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昨年図書館から借りて読んだ本は125冊でした。
前年と比べたら少し数が減ったので目標達成です。
少しずつ読書の時間を減らして、その他のことも頑張らなければならないと一応は考えている訳であります。
ちなみにブログの更新数は、2010年(81回)2011年(40回)2012年(27回)と...あ~っ、こちらも頑張らなければなりません。
好みの本の傾向は決まっていますが、出来るだけたくさんの作家と出会いたい。
好みの作家さんに出会う喜びは、おそらく恋のときめきに似ていると思います。
去年の私の恋人は断然→【深谷忠記さん】
ベテランの本格的社会派ミステリー作家で、平成の松本清張といった重厚な作風です。
さて今年は、今話題の三浦しをんさんの本をまとめて読んでみようかなと考えていた矢先に、ブログ仲間【うららさん】の『風が強く吹いている』の記事を読みました。
これは読書家のうららさんの去年の一押し作品で、箱根駅伝を題材とした物語です。
箱根駅伝といえば、私のテレビ生活の中でも一番楽しみにしている番組です。
過去にこのような記事【駅伝選手】も書いています。
『風が強く吹いている』は、元高校駅伝のエリートランナーであった走(カケル)と、足の故障を抱えながらも箱根路を走る夢を抱き続けている灰二(ハイジ)が、同じアパート(竹青荘)に暮らす陸上素人集団の学生たちを率いて箱根駅伝出場を目指す内容の青春ファンタジー小説です。
あらすじだけを見ればなんとも無謀な物語で、このようなことが現実に起こりうる筈はないのですが、読み進むうちに登場人物たちの描く夢が読み手にも伝わってきます。
作品は512頁の大作。
構成は大きく駅伝以前の日々と駅伝当日のふたつに分かれます。
前半部分は、ハイジにうまく操られながらも徐々に走ることと本気で向かい合うようになるメンバーたちの心の変化が描かれています。
後半部分は、メンバーひとりひとりの走る姿に各自の生き様を重ね、それぞれの持つ箱根駅伝の意味を浮き彫りにしています。
前半ではよく分からなかったメンバーたちの個性が明確になる部分です。
三浦しをんさんの書き込みすぎない明快な文章が魅力的。ユーモアもあります。
すべての走者がそれぞれの特別のドラマを胸に秘めてひた走る箱根駅伝。
襷に託す思いもずっしりと重い。
考えてみたら箱根駅伝こそがドラマの宝庫なのに、今までこのように真っ向からランナーたちを題材にした物語はあまりなかったのではないかと思います。
それはおそらくリアル箱根駅伝の方が、予想を遙かに超えたドラマが展開するからではないかとnihaoは思うのですが...。
箱根駅伝に関しては、物語が現実を越えることはないのではないでしょうか。
しかしこのような難しい題材を上質の青春小説に仕立てた三浦しをんさんの才能に敬意を表します。
この物語は読むと誰もが元気になりますが、特に強く生きていくための方法を模索している若い人たちにぜひ読んでいただきたいです。
私も引き続き三浦しをんさんの本を探して読みます。
昨年の本屋大賞の『舟を編む』は9番で予約待ちです。
うららさんから「nihaoさん、読了後の感想、聞かせて下さると嬉しいです。」とのコメントを頂きました。
これもうららさんから受け継いだ襷(たすき)リレーのようなものです。
みんなで読後感の襷リレーが出来たら面白いですね。
さてこの襷、次は誰に渡そうかな?