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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

ソファの王道

2011-08-31 12:12:00 | Weblog
 以下は3・11東日本大震災以降の5ヶ月間で発生した我が家の家具、電気製品等の故障ラッシュの現状です。

 ★止水栓の修理  ★システムバス・リモコンの買い換え 
 ★ピアノの大修理 ★オットー部屋テレビの修理    
 ★調理台セット(システムキッチンとは言い難く)の買い換え  
 ★パソコン・モニターの買い換え ★シャワートイレの修理及びタンクの買い換え

 どうしてこう何もかも意地悪く一気に故障しなければならないのでしょう?
震災との因果関係は全くないし、どこにも不平や愚痴をこぼすことはできず、ただじっと通帳残高の減少を見つめているだけです。
いまだ余震多し! 我が家の赤字はマグニチュード8! 

 あっ、そうだ! 肝心の大物を忘れていました。
 ★オランダ製ソファセット(またの名を伯爵)の張り替え





 17・8年前のある日、我ら夫婦は10万円だけ握りしめ、居間用のソファを探し求めて盛岡中の家具店を駆け回っておりました。
色とかデザインとか材質とか、特にこだわっていた訳ではありません。
こだわっていたのは唯一値段だけ、高価なものを買える道理はないのです。

 ところがある家具店で伯爵に出会い一目惚れしてしまいました。
どっしりしてゆったりして、なんて素晴らしい座り心地!
重厚な中に優しさと温かさが漂うのも伯爵の大きな魅力でした。

 予算を大きく超えたけれど、思い切って月賦で買うことにしました。
家具屋さんが
「部屋に収まりますか? 全体とのバランスは大丈夫ですか?」
とかいらぬ心配をしていましたが、もう何を言われても聞く耳を持たない我らでした。
むしろあのケチなオットーの方が、私より購入に積極的だったのです。
貧乏な我らが、初めて自分たちに許した贅沢品でした。

 伯爵が我が家の居間に収まると、子どもたちやお爺ちゃんやお婆ちゃんから
凄~い!一体このソファいくらしたの?
何度も執拗に聞かれましたが、私たちは絶対に本当の金額を言いませんでした。
いや、忍耐と我慢で結ばれている家族だからこそ、本当のことは言えませんでした。
何度も嘘をついているうちに、今ではいくら支払ったのか、あれっ?本当に忘れてしまった....

 



 ほころびたりすり切れたり、さすがに伯爵も寄る年波には勝てません。
ネットでソファの張り替え屋さんを探し依頼することにしました。
普通のソファは背もたれと座面が分かれていますが、伯爵は一枚仕立てなので修理が大変難しいそうです。
「このタイプはやったことがないけれど、ぜひやらせてください。頑張ります!」
リフォーム屋さんもかなり興奮気味でした。
劣化している座面の部分だけを張り替えることにしたので費用も予算内で収まりました。






 ソファを外すと、このような木製の枠が現れます。
この丁寧な手作り感にも惹かれています。
毎日ワックスをかけて磨き、伯爵が戻ってくるのを待っていました。









 修理が終わりました。大急ぎでやってくれたので4日間で出来上がりました。
見違えるように美しく新しくなりました。
リフォーム用に選んだ皮との違和感も全くありません。
最近はお客さんがいらっしゃる度に、古ぼけた伯爵の存在が恥ずかしく、クッションでほころびなどを隠していたのですが、これでもう大丈夫!
私もまた今まで以上に寛いで、よき夢を見ることができそうです。
マダムのお昼寝のよき相棒...これぞソファの王道ですから。






田舎館村

2011-08-23 12:30:00 | Weblog
 車をエコカーに買い換えました。
ガソリン1リットルで30キロ走るとの呼び声高い車です。
もちろん車を取り巻く諸々の条件や環境に左右されますが、はたして信用出来る数字なのでしょうか?

 噂が嘘であるか真であるか確かめるべく、暇があればあちこちと遠出をしています。
でもいまだに納得いく答が出てきません。
一昨日は『嶽きび』を求めて青森県まで出かけてきました。


             

                 『岩木山』

「♪お岩木山のてっぺんを 綿みてえな白い雲が ポッカリポッカリ流れてゆき♪」

 美空ひばりの『リンゴ追分』の台詞の冒頭に出てくるお山が岩木山です。
嶽きびはこの山の麓で売っています。甘味の強いとても美味しいとうもろこしです。

 この写真でははっきりしませんが、山頂は三つの峰(鳥海山・岩木山・巌鬼山)に分かれています。
先月私は、写真左側の鳥海山に登りました。
いつもの如くオットーには「お前一人で行ってこい!」と途中で突き放されたので、たった一人でてっぺんまで頑張って登りました。
標高1,625m、さすがに爽やかな達成感が・・・とは言っても八合目まで車で行けますし、さらに九合目までリフトが出ています。
その後鳥海山までは徒歩10分という超楽々コースでした。

 嶽きびを買って盛岡に向けて南下していた途中、田舎には似つかわしくないど派手なお城を発見しました。
なおかつ村の名前が田舎だぜ村田舎館村
この田園風景の中ではあまりにベタな名前で、冗談ではないだろうかと目を疑った我らです。


              


 田舎館村役場庁舎です。天守閣や大手門もあります。
日本人はお城のある風景が大好き、こんな夢のある建物が日々の暮らしに直結する役場庁舎なら、村民の皆さんは楽しくて仕方ないと思います。
おそらく村長さんは、天守閣から民の日々の暮らしを観察していることでしょう。

 そして私が何よりも驚いたのは・・・やはり田舎館村という村の名前です。

 田舎という言葉は、古代から中央の対極の言葉として格差を意味する言葉として使われてきました。
人を卑下するときにも「田舎者」と言う言葉を使いますが、こちらも悪意が感じられます。
長い間田舎は、田舎であるという理由だけで馬鹿にされ続けてきたのです。

 しかし田舎館村の人たちは、偏見や差別には屈することはなかったのでしょう。
日本中どこを探しても、自分たちの村を堂々と『田舎村』と名付けている村は存在しません。
田舎だから田舎館村なのだと、開き直って暮らす姿勢がなんとも気持ちよいです。

 地方が元気を失っています。
田舎にとって今、画期的な地域興しの実現が最緊急重要課題となっています。
私は田舎館村のことを何も知りませんでした。
でもこの村に到着した時に、どうしても車から降りて歩いてみたくなりました。
村に漂う人を惹きつける温かい力・・・このような力が地域の再生のために必要なのではないかと思います。
 
 田舎館村は道の駅もアイディア豊富で賑わっていました。
そしてこの日は、田んぼアートがちょうど見頃でした。
天守閣からアートを見学した気分は、まるでお殿様のようでした。








      『竹取物語』







真夏の夜の反省

2011-08-18 14:03:00 | Weblog

       


            『鮎舟』


 奥州市江刺区の菓子処『菊正堂』で買い求めた和菓子です。
マシュマロ製の鮎です。
手持ちのガラス皿の上にアレンジしたら清涼感が生まれました。


 毎日うだるような暑さが続いております。
夜になっても一向に涼しくなりません。
どちらのお宅でも朝まで窓を全開にして寝ていらっしゃることでしょう。

 三日間のお盆休みを戴いてご機嫌なMr.Oも、リラックスして大好きな夜更かしをしておりました。
お盆中は終戦特集の戦争映画や、彼の愛して止まないド演歌・懐メロ番組が目白押しです。
日中は夫人に振り回されお盆行事の消化に忙しいMr.Oですが、夜は自室に籠もり録画していた番組の鑑賞に余念がありませんでした。

 
  ビューン! バキューン! バンバンバン!!


 太平洋戦争の火ぶたを切った真珠湾奇襲作戦を描いた大型戦争映画『トラ・トラ・トラ』を観ています。
もう何度も観ているのに、その都度新鮮で興奮するそうです。
昔の映画なので飛んでいるゼロ戦も爆破シーンも全て実物、CG慣れしている現代人の目には驚愕のリアルさです。
深夜1時半にも拘わらず音量を上げ画面に釘付けのMr.O。

 突然、窓外から誰かが彼に呼びかける...

 「スミマセ~ン!眠れないのでテレビの音を小さくしてくれませんか!!

 ...後ろの家に住むMr.新人類です。

 Mr.OとMr.新人類は、まだ一度も顔を合わせたことがありません。
都会では騒音トラブルによる殺人事件などの発生もままあります。
Mr.新人類にとっても、かなり悩んだ末の行為だったのではないでしょうか。
しかしMr.Oは素直にゴメンナサイと謝って、慌ててテレビの電源を消しました。
そして申し訳ないことをしたと、ひとり、もの凄く反省いたしました。

 都会暮らしなら生活音や騒音をたてないように注意して暮らすのが常識ですが、このところそのような気遣いを完全に失念していたMr.O(しかも自分は良識人だと思っている)にとって、これはかなりショックな出来事でした。

 数年前までMr.O宅の後ろは広いりんご畑と田んぼでした。
しかしいつの間にか風景が一変。賑やかな住宅地となり新住民がどんどん越して来ました。
都会のように密集した状態の住宅地ではないので、生活音や騒音をあまり気にする必要はありませんが、それではいけない場面もあるのです。
この寝苦しい熱帯夜に、全開した窓から「ビューン!バキューン!バンバンバン!!」とやかましい爆撃音が聞こえてきたらたまりません。
誰であってもよそ様の深夜の平安をかき乱すようなことはしてはいけないのです。


 あれ以来Mr.Oの部屋は大変静かです。
彼は音量に関しては最大の注意を払うようになりました。

 夫人は、Mr.新人類の勇気ある行為に感心し、なおかつ夫であるMr.Oの素直に反省する態度を見直しました。
そして日中は、お馬鹿なテレビ番組を大口開けて笑って見ていたり、近所のマダムたちと大声でお喋りして騒音をまき散らしている自分のことを深く反省いたしました。







モテ期

2011-08-11 15:07:00 | Weblog





(蓮の花)


 近所に、田んぼの一面を使って蓮の花を育てている農家の方がいます。
花には背景というものが大事です。
池や沼の蓮になら西方浄土の神秘を感じることが出来ますが、田んぼの蓮にはあまり風情はありません。
でも近くで見られるのが嬉しくて、花盛りの時期になると、ついこの場所に足を運んでしまいます。

 咲いてる!咲いてる!
蓮の繁殖力はめざましく、今年もまた一段と子孫を増やしておりました。
食用ではなく観賞用の蓮の花。得も言われぬ妖しく美しい色合いです。
強烈な日差しの下で、田んぼの持ち主氏が草取りをしていました。


 私は携帯電話で写真を撮っていました。
私の存在に気がついた蓮男さん(はすお:田んぼの持ち主氏)、ゆっくりと私の側にやってきました。
あっ、無断撮影を咎められるのねと覚悟したら、突然無骨な顔と声で
これ、持ってけ!!
大きな蓮の蕾七本入りの花束を、私に向かって差し出したのです。

 戴いてよいのでしょうか? 私はドキドキしてしまいました。
だって悲しいかな、今まで男性から花束を貰った経験がない...
花束を戴くって、こんなに嬉しいものだったとは知りませんでした。
その蓮の花が↑です。仏壇に供えたら豪華なお盆の花となりました。

 それにしても女性の喜ばせ方を知っているテクニシャンの蓮男さん。
とうに80歳は越えていると思われますが、世の男性たちは蓮男さんを見習うべきです。 
 

 人生には、誰でも三度のモテ期(もててもてて困る時代)があると言われています。

「あ~ん、本当? 全然思い当たる節がないんだけれど。」
 
 どんな事柄にも例外というものはあるのです。
いくら過去をひもといても、該当する恋愛履歴を持たない人はいるでしょう。
常にモテ期で、華やかな時代を面白可笑しく生き抜いてきた人もいることでしょう。
しかしこの麗しい季節、いつまでも続く訳ではありません。
40代の半ば頃には、たいていはストップしてしまうのです。
でももしかしたら私、今頃ついにモテ期がやってきたかもしれません
 
 秘密を打ち明ければ...蓮男さんばかりではないのです。

 瓦斯男(がすお)さんもお土産を持って、最近よく我が家にやってきます。
ガス器具を買ったのはもう半年も前、普通なら訪問する義務はないと思われます。
「マダムのガス台が心配で心配で...」
我が家のガス台は不良品なのでしょうか?
瓦斯男さん、あんまり来られると、私、本当に心配になってしまう...


 屋根男さんもかなりしつこくやってきます。
「マダムにだけの特別価格で美しく塗り替えてあげますよ。」

 得練技(えねるぎ)さんも然りです。
「マダムの家を太陽光パネルのモデルケースにさせてください!」
あの人もこの人も次々にやってきて、私への一方的な興味と関心と熱情を訴えてくるのです。

 もてない友人には
「もてない女が急にもて始めたらもてもて詐欺を疑おう!」 
と注意されましたけども。
ああ、早くモテ期を脱出したい....




 


 


お弁当の運命は...

2011-08-03 11:45:00 | Weblog
 珍しく、バスに乗って出かけなければならない用事が出来ました。
バスは苦手です。
滅多に乗らないので正しい乗り方が分かりません。
乗り方を教えてもらっても、自慢ではないけれどすぐ忘れます。

 バスの中は見知らぬ人ばかりで形成されている空間なので、先ず、皆さんに迷惑をかけないようにと自分を戒めてから乗ります。
凄くドキドキします。

 前回バスに乗った時は、バスカードが機械を通過しませんでした。
乗車した途端に不幸なアクシデント発生!
何度試みても駄目で、乗客の皆さんの冷たい視線を浴びて恥ずかしかったです。
私のせいで出発が遅れ大変迷惑をかけてしまいました。
だからバスは嫌いです!

 降りる時もまた失敗。いくら停車ボタンを押しても点灯せず焦りました。
力いっぱい押しているのに...
仕方ないので叫びました。「私、次降りま~す!
あれっ、どうやら別のところ(?)を押していたみたい。
失敗をおそれるあまりに緊張しすぎ、予期せぬミスを誘ってしまうのです。
だからバスは嫌いです! 
なんて意地悪で居心地の悪い空間なのでしょう。


 そして今回は案の定、行き先を間違って乗ってしまいました。
バスが来たぞ!」 
バスに乗れる嬉しさで、行き先の確認を怠ってしまいました。
しばらくして窓外に私の知らない景色が流れ始めてギョッ!
当然ながら、終点で途方に暮れて佇んでいる私がおりました。
バスに乗るとろくな事が起きないことには慣れています。
これぐらい、へ、平気です!

 
 ところでバスに乗るときに、バス停の後ろの石垣の上にこんな落とし物がありました。


              



 女子高生さんかOLさんのお弁当?
いや、ちらっと覗いている割り箸がおばさんぽいとnihaoは思います。
手作りのお弁当袋が愛らしい。
途中で忘れたことに気がつくでしょうか?
しかしせっかくのお弁当も、この真夏の空の下では腐敗の一途を辿るだけ。
その前に、どこかの腹ぺこさんに盗まれてしまうかもしれません。
悪ふざけで隠されたり持ち去られたりするかもしれません。
可哀想に、このお弁当の運命にはあまり希望が持てないと思いました。
ところが...


             



 4時間後に帰宅して石垣の上を覗いたら、盗まれずにまだありました!
人通りの多い場所なのに奇跡的です。
それどころか...本日は雨模様、お弁当がずぶ濡れになるのを心配した誰かさんが、すっぽりとビニールの袋をかぶせてくれていたのです。
ビニール袋のおかげで、お弁当の存在感が消えて少し目立たなくなっていました。
このままだと夕方には無事に持ち主の元に戻ることになるかもしれません。
このお弁当の運命は、なかなか捨てたものではありませんでした。

 このような思いやりに溢れた光景を見せられると
人間に生まれてよかったなぁ」とつくづく思います。