのうち期限切れになってしまう。さてどうしようか?
「オレが留守番しているから、おまえひとりで温泉にでも行ってこい!」
えっ、ホント?
オットーの気が変わっては大変と、すぐに私はT温泉のホテルSに予約を入れた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/54/4f6e26fbba211e751a402cb33d235e02.jpg)
私、ふだんはお安い国民宿舎とか公共のお宿しか利用しないから、こんな立派な旅館に泊まることなど滅多にない。
旦那もこぶもついていない。嬉しさと開放感がじわじわとこみ上げてくる。
広すぎるゴージャスな部屋の中で、すべての私だけの時間を、道尾秀介(祝直木賞受賞!)の『球体の蛇』というミステリー仕立ての青春小説を読むことに費やした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/89/1282b702cc6dfc525f2f5ab45b6b9490.jpg)
お腹いっぱいになったら、本を読んで、またうとうとして....目が覚めたら温泉へ。
マダムにお似合いの贅沢な時間が流れる。
ああ、お願いだから時間よ、止まれ!
翌朝は5時に目が覚め温泉へ。
先客のスリッパが3組あったが、浴槽には誰もいなかった。
みんな露天風呂の方に入っているのだろう
私はのんびりと極楽気分を味わっていた。
すると露天風呂の扉が開いて
突然私の眼前にタオルで前を隠したひとりの男性が現れた。
はぁ~っ、どうしてこんなところに男が(女が)いるの?
私たちは、見知らぬ土地で遭遇した異星人のように、暫くはポケッと口を開けたままお互いの顔を見つめ合っていた。
漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)さんにそっくりの男性だった。
こんな時、若い女性なら「きゃ~っ、変態!」などと黄色い声を張り上げて大騒ぎするのだろうが、私くらいの歳になるとさすがにそんなことは出来ない。
なぜか不思議と肝が据わってしまう。
さて、どのようにしてこの変態男を撃退しようかと湯船の中に深く浸かりながら考えていたら、先にえびすさん(?)の方から声をかけてきた。
「あの~、こちらは男湯ですよ!」
え゛~っ! ホ、ホント? ど、どうしよう?
そう言えば...温泉って日が変わると男湯と女湯を交換する。
私、寝ぼけていて全然確認しなかった。昨夜の記憶のままに行動していた。
超恥ずかしい! 超ドジった! 超困ったよ。
私は自分の身体を隠すタオルすら持っていない。
えびすさんは、ひたと私を見つめたまま視線をそらさない。
この局面、一体どのように乗り切っていけばよいのだろう?
仕方ない。どうにもならない。私は諦めた。
「大変失礼いたしました。ごめんなさい。
あの~、ちょっとの間だけ目を瞑っていただけますか?」
とお願いして脱兎の如く脱衣所に向かったが、はたしてえびすさんは目を瞑ってくれただろうか?
☆
以上の話は実話です。
書こうかどうしようか迷いましたが、皆さまの参考になることもあるかもしれないと思い直し(?)正直に書きました。
馬鹿な私...って、今、ホントに反省しています。
娘に話したら「えびすさんの方がお気の毒だわねぇ。」と言われました。
私はえびすさんでよかったと感謝しています。
阿部寛だったら...その場で卒倒していたかもしれません。
えびすさんと朝食バイキングで鉢合わせしたら大変と、私はお腹が空いていたけれど我慢して大幅に時間をずらして食堂に行きました。
この日はどこかの大きな会社の宿泊研修会があったらしくて、ホテルは壮年の男性たちで溢れていました。
行き交う人の全部がえびすさんに似ていて、生きた心地がしなかったです。
※エロチック・コメントは遠慮してね(^_^)