ミセスWがやって来て言うことには
最近子どもの学校のPTAで知り合って意気投合した女性がいた。
何度か一緒に活動しているうちに、もっと親しくなりたいと思った。
すると先にその女性の方から
「もっと仲良くなりたいわ。お宅にお邪魔してもよいですか?」
と言われ、自分の気持ちが通じたと嬉しくなった。
当日は、手作りのお菓子などを用意して楽しみに待っていたら、その女性は、大きなバッグを抱えてやってきた。
バッグの中は高級化粧品がぎっしり。彼女は化粧品のセールスレディだった。
親しくなるどころか最初から最後まで営業トーク。
子ども同士が同級生だと冷淡なそぶりは出来ない。
心優しく気弱なミセスWは、断ることも出来ずに泣く泣く化粧水を1本買うはめに。
人の良さにつけ込まれ、挙げ句の果てに利用され
「裏切られたようなとってもイヤな気分!」
と嘆いていたが......
彼女の話を聞きながら、私も似たようなことがあったことを思い出した。
化粧品や高級下着の販売、宗教の勧誘。
ミセスWと同じように裏切られたような思いをしたことが何度かある。
しかし...このくだらなき人生。
逆に私自身が裏切った経験はなかっただろうか?
いくら考えても裏切られた方が多い受け身の人生だったが、不意に、大変罪深い裏切り行為をしたことがあるのを思い出した。
☆
《nihao最大の裏切り》
大学1年が終了した3月、突然父から電話があった。
「至急成績証明書を送ってよこせ!遊んでばかりいて成績が芳しくないのなら仕送りは停止する。いや大学もやめさせる!」
理不尽な親の権威が横行闊歩していた古きよき時代(?)の話だから、私は心底震え上がった。
明治生まれの頑固な父を知る者にとっては、冗談とか一時の脅し文句ではないことは明白だった。
家から離れ心身ともに解放され自由の身となった私が、真面目に温和しく勉強していた筈がない。
修得すべき単位のほとんどを落とし、修得した単位も最低評価ばかり。
一体どうしたらよいのだろう?
大学生活ももはやこれまで。
命運尽きたと諦めかけていた私に、突如天使の...いや、悪魔のささやきが聞こえた。
「成績書を改ざんせよ!しからば道は開かれる!」
大学の成績書は、4年分の履修科目が全部載っているので当然ながら空欄の部分が多い。
私は急いで文具店に行って、ABCだったか優良可だったか甲乙丙丁(?)だったか忘れたが、成績書と同じ記号のスタンプとインクを買ってきて、最高評価マークの印を空欄に押しまくった(40年前には難なく出来た)
なんと悪知恵に長けた...いや、賢い娘なんだろう私は!
素晴らしい成績書が送られてきて父は大満足、私も余命が伸びてひと安心。
絶対にばれてはいなかったと思うから、これは裏切り行為というよりは親孝行だったかも?
もし私の子どもたちが同じようなことをやったら即刻見抜く自信があるが、私は子どもの成績表には関心がなかったので、一度も見せてもらったことはない。
それにしてもこれは罪深い行為というよりは、本当の罪になるのではないだろうか?
公文書偽造罪?いや私文書偽造罪?それとも学業詐称罪?
※私と同じことを考えた人、または実行した人、絶対にいる筈です!
最近子どもの学校のPTAで知り合って意気投合した女性がいた。
何度か一緒に活動しているうちに、もっと親しくなりたいと思った。
すると先にその女性の方から
「もっと仲良くなりたいわ。お宅にお邪魔してもよいですか?」
と言われ、自分の気持ちが通じたと嬉しくなった。
当日は、手作りのお菓子などを用意して楽しみに待っていたら、その女性は、大きなバッグを抱えてやってきた。
バッグの中は高級化粧品がぎっしり。彼女は化粧品のセールスレディだった。
親しくなるどころか最初から最後まで営業トーク。
子ども同士が同級生だと冷淡なそぶりは出来ない。
心優しく気弱なミセスWは、断ることも出来ずに泣く泣く化粧水を1本買うはめに。
人の良さにつけ込まれ、挙げ句の果てに利用され
「裏切られたようなとってもイヤな気分!」
と嘆いていたが......
彼女の話を聞きながら、私も似たようなことがあったことを思い出した。
化粧品や高級下着の販売、宗教の勧誘。
ミセスWと同じように裏切られたような思いをしたことが何度かある。
しかし...このくだらなき人生。
逆に私自身が裏切った経験はなかっただろうか?
いくら考えても裏切られた方が多い受け身の人生だったが、不意に、大変罪深い裏切り行為をしたことがあるのを思い出した。
☆
《nihao最大の裏切り》
大学1年が終了した3月、突然父から電話があった。
「至急成績証明書を送ってよこせ!遊んでばかりいて成績が芳しくないのなら仕送りは停止する。いや大学もやめさせる!」
理不尽な親の権威が横行闊歩していた古きよき時代(?)の話だから、私は心底震え上がった。
明治生まれの頑固な父を知る者にとっては、冗談とか一時の脅し文句ではないことは明白だった。
家から離れ心身ともに解放され自由の身となった私が、真面目に温和しく勉強していた筈がない。
修得すべき単位のほとんどを落とし、修得した単位も最低評価ばかり。
一体どうしたらよいのだろう?
大学生活ももはやこれまで。
命運尽きたと諦めかけていた私に、突如天使の...いや、悪魔のささやきが聞こえた。
「成績書を改ざんせよ!しからば道は開かれる!」
大学の成績書は、4年分の履修科目が全部載っているので当然ながら空欄の部分が多い。
私は急いで文具店に行って、ABCだったか優良可だったか甲乙丙丁(?)だったか忘れたが、成績書と同じ記号のスタンプとインクを買ってきて、最高評価マークの印を空欄に押しまくった(40年前には難なく出来た)
なんと悪知恵に長けた...いや、賢い娘なんだろう私は!
素晴らしい成績書が送られてきて父は大満足、私も余命が伸びてひと安心。
絶対にばれてはいなかったと思うから、これは裏切り行為というよりは親孝行だったかも?
もし私の子どもたちが同じようなことをやったら即刻見抜く自信があるが、私は子どもの成績表には関心がなかったので、一度も見せてもらったことはない。
それにしてもこれは罪深い行為というよりは、本当の罪になるのではないだろうか?
公文書偽造罪?いや私文書偽造罪?それとも学業詐称罪?
※私と同じことを考えた人、または実行した人、絶対にいる筈です!