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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

実名か?番号か?HNか?

2013-06-19 12:05:00 | Weblog
 ここ2・3日、小泉光男岩手県議会議員の放言ブログに関する話題が世間を賑わせておりました。

 なにやら小泉県議、盛岡の県立中央病院を受診した際、「241番!241番!」と番号で呼ばれたことに腹をたて「ここは刑務所か!」と受付嬢に食って掛かる始末。
さらに、自分は検査費に1万5千円も支払う上得意客なのに病院の対応が失礼だとのたまい、会計もすっぽかして帰ってしまったそうです。
それでも怒りはおさまらず、自身のブログで不満をぶつけ、読者に問いかけました。

ブログをご覧の皆さん、私が間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか?

 小泉県議、さっそく賢明なる(?)読者の皆さまがたから

個人情報保護法も知らんのか?
支払いを拒否するなんて犯罪ではないか?
権力を笠にきた我がままな田舎議員だ!
おまえみたいな」県会議員は岩手の恥だ!

 などと教え諭されたり罵倒されたりで、ついに謝罪することとなりました。

 で・・・私の正直な感想は「ちょっと面白い県議だな」です。
言いたいことも言えない大病院へのクレームの一人芝居としては、これはなかなかよく出来た筋書きではないかと思いました。
小泉県議も問題提起のつもりで言ったことで、まさかこのような厳しい批判にさらされるとは思っていなかったのではないでしょうか?


 小泉県議の放言は、あくまでも個人的な経験のなかでの正直な感情の発露であり、たとえば先般の橋下徹氏の国と国との間の埋めることの出来ない歴史的・感情的な問題が背景になっている案件への放言とは比べようもなく小さいことのような気がするのです。
小泉県議は岩手県立中央病院の対応に関して、自分自身の感情にこだわった感想を述べただけです。
無知ではあったかもしれませんが無知は罪ではありません。
常識を逸脱しているところがあるかもしれませんが、この程度のことをやたら問題視するのはどうかなと思う訳です。
しかも最後にどちらが間違っているかと読者に問うたのは、おそらく自分でも判断に迷った証拠でしょう。
これはもう表現の自由の範囲内の出来事としか私には思えませんでした。
まあ、やいのやいのと言いたがるのも自由だとは思いますが。


 実はオットーも、生還率数%の生きるか死ぬかの難しい病に倒れ、この岩手県立中央病院の医師たちに命を助けていただきました。
もちろん大変感謝しております。

 ところが退院後初のオットーの外来診察に付き添っていた日のこと、受付嬢が患者を、名前ではなく三桁の番号で呼んでいることに気がつきました。
確か個人情報保護法が施行されたばかりの頃だったと思います。
そのときの私の気持ちは小泉県議と同じでした。
長期間生死の狭間をさまよいながら闘ってきた特別な命なのに、病院は夫を名前では呼ばず荷物のように番号で呼ぶのか・・・と非常に複雑な思いをいたしました。

 そこで「番号で呼ばれるのは嫌じゃない?」と尋ねたら、オットーが「番号の方がよい!」と明快に答えたので、幸いにも私は小泉県議のようなクレーマーにならないですみました。

 個人情報保護法が「個人の権利利益を保護することを目的とする」ためにあるとは言ったって、番号で呼ばれるのが嫌な人もたくさんいらっしゃることでしょう。
政治家・小泉県議のように実名を連呼された方が権利利益の保護になる人もいらっしゃるでしょう。
この三桁の番号は死ぬまで変わらないそうですから、「もっと覚えやすい番号が欲しい」と思う人や、今後はお金を出して番号を買いたいと言い出す人も出てくるかも(?)しれません。
私のように数字に弱い人間は、三桁の番号でも絶対に覚えられそうにないのが悩みのタネです。

 自分でどちらにするかを選択することは出来ないのでしょうか?
選択できないのであれば、実名でも数字でもないHN(ハンドルネーム)を使ったらどうでしょうか?

 「消化器内科のマダムnihaoさ~ん」とか「小児科の我が心のともしびちゃ~ん」とか呼ばれたら、プライバシーは守れるし、病院がもっと楽しくなること請け合いです(なんちゃって)











泣かせるピアニスト

2013-06-12 20:40:00 | Weblog
       
         

                辻井伸行

 辻井伸行さんは、2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、日本人として初めて優勝した盲目のピアニストです。
20歳のときに受賞、その才能は内外から高く評価されました。
その後の進歩も目覚ましく、現在チケットを入手するのも大変困難な人気ピアニストのひとりです。


 「辻井伸行のコンサートに一緒に行かない?

M嬢がやってきた時、実は今月、私は既にハンガリー歌劇団の『椿姫』と『プラハ交響楽団』のチケットを購入済みでした。
今年はなぜか一年分のクラシック鑑賞が6月に集中してしまって家計のやりくりも大変です。

 「行きたいけれど、これ以上買うと財政破綻するし、チケット入手は難しいんじゃな~い?

などとブツブツ言いながら態度を明確にしないでいたら、後日、頼みもしないのにM嬢が気をきかせて私の分も用意してきました。
コンサートチケットは20分で完売。諦めずに頑張って電話をかけまくったそうです。

 そういえば以前M嬢と私の間ではこんなこと【白鳥の湖】がありました。
おそらくM嬢は私と一緒にコンサートに行きたいのでしょう。
辻井伸行・・・私も興味はあるけれど、ひとりでは絶対に行かないと思うから、ちょうど良かったかもしれません。
苦労してチケットを獲得してくれたM嬢に感謝です。

 [辻井伸行コンサート2013・in盛岡] 心うたれる素晴らしい演奏の数々でした。
ピアノは退屈で難解な感じがして今まで敬遠していましたが、私の無知と偏見は完全に覆されました。
前半はドビュッシー、後半はショパンで構成され、その華麗な指運びとともに、なんという音色の美しさ、純粋さ、力強さ、そして聴衆の心を魅了してやまない豊かで圧倒的な表現力!
ヴァン・クライバーンコンクールで受賞した頃と比べると、ものすごく上手くなっているのが素人の耳にもはっきりとわかります。
興奮と感動が何度も押し寄せて、不覚にも涙が流れてきました。
アンコール曲は5曲。フジコ・ヘミングとは趣の異なる『ラ・カンパネラ』の演奏もありました。
 
 私以外の女性も男性もM嬢も、みんな泣いていました。
辻井伸行は大の大人たちの心を根こそぎ奪い泣かせるピアニストです。
あちこちからすすり泣きが聞こえるピアノコンサートは初めてでした。
本当のことを言うと私は、もう前半のドビュッシーから泣きそうになっていたのです。
聴衆は何故に泣いてしまったのか? 
彼の持つ障害に同情したのではありません。
辻井伸行の持っている希有な才能と感性に共鳴したのだと思います。

 こんなに素晴らしいピアニストですがひとつ心配なことがあります。
いくらファンが多いとはいえ、ちょっと活躍させられすぎではないでしょうか。
このままマスコミや商業主義にいいように消費され利用されるのは、まだまだ伸びしろのある若き演奏者の未来にとってプラスになるとは思えません。
この将来有望な芸術家の才能を静かに見守って行くことも大事なことではないかと思いました。

 盛岡市・都南文化会館でのコンサートは6月2日のことでした(じぇじぇ、もう10日も過ぎている?)
とても素敵なコンサートだったのに、感動をすぐブログに反映できないところが我ながら情けないところで反省しております。