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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

風が強く吹いている

2013-01-29 15:32:05 | 読書
          

 昨年図書館から借りて読んだ本は125冊でした。
前年と比べたら少し数が減ったので目標達成です。
少しずつ読書の時間を減らして、その他のことも頑張らなければならないと一応は考えている訳であります。
ちなみにブログの更新数は、2010年(81回)2011年(40回)2012年(27回)と...あ~っ、こちらも頑張らなければなりません。

 好みの本の傾向は決まっていますが、出来るだけたくさんの作家と出会いたい。
好みの作家さんに出会う喜びは、おそらく恋のときめきに似ていると思います。
去年の私の恋人は断然→【深谷忠記さん
ベテランの本格的社会派ミステリー作家で、平成の松本清張といった重厚な作風です。


 さて今年は、今話題の三浦しをんさんの本をまとめて読んでみようかなと考えていた矢先に、ブログ仲間【うららさん】の『風が強く吹いている』の記事を読みました。
これは読書家のうららさんの去年の一押し作品で、箱根駅伝を題材とした物語です。

 箱根駅伝といえば、私のテレビ生活の中でも一番楽しみにしている番組です。
過去にこのような記事【駅伝選手】も書いています。


 『風が強く吹いている』は、元高校駅伝のエリートランナーであった走(カケル)と、足の故障を抱えながらも箱根路を走る夢を抱き続けている灰二(ハイジ)が、同じアパート(竹青荘)に暮らす陸上素人集団の学生たちを率いて箱根駅伝出場を目指す内容の青春ファンタジー小説です。
あらすじだけを見ればなんとも無謀な物語で、このようなことが現実に起こりうる筈はないのですが、読み進むうちに登場人物たちの描く夢が読み手にも伝わってきます。

 作品は512頁の大作。
構成は大きく駅伝以前の日々と駅伝当日のふたつに分かれます。
前半部分は、ハイジにうまく操られながらも徐々に走ることと本気で向かい合うようになるメンバーたちの心の変化が描かれています。
後半部分は、メンバーひとりひとりの走る姿に各自の生き様を重ね、それぞれの持つ箱根駅伝の意味を浮き彫りにしています。
前半ではよく分からなかったメンバーたちの個性が明確になる部分です。
三浦しをんさんの書き込みすぎない明快な文章が魅力的。ユーモアもあります。

 すべての走者がそれぞれの特別のドラマを胸に秘めてひた走る箱根駅伝。
襷に託す思いもずっしりと重い。
考えてみたら箱根駅伝こそがドラマの宝庫なのに、今までこのように真っ向からランナーたちを題材にした物語はあまりなかったのではないかと思います。
それはおそらくリアル箱根駅伝の方が、予想を遙かに超えたドラマが展開するからではないかとnihaoは思うのですが...。
箱根駅伝に関しては、物語が現実を越えることはないのではないでしょうか。
しかしこのような難しい題材を上質の青春小説に仕立てた三浦しをんさんの才能に敬意を表します。
この物語は読むと誰もが元気になりますが、特に強く生きていくための方法を模索している若い人たちにぜひ読んでいただきたいです。

 私も引き続き三浦しをんさんの本を探して読みます。
昨年の本屋大賞の『舟を編む』は9番で予約待ちです。


 うららさんから「nihaoさん、読了後の感想、聞かせて下さると嬉しいです。」とのコメントを頂きました。
これもうららさんから受け継いだ襷(たすき)リレーのようなものです。
みんなで読後感の襷リレーが出来たら面白いですね。
さてこの襷、次は誰に渡そうかな?











脳トレジムがあればよい

2013-01-21 14:10:00 | Weblog
     
                   神曲の挿絵


 シュルレアリスムを代表するスペインの画家サルバドール・ダリ展が、盛岡市民文化ホールで開催中です。
今回のダリ展は、主に石版、銅版、木版、孔版などの版画を中心とした221点もの作品が展示されていて、これほど大規模なダリの版画展は、おそらく日本初ではないかということです。
美術の教科書で目にして記憶に残っている作品『やわらかい時計』がありました。
奇人かつ奇才としても有名なダリ。現実を超越した不思議な世界観の作品を楽しんできました。

 ダリの人物画って、筋骨隆々とした肉体を写実的に描いているものが多いので、筋肉美が大好きな友人M嬢を誘ってあげればよかったと思いました。

 私の周囲には料理の話や温泉の話が好きなマダムは大勢いますが、筋肉の話が好きなのはM嬢だけです。
彼女は、この世で一番大切なものは筋肉と言って憚りません。
もちろんそれには理由があって、独り者の彼女が、誰にも迷惑をかけずに元気で長生きするためには、筋肉の力にすがるしかないと考えているからです。

 当然ながら自身の筋肉を鍛えることにもやぶさかではない彼女、毎日筋トレジムに通い詰めています。
朝から夕方までプールやマシンを利用して身体を酷使し、さらにヨガやベリーダンスの修練にも余念がありません。
このような体育会系女子の筋肉至上主義が、私には全く理解出来ません。
一体なにが面白いのだろう?

 私は彼女にいつも警告しているのです。「もっと頭を使いましょ!」って。
彼女も私の全身を一瞥してニヤリ。「もっと身体を使いましょ!」だって。


 ところで世間に筋トレジムはたくさんあるのに、脳トレジムはなぜないのでしょうか?
 一流のアスリートたちは、筋力のトレーニングをするだけではなく、必ず脳力のトレーニングもするそうです。
いまやスポーツの世界は、体力や根性で勝利する時代から脳で勝利する時代に変化しているのです。
もし中高年のためのアンチエイジング脳トレジムがあれば...私は、少々お高い会費でも会員になりたいと思います。


 瀟洒なビルの中にハイグレードな設備を備えているトレーニングルームが並ぶジム。
囲碁・将棋、クイズ・パズル、英会話や記憶術、計算術・速読術、俳句・川柳、手芸・料理などなど、その日の気分によって...
「今日は言語脳を鍛えたいから英会話ルームに顔を出してみるわ」とか「今日は川柳でひらめき脳を養ってみようかしら」なんて、各種脳力開発プログラムをはしごするのは楽しそうです。

 これは巷によくあるカルチャーセンターとは異なります。
脳トレジムは、一つのジャンルの能力を極めるのではなく、様々なジャンルの能力をバランスよく開花させて、総合的かつ万能型の脳力を作り上げるのが目的です。
よく訓練されたイケメンのトレーナーからパーソナルトレーニングを受けたりすることも出来るのよ♪
 
 このようなアンチエイジング脳トレジムは、当然ながら認知症予防に大いに役立ち、中高年に活気と希望と目標とやる気を与えます。
同居しているお嫁さんや子どもたちも、厄介払いが出来たと喜んで送り出してくれるから、ひいては日本の家族の平和にもつながります。
脳力を鍛えることは、みんなが幸せに生きることと無関係ではないのです。

ああ、どうしてこのような脳トレジムがないのでしょう?
それともどこかにすでにあるのでしょうか?
 







もっとスキーを!

2013-01-13 11:40:00 | Weblog
  

           岩手山 (2013・1・11)

 今は亡きマダムHが愛して止まなかった風景、滝沢村・春子谷地から望む岩手山です。
ここから見る岩手山は格別雄大です。
マダムHは、この大きな岩手山を我がものにしたいと、ある秘策を弄しました。【マダムには秘密がある
おそらく彼女は、あの世でもこの世と同じくらい驚くほど元気に、みんなのお世話などしながら楽しく暮らしていることでしょう。

 スキーに行く時は、自宅二階の窓から岩手山を仰ぎ見ます。
岩手山の頭に雲がひとつもなければ絶好のスキー日和、上の写真のような日はスキー場は大荒れです。
この日は岩手山の教えを無視して出かけ、案の定あまりの強風と寒さに震え上がり、滑るのは早々と諦めました。


 我らポンコツ夫婦は、今まで休日は北東北の秘湯巡りを楽しんでおりました。
しかし雪深き冬の遠出は容易ではありません。
どうしたらよいだろうと思案していたところ、はたと天啓のように「そうだ!もっとスキーを!!」の考えに至りました。
スキー場ならば我が家の近辺にたくさんあります。
スキーは体力のある若い人だけのものではなく、コースや天候や用具を吟味して[無理しない・我慢しない・頑張らない]の鉄則を守って滑れば生涯スポーツになると思います。



            

 今年の初売りで最新のスキー板と靴を買いました。
オレはいらない!」と言い張っていたオットーも、私が新調すると競うように新しい用具を買い求めました。
オットーにとってはカービングスキーは初体験です。

(さてここからは、ピッカピカの新品の用具を身につけて白銀のゲレンデを舞うnihaoに、上村愛子さんのイメージを重ねながら想像して読んでくだされば幸いに存じまする♪)
 
    スキー場は今まさに最高のコンディション。
冬休み中でもこのように閑散としているので(クリックすると拡大します)、まるでプライベートゲレンデです。
しかし何だか調子が出ないなぁ...
スキー靴も板もなかなか身体に馴染んでくれず、オットーにどんどん遅れをとってしまいます。

 ぼやっとしたら転倒して(こんな緩斜面で上村愛子がこけるだろうか?)、さぁ、ここからが大変でした。
なぜだろう、怪我もしていないし、転び方も立ち上がり方も知っているのに、全然起きあがることが出来ません。
スキーを外してみたけれどそれでも駄目。すごく焦りました。
身体が全然自由にならない。これは絶対に重くて頑丈なスキー靴のせいだ!

 写真斜面の左側にてこちらを見上げているのはオットーです。
 ああ、遙かなるディスタンス! 大事な時に何の支えにもならない夫です。

 10分くらいもたもたと奇妙な動きをしていたら、若い男の子がやって来て「おばちゃん、手貸そうか?」と言って助けてくれました。
いつも感心するのですが、日本の若い男の子たちは、おばさんにとても親切です。

 オットーには靴のせいではなく体力の低下&老化のせいだと一笑に付されました。
靴のせいにするなんて己を知らなすぎるとも言われました。
なるほど、このような残酷な形で自分の体力の衰えと向き合うことになるとは思ってもいませんでした。

 自宅の廊下で起きあがり方を練習しました。
用具のせいでもあるようだし、悔しいけれど老化のセンもかなりありそうです。
今後はいっそう注意して滑らなければならないと思いました。








かくも果てしなく過酷な営み

2013-01-04 13:35:00 | Weblog
  
  

 穏やかな天気だった元旦から、一夜明けて景色が一変しました。
盛岡地方の積雪量は33センチ。
苦手な雪かきを、ため息をつきながら何度もやりました。
でも日本海側の地域や北海道の方々のご苦労を思うと、まだこれぐらいで音を上げる訳にはいきません。

 ところで北海道人たちと話をすると、ほとんどの人が「雪かき」のことを「雪はね」と言います。
「雪はね」って?

 雪の上で跳ねながら除雪する? 
 除雪した雪が空中をキラキラ舞う。雪羽根?
 みんなで並んで雪をはね飛ばしながら除雪する?

なんだかとても楽しそうな様子が浮かんできます♪
「雪はね」は道産子のnihaoにとっても耳にしたことがない言葉だったので、初めて聞いたときは驚きました。

 私の子ども時代には、両親も地域の大人たちも、除雪に関しては皆「雪かき」という言葉を使いました。
「雪はね」という言葉はなかったので、これは新しい方言ではないでしょうか?
道具などの進化によって「雪はね」という言葉が生まれたのかもしれませんが、はたしていつ頃から使われるようになった言葉なのか、知っている方がいらしたら教えてください。
 
 「雪はね」はとても美しい言葉だと思います。
北国の人々の果てしなく過酷な営みである除雪が、この美しい言葉によって気分だけでも少し軽くなり、明るく楽しく立ち向かうことが出来ますようお祈り申し上げます(と言っても現状は少しも変わらないけれど...)


 ところで私は、岩手に来て初めての冬を迎えた時、オットーに提案したことがあります。

北海道の男たちは女性には決して雪かきをさせない。私は父からも兄弟たちからもスコップすら持たされたことがない。岩手の習わしではどうか知らないが、ここは北海道式でやっていかないか?

 オットーは、私の話を聞いて北海道の男たちの優しさと逞しさに感動いたしました。
岩手の男たちも負けられない!オレたちだって決して封建的ではないのだぞ!
それを証明するために、オットーは私の要求を黙って呑むしかありませんでした。

 それからというものどんなに大雪の日でも、オットーひとりで雪かきをするのが我が家のうるわしい習慣となりました。
ああ、確かに大変だけれど...しかし同情を寄せていただくほどのことではありません。
幸いにも岩手は降雪量が少ないので、雪かきをするのは年に数回のことなのです。


 しかし時は巡り、オットーの健康にもあちこち翳りがさしはじめ、ついに大病を患いました。
病気は奇跡的に回復し、元気で現在に至っていますが、医師から禁じられていることがたったひとつだけあって、それが「雪かき」だというから皮肉なものです。

 オットーの胸部にはAED(自動体外式除細動器)が挿入されています。
雪かきのような姿勢を長時間続けることは、彼の持病に何らかの悪影響を与えると思われます。
故に現在は立場が逆転。雪かきはすべてか弱き私の仕事となりました。
窓辺に立ったオットーが、毎回偉そうに司令官のごとき指示を出すので頭にきます。
でも因果応報というのは、きっとこういうことを言うのでしょうね。


 えっ?[北海道の男たちは女性には決して雪かきをさせない]って本当かって?
あはっ、そんなこと嘘に決まっているでしょうが