『阿仁熊牧場』
秋田の名湯・秘湯を探索しながらうろうろしていたら、北秋田市で【熊牧場】を発見!
この熊牧場は、女性従業員2名が脱走ヒグマによって殺されたという、いまだ私たちの記憶に新しいあのむごたらしい事件を起こした八幡平熊牧場とは違います。
あちらは悪い熊牧場の見本。こちらは優良熊牧場。
八幡平熊牧場のヒグマたちの行き先がなかなか決まりませんでしたが、北秋田市では全頭を受け入れる方針であることを発表しました【読売新聞】
27頭のヒグマを受け入れるのは大変な決断だったと思います。
経営に問題があったのであって八幡平牧場の熊たちに罪はありません。
早く良い環境の中で安心して生きていけるようにしてあげてほしいと思います。
『子ぐま』 『ヒグマ』
阿仁熊牧場では、熊は(エゾヒグマ、ツキノワグマ雄、雌、子熊、ふれあい子熊牧場)の五種類に分けて飼われています。
若い男性従業員が高圧洗浄機を使っての檻の清掃に余念がないので園内はとても清潔です。
子ぐまは縫いぐるみが動いているようで愛らしい。
触ったり抱っこしたりも出来るようになっています。
ヒグマはさすがに王者の風格。
自分の名前を知っていて、呼ぶと立ち止まってこちらを見上げます。
比類なくどう猛な動物であることが知られているヒグマですが、幸い八幡平牧場で脱走したヒグマは全頭捕獲されました。
しかしもし一頭でも裏の山に逃げおおせて生き抜いていたとしたら...ああ、想像するだけでも恐ろしいことです。
熊たちには売店で買ったおやつ(ペレット)を投げ与えることができます。
適度な食生活をさせてもらっている彼らは、衣食足りて礼節を知っているので、それほどどん欲ではありません。
ペレットを争って激しい喧嘩などはしませんが、それでもおやつが欲しくて手や胸を叩いておねだりしたり、木の上に登って出来るだけ目立とうとします。
その仕草があまりにも滑稽なので、本当は熊などでなく、人間が熊の着ぐるみの中でサービスの演技をしているのではないかという錯覚に陥ります。
このように人なつこくて愛らしい熊たちを見ていると、熊と人間は日常生活の中でも仲良く共存していけそうな気がしますが、それは楽園の中だけのお話で現実は大変厳しいです。
いや、熊牧場の檻の中が熊の楽園だと考えているのは人間のエゴ。
人間に向けて爪と牙を研ぎながら常に野生を目指している存在が熊なのでしょう。
八幡平熊牧場の事件が起きた時に、はたと思い出した小説がこれ↓
『ファントム・ピークス 北林一光著』
まだまだ暑さが衰えないこの夏、この物語を読むと恐ろしくて震え上がること間違いありません。
私は読後三日間冷感が持続しました。オススメの一冊です。