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初めまして。ももちゃんです。
桃の節句の頃に我が家にやって来たのが名前の由来です。
子犬のようにあどけない顔をしていますが、もう14歳のお婆ちゃんです。
寝てばかりいて、食事以外のことには興味を示しません。
完璧だったトイレの躾は、もう完全に忘却の彼方で、食事中の私たちの足下で粗相をすることも度々です。
散歩するのも億劫がるので、無理矢理引きずって連れ出します。
目は白内障で白濁し、毛は全く艶を失い、そこはかとなく臭く、「おすわり」も「待て」も忘れました。
姑亡き後、ももちゃんの介護をしなければならないことは早晩覚悟の上でした。
1週間ほど前から、ももちゃんの体調がすこぶる悪くなりました。
嘔吐や下痢を繰り返し、一日中元気がありません。
ちょっと留守をして帰ると、足を踏み入れるのが恐ろしいほどリビングは汚物まみれです。
あまりに哀れ。涙を堪えながら念入りに掃除する毎日でした。
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熱風吹き抜けるストーブの前で、じっとして動かないももちゃん。
......もしかしたら死ぬかもしれないね.......
私と夫は顔を見合わせ、複雑な視線を交わしました。
「婆婆が死んだときは泣かなかったけれど、ももちゃんの時は大泣きするかもしれない。どうしよう!」
と私。
「うん、わかる。オレもそうなるかもしれない........。」
と夫。
人はなぜ、あんなに世話になった親の死よりも、ペットの死の方が悲しいのでしょうか?
ももちゃんの下痢は続き、目を離すことが出来ませんでした。
そこで私は一念発起。もう絶対無理だと思われるトイレの躾に、再度チャレンジすることを決意しました。
大きく広げた新聞紙の上にペットシートを敷き、ぶるぶる震えて弱っているももちゃんを誘導し
「ここがあなたのトイレです」
何度も何度も語りかけました。
「首尾よくいけばごほうびをあげます」
奇跡が起こり、ももちゃんが昔の記憶を取り戻しました。
奇跡は、もう三日間も続いています。
よたよたとよろめきながらも、一日中何度も寝床とトイレを往復します。
もしかしたら最後の飼い主孝行のつもりか?
その健気で律儀な飼い犬の姿は、思わず涙を誘います。
このまま成功すれば、雨降りや雪降りの日に無理して散歩に行く必要がなくなり、ももちゃんと私たちの負担も減ります。
そして......昨日から、ももちゃんは元気回復し始めました。
食事の時間にはワンワン吠えて、旺盛な食欲を誇示します。
夫が帰宅した時、勢いよくしっぽを振りながら迎えにいったので、家中に安心の笑顔が戻りました。
桃の節句が間近です。
今年こそ我が家の癒しの女神のために、久しくしまい込んでいたお雛様を飾って、盛大にひな祭りをしなければならないと思っています。